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カタログの作り方8ステップ|構成の決め方と失敗しないコツ

カタログの作り方8ステップ|構成の決め方と失敗しないコツ

カタログの仕上がりは、デザインに入る前の情報整理でほぼ決まります。数十点から数百点の商品を1冊にまとめるため、掲載する商品と並び順が固まらないまま進めると、完成間際の1点の追加が誌面全体の組み直しにつながります。仕上がってからも、必要な商品が載っていない、目当ての商品が探しにくいといった問題が起こりがちです。 

本記事では、カタログ・パンフレット制作を手がけるJPCが、企業の広報・マーケティング担当者に向けて、カタログの作り方を8つのステップに整理して解説します。カタログの種類ごとの特徴や、効果的に作るコツ、デジタルカタログとの使い分けもあわせて紹介します。

カタログとは

カタログとは、商品・製品の情報を網羅的に掲載し、読み手が一覧で比較しながら選べるように整理した冊子のこと。型番・仕様・価格といった検討材料を体系的に並べる点が特徴で、営業活動や通信販売など、購買の判断を後押しする場面で使われます。

カタログと比較されやすい印刷物に、チラシ・リーフレット・パンフレットがあります。それぞれ担う役割とページ数の規模が異なるため、違いを以下の表に整理しました。

媒体主な目的ページ数の目安
チラシ特定の商品や催事について告知する1枚(片面1ページ、両面2ページ)
リーフレット特定の要素を、パンフレットより簡潔に紹介する1枚を折って作る(二つ折り4ページ、三つ折り6ページなど)
パンフレット特定の要素について、詳しく紹介する4〜24ページ程度が主流
カタログ多数の商品を体系的に掲載し、比較・検討してもらう数十ページ以上(100ページを超えることもある)

チラシ・リーフレット・パンフレットが「特定の要素に絞って伝える」ための資料であるのに対し、カタログは「多くの商品を網羅的に掲載し、比較・検討してもらう」ための資料です。そのぶん扱う情報量は多く、ページ数も数十から100を超える規模になります。

カタログ制作がほかの印刷物より難しいといわれるのは、この情報量を整理したうえで1冊にまとめる必要があるため。制作にかかる期間も費用も、相応の規模になります。

パンフレットの作り方は、以下の記事で詳しく解説しています。
関連記事:パンフレットの作り方8ステップ|構成のポイントとデザインのコツ

カタログの主な種類

カタログとひと口に言っても、目的と読み手によっていくつかの種類に分かれます。代表的なのは以下の4種類です。

  • 商品カタログ
  • 製品カタログ
  • 総合カタログ
  • 通販カタログ

どの種類のカタログを制作するかによって、掲載する情報の粒度やデザインの方向性が変わります。それぞれの特徴を見ていきましょう。

商品カタログ

商品カタログは、一般消費者向けの商品を掲載する、主にBtoC寄りのカタログです。店頭やショールームでの配布、ダイレクトメールでの送付などを通じて、購買意欲を高める役割を担います。

スペックの羅列よりも、商品の魅力が伝わる写真とブランドの世界観づくりが成果を左右します。誌面の印象がそのまま商品イメージにつながるため、撮影とデザインの品質に比重を置いて作り込んでいきます。

製品カタログ

製品カタログは、産業機器や部品など、企業間取引(BtoB)で扱われることの多いカタログです。読み手は購買担当者や技術者が中心となります。

感覚的な訴求よりも、型番・仕様・寸法といった商品情報の正確さと、比較のしやすさを優先します。掲載する情報量が多くなりやすいため、後述するスペック表記の統一と検索性の設計が重要になります。

総合カタログ

総合カタログは、自社の取り扱い商材を網羅的に掲載する、大ボリュームのカタログです。取引先の手元に常備してもらい、必要になったときに開いて発注につなげる営業ツールとしての役割を持ちます。

掲載点数が多いため、目次や索引で目的の商品にたどり着きやすくする工夫が、使い勝手を大きく左右します。商品の入れ替えに合わせて改訂されることも多く、更新しやすい作りにしておくことも欠かせません。

通販カタログ

通販カタログは、読み手がカタログを見てそのまま注文できるように設計された、通信販売用のカタログです。

商品情報に加えて、商品番号・注文ハガキ・電話番号・QRコードなど、注文までの導線が誌面に組み込まれている点が最大の特徴です。読み物として楽しませながら購買につなげる構成が多く、企画ページと商品ページを組み合わせて設計していきます。

