2026.09.29
カタログとパンフレットの違いとは?目的・特徴・選び方を比較表付きで解説
企業が商品やサービスを紹介する手段として、カタログやパンフレットは今も広く使われています。展示会での配布、商談時の提案資料、既存客への発注ツールなど、活用される場面はさまざまです。ただし両者の違いは曖昧に捉えられていることも多く、目的に合わない形式を選んでしまうこともあります。
本記事では、カタログ・パンフレット制作会社のJPCが、両者の違いを目的・活用シーン・掲載内容・ページ数の4つの軸で解説します。選び方の判断基準や、迷ったときの考え方もあわせて紹介するので、印刷物の制作を検討している企業のご担当者は参考にしてください。
カタログとは
カタログとは、読者が商品・製品などを比較しながら選べるように、情報を網羅的に整理・掲載した冊子です。
型番・仕様・価格など比較検討に必要な要素を体系的に並べた構成が特徴で、購買判断を後押しする場面で活用されます。掲載する商品数によってページ数は幅があり、十数ページのものから、総合カタログのように100ページを超えるものまで存在します。
関連記事:カタログの作り方8ステップ|構成の決め方と失敗しないコツ
パンフレットとは
パンフレットとは、複数のページを折り加工や綴じ加工でまとめた小冊子です。会社そのもの、もしくは特定の商品・サービスなど、ひとつのテーマを深掘りして紹介する場面で使われます。
一般的には4〜12ページ、多くても48ページ程度におさまるよう構成するケースが多く、伝えたい要素を絞り込んで掲載します。写真やキャッチコピーを通じて、読者の興味・関心を引くことにフォーカスした印刷物です。
関連記事:パンフレットの作り方8ステップ|構成のポイントとデザインのコツ
カタログとパンフレットの違い
カタログとパンフレットは、どちらも商品やサービスを紹介する印刷物です。ただし果たす役割が異なるため、掲載する情報の範囲からページ数、製本の方法まで差が生まれます。以下の4つの項目で比較します。
| 比較項目 | カタログ | パンフレット |
|---|---|---|
| 主な使用目的 | 商品・製品を一覧で見せ、比較・検討してもらう。 購入する商品の意思決定につなげる。 | 企業そのもの、特定の商品の魅力・コンセプトを伝える。 認知拡大・興味喚起につなげる。 |
| 活用シーン | 具体的に購入を判断する段階 (比較検討フェーズ) | まずは自社のことを知ってもらう段階 (認知フェーズ・興味関心フェーズ) |
| 掲載内容 | どの商品を購入すべきか判断するのに必要な情報 品番・仕様・価格など | 企業・商品に興味関心を持ってもらうための情報 コンセプト・写真・キャッチコピーなど |
| ページ数・製本方法 | 数十〜数百ページ 無線綴じが中心 | 4〜48ページ程度 中綴じが中心 |
それぞれ詳しく解説します。
主な目的
カタログとパンフレットの本質的な違いは、その使用目的にあります。
カタログの主たる目的は、複数の商品・製品を一覧で見せ、読者に比較・検討してもらうこと。多くの選択肢を並べて提示し、その中から「これを買いたい」と選んでもらうために使用します。
一方、パンフレットが担うのは、企業そのもの、新商品、主力サービスなど、特定の要素を訴求する役割です。多くの選択肢から選ばせるのではなく、伝えたい対象をひとつに絞り、その魅力を掘り下げます。興味・関心を持ってもらう段階から、問い合わせや商談につなげる場面まで活用できる点も特徴です。
カタログは「多くの中から選んでもらう」ため、パンフレットは「特定のものを深く訴求し、興味や行動につなげる」ための印刷物。目的が違えば、読者に届けるべき情報も、渡す場面も変わります。
活用シーン
カタログとパンフレットには、それぞれ向いている場面があります。代表的な活用シーンは次のとおりです。
| カタログ | 読者が具体的に購入判断するフェーズで活用 ▼活用シーンの例 ・商談の場で、商品を比較しながら説明する ・問い合わせや資料請求があった見込み客へ送付する ・取引先に常備され、発注時の参照資料として使われる |
| パンフレット | まず自社や商品を知ってもらうフェーズで活用 ▼活用シーンの例 ・展示会やイベントで、初めて接する相手へ配布する ・新商品やサービスの案内として、既存の取引先へ送付する ・店頭や受付に設置し、自由に持ち帰られる |
カタログは選ぶための材料として、パンフレットは知るきっかけとして使われます。
掲載内容