カタログの作り方8ステップ

カタログの作り方8ステップの図

カタログ制作の工程は、次の8つのステップに分けられます。

  1. カタログの目的とターゲットを決める
  2. 掲載する商品・情報を棚卸しして整理する
  3. 台割(ページ構成)を作成する
  4. サイズ・綴じ方・用紙を決める
  5. ラフ案・デザインフォーマットを作成する
  6. 掲載する写真・原稿を用意する
  7. デザインデータを作成する
  8. 校正・入稿して印刷する

仕上がりの8割を左右するのは、デザインより前のステップ1〜3、つまり情報の整理と台割です。各ステップで何をするのか、順に解説します。

1.カタログの目的とターゲットを決める

最初に決めるのは、何のためのカタログを、誰に届けるのかという前提です。ここが定まらないまま進めると、掲載内容・構成・デザインのすべてで判断の基準がぶれてしまいます。目的とターゲットの組み合わせ例は、以下のとおりです。

目的ターゲット掲載内容の方針
商談で見せる検討中の発注担当者口頭の説明を補える比較材料を掲載する
展示会で配布する自社を初めて知る来場者取扱商品の幅広さが一度で伝わる構成にする
常備して発注につなげる既存顧客の発注担当者型番やスペックから目的の商品をすぐに探せる作りにする
通販で注文を得る購入を検討している消費者価格・商品番号・注文方法を漏れなく掲載する

この2つが定まると、作るべきカタログの種類も自然と絞り込まれます。展示会で自社をまだ知らない来場者に取り扱い商品の幅広さを見てもらいたいなら総合カタログ、特定の製品シリーズを商談で詳しく説明したいなら製品カタログ、といった具合です。

目的とターゲットは文章にして、関係者全員で共有しておくことが重要です。認識が揃わないまま進めると、デザイン段階になってから関係者間で意見が食い違い、手戻りの原因になります。

あわせて、展示会や商談などカタログを使い始める時期から逆算し、校正・印刷に要する期間を含めたスケジュールもこの段階で組んでおきましょう。

2.掲載する商品・情報を棚卸しして整理する

目的が固まったら、掲載する商品の範囲と点数を確定し、商品名・型番・スペック・価格といった掲載項目を一覧化します。この一覧が、ページ数の見積もりから原稿作成まで、以降すべての工程の土台になります。

このとき、寸法・重量・価格といったスペックの表記ルールも、あわせて決めておく必要があります。ある商品は「重量:1.2kg」、別の商品は「重さ 1,200g」という風に記載がばらつくと、読み手が商品を比較できないためです。

デザインを作り始めてから表記の統一や掲載する商品の追加を行うと、ページ全体のレイアウトの組み直しや索引の作り直しが発生するため、納期と費用にも大きく影響します。掲載範囲はここで確定させ、以降の変更には締め切りを設けておきましょう。

3.台割(ページ構成)を作成する

整理した情報を、掲載するページに落とし込みます。カタログの基本的な構成要素は、以下の5つです。

  • 表紙:カタログ名とメインビジュアルで、何のカタログかを示す
  • コンセプトページ:巻頭で自社や商品群の強み・世界観を伝える
  • 商品掲載ページ:カテゴリごとに商品情報を並べる本体部分
  • 索引:型番や商品名から目的のページを逆引きするための補助ページ
  • 問い合わせ先:注文や相談につなげるための導線

これらの要素を、どのページにどう配置するのかを一覧にまとめた設計図を「台割(だいわり)」と呼びます。総ページ数128ページの商品カタログであれば、以下のような形になります。

128ページカタログの台割イメージ図

ページ掲載内容
表紙(P1)カタログ名・メインビジュアル
P2コンセプトページ
(自社の強み・選ばれる理由)
P3〜P4目次・掲載商品の全体マップ
P5〜P20商品カテゴリA
P21〜P40商品カテゴリB
(中略)
P120〜P126型番索引
P127会社概要
裏表紙(P128)問い合わせ先・注文方法

台割があると、掲載の抜け漏れや並び順の問題に、デザイン前の段階で気づけます。ページ数の見積もりも立てられるため、印刷会社への相談や予算取りもこの時点から進められます。

作成時の注意点は、カタログの綴じ方によって調整できる単位が決まっていること。

  • 中綴じ:1枚の紙を二つ折りにして4ページ分となるため、総ページ数は4の倍数で組む
  • 無線綴じ:1枚の紙の表裏で2ページ分となるため、2ページ単位で調整できる

いずれの場合も、「あと1ページだけ増やす」という増やし方ができないため、台割の段階で掲載する情報量を調整し、決めたページ数のなかに収めるように設計しましょう。

どのような順番・分類で載せると伝わるかという判断軸は、後述の「効果的なカタログを作るコツ」で詳しく解説します。

4.サイズ・綴じ方・用紙を決める

台割でページ数が見えてきたら、サイズ・綴じ方・用紙といった仕様を決めます。カタログで使われるサイズは、主に以下の3つです。

サイズの図

サイズ特徴
A4(210×297mm)最も一般的なサイズ。
情報量を確保しやすく、書棚にも収めやすい。
B5(182×257mm)A4よりやや小ぶり。
情報量を保ちつつ携行性も高めたい場合の選択肢。
A5(148×210mm)A4の半分のコンパクトサイズ。
携行性を重視する場合の選択肢。

次に綴じ方です。カタログでは「中綴じ」と「無線綴じ」の2種類が使われ、対応できるページ数が異なります。

綴じ方の図

綴じ方製本方法対応ページ数の目安
中綴じ二つ折りにした用紙を重ね、見開きの中心を針金で留める。40ページ程度まで。
比較的低コストで、ページが開きやすい。
無線綴じ本文の背を接着剤で固め、表紙でくるむ。40ページ前後から数百ページまで。
背表紙ができ、耐久性も高い。

用紙は、紙の種類と厚さの2点で決めます。種類によって手触りと発色が変わるため、掲載する内容にあわせて選びます。

用紙の種類特徴
コート紙表面に光沢があり、手触りはなめらか。
発色が鮮やかで、写真を美しく見せたい場合に向く。
マットコート紙光沢を抑えたサラサラした手触り。
文字量の多いカタログに向く。
上質紙紙本来のザラザラした手触りで光沢はない。
書き込みを想定する場合に向く。

用紙の厚さは「連量(れんりょう)」という単位で表します。規定サイズの紙1,000枚あたりの重さ(kg)を示す数値で、大きいほど厚い紙になります。

連量厚さの目安と用途
90kg軽く、めくりやすい厚さ。
ページ数の多いカタログの本文によく使われる。
110kg少し厚みがあり、高級感を出したい場合に向く。
135kgしっかりとした厚みと張りがあり、折れにくい。
カタログでは表紙に用いられる

サイズ・綴じ方・用紙は、いずれもページ数と用途に合わせて選ぶことが基本です。営業担当者が持ち歩くなら、A4より小ぶりなサイズと軽い用紙で持ち運びやすさを優先する。取引先に常備してもらう総合カタログなら、無線綴じと厚めの表紙で耐久性を確保する。このように、どう使われるかが決まれば仕様も定まります。

なお、紙の質感や厚みは数値だけでは判断しにくいため、印刷会社の見本帳で実物を確認したうえで決めるのが確実です。

5.ラフ案・デザインフォーマットを作成する

デザインフォーマットの作成の図

本格的なデザイン作業の前に、紙面の下書きとなるラフ案を作ります。カタログで特に重要なのは、商品掲載ページの「デザインフォーマット」を先に固めることです。カタログは同じ型の商品ページを繰り返す構造であるため、1商品分の写真・商品名・スペック・価格の配置を確定させ、それを全ページへ展開していきます。

フォーマットを固める前に個別のページを作り込んでしまうと、配置を変えたくなったときに作成済みのページをすべて直すことになります。まず1見開き分のサンプルを作り、関係者の合意を取ってから量産に入りましょう。

なお、この段階から作り込む必要はありません。手書きや簡単な図で、写真・商品名・スペック・価格をどこに配置するかのラフ案を描き、方向性を固めてからデザインフォーマットへ落とし込むのが一般的な進め方です。Webサイト制作でいうワイヤーフレームにあたる工程と考えると、イメージしやすいかもしれません。

6.掲載する写真・原稿を用意する

フォーマットが固まったら、必要な写真の撮影と原稿の執筆を進めます。ここで押さえておきたいのが、印刷物ならではの制約です。

写真は、紙への印刷に耐える解像度のデータが必要になります。Webサイト用の72dpi程度の画像をそのまま流用すると粗く印刷されるため、300dpi以上の解像度を確保します。適切なデータが手元にない商品は、カタログ用に撮影しなおすほうが確実です。

解像度の説明図

原稿については、ステップ2で決めたとおりに単位や記載順を統一しておきます。原稿の作成者が複数に分かれる場合は、表記ルールを先に共有しておくと、あとからの修正を防げます。