誌面に載せる情報も、カタログとパンフレットで大きく変わります。
| カタログ | ・複数の選択肢の中から、どれを選ぶべきか判断するのに必要な情報 ・品番、仕様、価格、サイズなどのスペック |
| パンフレット | ・特定の対象に、興味・関心を持ってもらえる情報 ・コンセプト、写真、キャッチコピーなど、世界観やベネフィットが伝わる情報 |
同じ対象を扱う場合でも、カタログとパンフレットでは掲載する情報の角度や粒度が異なります。
掲載内容の違いについて、ある家具メーカーが自社のソファについて紹介する印刷物を作るケースを例に、より具体的に比較してみましょう。
自社のソファをすべて掲載するカタログでは、各モデルの品番・サイズ・価格・張り地の種類などを一覧で並べます。読者が「どれが自分に合うか」を比較して選べるよう、項目とレイアウトを統一し、モデル同士を見比べられる構成にします。
一方、新発売のモデルや人気モデルを訴求するパンフレットでは、座り心地の魅力やその製品ならではの強み、ソファがある暮らしの写真などを掲載します。スペックの網羅よりも、「このソファが欲しい」という気持ちを引き出す誌面づくりが軸になります。
ページ数・製本方法
掲載する情報の量は、そのままページ数に跳ね返ります。
カタログは多くの商品を一覧性・検索性を重視して掲載するため、ページ数が増えやすく、数十〜数百ページに及ぶことも珍しくありません。一方、伝えたい要素に絞って構成するパンフレットのボリュームは4〜48ページ程度。カタログの10分の1以下におさまるケースもあります。
このページ数の差は、冊子の綴じ方にも影響します。代表的な綴じ方は次の2つです。
| 中綴じ | ・用紙を重ねて二つ折りにし、中央をホチキス(針金)で綴じる方法 ・総ページ数は4の倍数で組む ・比較的安価に製本できるが、ページ数が多くなると綴じられない |
| 無線綴じ | ・冊子の背の部分を糊で固定する方法 ・総ページ数は2ページ単位で調整できる ・ページ数の多い冊子にも対応でき、耐久性も高いが、費用は高くなりやすい |
ページ数の多いカタログは無線綴じ、少ないパンフレットは中綴じで制作されるのが一般的です。

カタログとパンフレットの選び方

カタログとパンフレットのどちらを選ぶべきか判断するポイントとしては、下記の3点が挙げられます。
- 掲載する商品・サービスの数で選ぶ
- 読者に何をしてほしいかで選ぶ
- 読者との接点がどの段階かで選ぶ
それぞれ詳しく見ていきましょう。
掲載する商品・サービスの数で選ぶ
まず確認したいのは、印刷物に載せたい商品・サービスの数です。数が多ければカタログ、1つまたは少数に絞れるならパンフレットが基本になります。商品を書き出して数えるだけで判断できるため、最初に確認すべき軸です。
掲載点数が多い場合、1点あたりに割けるスペースは自然と小さくなります。品番・仕様・価格を規則的に並べ、読者が見比べられる誌面にする必要があるため、カタログ形式が適しています。反対に掲載点数が少なければ、1点あたりに写真や説明を大きく配置でき、パンフレットとして成立します。
ただし点数だけで機械的に決まるわけではありません。商品が複数あっても、シリーズ全体のコンセプトを訴求したい場合はパンフレットとして構成することもあります。掲載する数と、1点ごとにどこまで深く伝えるかを併せて判断するのが実務上のポイントです。
読者に何をしてほしいかで選ぶ
掲載点数が同じでも、読者に取ってほしい行動によって適した形式は変わります。
読者自身に比較させ、そのまま発注や注文まで進めてほしい場合はカタログが適しています。型番・仕様・価格を網羅し、注文書やFAXフォームを備えたカタログであれば、営業担当者が介在しなくても読者の手元で発注が完結します。既存客が日々の発注に使う参照資料として機能するのも、この形式の特徴です。
一方、読者に興味を持ってもらい、問い合わせや商談につなげたい場合はパンフレットが向いています。パンフレットは営業担当者が商談で説明を補うツールとしても使われるため、情報を網羅するよりも、伝えたい強みが短時間で伝わる構成が求められます。持ち運びやすさも重視されます。
読者との接点がどの段階かで選ぶ
読者との関係がどの段階にあるかも、判断の材料になります。
まだ自社を知らない相手、初めて接する相手に渡すならパンフレットです。関係のない情報まで詰め込まれた冊子は読まれません。展示会で初対面の相手に数十ページのカタログを渡しても、その場で開かれないまま持ち帰られます。伝えたい要素を絞り、短時間で関心を引く構成が必要です。