カタログは商品点数が多いぶん、撮影点数も原稿量も多くなります。どの商品の写真と原稿がいつ揃うのかをExcelなどで一覧化し、進捗を管理しながら進めましょう。素材の遅れはそのまま全体の遅れにつながるため、ステップ1で組んだスケジュールと突き合わせながら確認していきます。

7.デザインデータを作成する

写真と原稿が揃ったら、デザインデータの作成に進みます。商品ページは、フォーマットに沿って各商品の写真・スペック・価格を流し込んでいく作業が中心になります。

ここで優先すべきは、見た目の美しさよりも「目的の商品を探しやすく、比較しやすいか」です。どれほど印象的なデザインでも、欲しい商品にたどり着けないカタログは、手に取られなくなります。

その一方で表紙とコンセプトページは、カタログの顔として読み手の興味を引く必要があるため、デザイン性も求められる部分になります。表紙は何のカタログかが一目で伝わるように、コンセプトページは自社や商品の強み・世界観が伝わるように仕上げましょう。具体的な判断軸は、次章「効果的なカタログを作るコツ」で解説します。

8.校正・入稿して印刷する

デザインが仕上がったら、誤字脱字に加えて、型番・スペック・価格・連絡先といった数値情報を重点的に確認します。自分で作った紙面は誤りに気づきにくいため、ここまでの制作に携わっていない第三者の目を入れた複数回の校正が有効です。数値の誤りが引き起こすトラブルについては、後述の「カタログ制作でよくある3つの失敗」で詳しく解説します。

色味が重要な商品を扱う場合は、印刷前に色校正で仕上がりを確認しておくと安心です。校正を終えたデータを印刷会社へ入稿し、印刷・製本されて納品となります。

色校正(いろこうせい)

印刷本番の前に、実際の仕上がりに近い状態で色味を確認する工程のこと。簡易的な校正のほか、本番と同じ用紙・印刷方式で試し刷りして確かめる方法もあります。商品写真の色が実物とかけ離れていると発注後のトラブルにつながるため、カタログでは特に重視される工程です。

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効果的なカタログを作るコツ

手順どおりに作るだけでは、成果につながるカタログにはなりません。こちらでは、読み手にとって使いやすいカタログへ仕上げるコツを5つ取り上げます。

  • 体系的に整理したカテゴリー構成にする
  • 探しやすさを意識したデザインにする
  • 掲載写真の質にこだわる
  • 商品ページのレイアウトとスペック表記を統一する
  • 問い合わせ・注文への導線を用意する

5つに共通する軸は、「探しやすさ・比較のしやすさ・次の行動への導線」の3点です。順に見ていきましょう。

体系的に整理したカテゴリー構成にする

カタログの構成は、「用途別」「価格帯別」「ターゲット別」など、1つの軸で体系的に分類することが基本です。分類の軸が統一されていれば、読み手は目当ての商品がどのあたりにあるかを予想しながらページをめくれます。

注意したいのは、分類を自社の組織構造に合わせてしまうこと。事業部ごとの掲載順は作り手にとって自然でも、読み手には探しにくい構成になりがちです。カテゴリの軸を、読み手が商品を選ぶときの視点(用途やスペック帯)に合わせることが、目的の商品への探しやすさに直結します。

探しやすさを意識したデザインにする

カテゴリー構成を整えても、紙面に目的のページへたどり着く手がかりがなければ、読み手は迷ってしまいます。導線は、以下の3要素を組み合わせて設計します。

  • 目次:冒頭で、どこに何が載っているのかの全体像を示す
  • 型番索引:巻末で、型番や商品名から該当ページを逆引きできるようにする
  • インデックス(ツメ):ページの端にカテゴリごとの色帯を印刷し、小口側からカテゴリの位置が分かるようにする
探しやすさを意識したデザインのイメージ

この3つはそれぞれ担う役割が異なります。目次は全体像の把握、索引は型番からの逆引き、インデックスは開いたページからの直接アクセスに対応するため、組み合わせて初めて、どのページから開いても目的の商品にたどり着ける状態になります。

あわせて、紙面には余白を十分にとり、色やアイコンの使い方を全ページで統一しましょう。情報を詰め込みすぎた紙面や、ページごとに配色の異なる紙面は、それだけで検索性を下げてしまいます。