すでに関心を持っている相手、商談が進んでいる相手に渡すならカタログです。この段階の読者は具体的に商品を選ぶ情報を求めており、絞り込まれたパンフレットでは判断材料が足りません。仕様や価格を網羅した誌面が求められます。
パンフレットで関心を持ってもらい、検討段階に入った相手にカタログを渡す。この2段構えで運用する企業も少なくありません。どちらか一方に絞れない場合は、役割を分けて両方を制作する選択肢もあります。
カタログとパンフレットで迷ったときの判断ポイント
3つの軸で考えても答えが出ない場合、掲載したい情報が絞りきれていないことが原因になっているケースがあります。載せたい商品や伝えたい内容をすべて書き出して優先順位をつけると、必要なページ数の規模が見えてきます。
予算に上限がある場合は、そこから逆算する方法もあります。制作費を左右するのはページ数のため、上限内で作れるページ数を先に把握し、その範囲に収まるよう掲載内容を絞り込みます。掲載点数を抑えた冊子から着手し、反応を見て翌年に規模を広げる進め方も現実的です。
判断がつかないまま進めるより、制作会社に相談したほうが早く形になります。「何を、誰に、どの場面で渡したいか」と予算感を伝えれば、カタログかパンフレットかという段階から提案を受けられます。

カタログ・パンフレットの制作でよくある質問
それでは最後に、カタログとパンフレットの制作に際してよくある質問について解説します。
カタログとパンフレットの制作期間はどれくらい?
どちらもページ数に比例して長くなり、カタログで1〜3か月以上、パンフレットで1〜2か月程度が目安です。
カタログ
・ページ数の少ない小規模なもの:1〜2か月程度
・数百ページに及ぶ大規模なもの:3か月以上
パンフレット
・二つ折り・三つ折りなど1枚もの:1か月程度
・8〜16ページの中綴じ:1.5〜2か月程度
掲載点数が多いほど、撮影・原稿作成・校正の工程が積み重なります。配布のタイミングが決まっている場合は、締め切りから逆算してページ数を決める進め方が確実です。
カタログとパンフレットの費用はどれくらい違う?
呼び名ではなくページ数で決まるため、ページ数が近ければ費用も近くなります。
カタログは4〜8ページの会社案内カタログで25万〜65万円程度、100ページ以上の総合カタログで300万〜500万円程度。パンフレットは1枚ものの二つ折り・三つ折りで5万〜20万円程度、20ページ以上の中綴じで40万〜100万円程度が目安です。
いずれもデザイン費を中心とした金額で、印刷費は別途かかります。ページ数・仕様別の詳しい相場は、以下の記事で解説しています。
関連記事:カタログ制作の費用相場を解説!料金の内訳とコストを抑えるコツも紹介
関連記事:パンフレット作成費用の相場は?形状・ページ数別の料金と内訳をデザイン会社が解説
カタログやパンフレットは、リーフレットとどう違う?
リーフレットは1枚の紙を折って作る印刷物で、綴じ加工を行わない点が異なります。
| 種別 | 主な目的 | ボリューム |
|---|---|---|
| カタログ | 多数の商品・サービスを体系的に掲載し、比較・検討につなげる | 数十ページ以上 (100ページを超えることもある) |
| パンフレット | 特定の要素について、詳しく紹介する | 4〜48ページ程度 |
| リーフレット (折りパンフレット) | 特定の要素について、パンフレットより簡潔に紹介する | 1枚の紙を折りたたんで作る (二つ折り4ページ、三つ折り6ページなど) |
まとめ
カタログとパンフレットは、どちらを選ぶかで届く相手も伝わる情報も変わります。呼び名にとらわれず、掲載したい商品の数と、読者に取ってほしい行動から逆算すれば、目的に合った形式が見えてきます。
とはいえ、自社だけで判断するのが難しい場面もあります。どちらを作るべきか決まっていない段階から制作会社に相談すれば、形式の選定からページ構成まで一緒に整理しながら進められます。
カタログ・パンフレット制作会社のJPCでは、目的やターゲットを明確にしたうえで、比較検討を促すカタログから、魅力を凝縮して伝えるパンフレットまで幅広く手がけています。企画・ディレクションからコピーライティング、撮影、デザイン、印刷までをワンストップで対応。10,000件を超える制作実績をもとに貴社の目的に合ったご提案をいたしますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。