掲載写真の質にこだわる

カタログでは、写真が購買判断を大きく左右します。実物を手に取れない読み手にとっては、写真がそのまま商品の印象になるためです。

そこでまず意識したいのが、写真の使い分けです。カタログで使われる商品写真は、大きく「切り抜き写真」と「利用シーン写真」の2種類に分かれます。

写真の種類特徴向いているケース
切り抜き写真背景を白く抜き、商品の形やディテールを見せる複数商品のスペックを並べて比較してもらいたい
利用シーン写真使用している場面ごと写し、活用イメージを伝える購入後の姿を想像させ、購買意欲を引き出したい

スペック比較のページに利用シーン写真を並べても形状の違いは読み取れないため、商品の特性と誌面の役割に合わせて、写真を使い分けることが大切です。

また、物撮り(商品撮影)そのものの質も重要に。同じ商品でも、置き方・背景・ライティングによって質感の伝わり方は変わります。さらに掲載点数の多いカタログでは、ページごとに明るさや色味がばらついていると、商品を並べたときの比較がしづらくなるため、写真のトーンを全商品で揃えることを意識しましょう。

商品ページのレイアウトとスペック表記を統一する

商品ページのレイアウトとスペック表記を統一したイメージ

商品ページの写真・商品名・スペック・価格の位置が揃っていれば、見るべき場所が決まるため、読み手はページをまたいでも商品を視覚的に比較できます。しかし、商品ごとに並べ方が異なると、読み手は1点ごとに見方を切り替えながら読むことになります。商品ページのレイアウトを統一し、読み手が比較しやすいようにすることが重要です。

また、見落とされがちなのが、スペック表記の統一です。項目の名称・単位・小数点の桁数・記載順が商品間でずれていると、並べて見ても違いが読み取れない「比較できないカタログ」になってしまいます。ステップ2で決めた統一ルールを、デザイン段階まで徹底することが重要です。

問い合わせ・注文への導線を用意する

カタログは、配って終わりではなく、問い合わせや注文といった次の行動につなげるための資料です。読み手が「これが欲しい」と思った瞬間に、迷わず行動へ移れる導線を誌面に用意しておきましょう。

意識したいのは、どのページを開いても問い合わせ情報にたどり着ける状態にすることです。カタログは最初のページから順に読まれるとは限らず、必要なページだけを開くケースがほとんど。全ページのフッターに問い合わせ先を入れておけば、読み手は問い合わせようと思った時点ですぐに問い合わせ先を見つけられます。

問い合わせを受けたあと、どの商品の話かを特定する手間を省くために、商品ごとに管理番号を振っておく方法も有効です。電話番号やメールアドレスに加えてWebサイトへのQRコードを載せておけば、より詳しい情報へ誘導できます。

なお、これは通販カタログに限った話ではありません。注文を販売店舗で受け付ける想定であっても、「在庫のある店舗を知りたい」「仕様の詳細を確認したい」といった問い合わせに対応する窓口の情報は記載しておきましょう。

紙のカタログとデジタルカタログの使い分け

近年は、紙のカタログに加えて、PDFやWeb上で閲覧できるデジタルカタログを用意する企業も増えています。両者は得意な場面が異なるため、まずは違いを整理しておきましょう。

比較項目紙のカタログデジタルカタログ
全体の見渡しやすさ見開きページで、多くの情報を一度に比較しやすい画面サイズに左右され、一度に見られる情報は限られる
持ち運びやすさページ数が多いほど重くかさばり、持ち歩く負担が大きい端末さえあれば、外出先でもすぐ開ける
手元への残りやすさ手元に残るため、ふとしたときに見返されるブックマークは可能だが、データが埋もれることも多い
検索のしやすさ目次・索引から探すため、目的のページまで手数がかかるキーワード検索で目的のページへたどり着きやすい
更新のしやすさ修正には刷り直しが必要随時更新できる
配布コスト印刷・郵送の費用がかかる低コストで広く配布できる

たとえば、「どんな商品があるのかを一通り把握したい」という場面では、紙のカタログが力を発揮します。ページをめくるうちに目当てでなかった商品が目に留まることもあり、全体を見渡しやすい紙ならではの利点であるといえます。一方、「特定の型番をもう一度確認したい」という場面では、紙をめくって探すよりデジタルカタログのキーワード検索のほうが早くたどり着けます。

同じ顧客であっても、そのときの目的によって使いやすい形式は変わります。どちらを選ぶかは、カタログが使われる場面から判断しましょう。「常備してもらう紙」と「最新情報を届けるデジタル」というように役割を分け、両方を用意する企業も少なくありません。

カタログ制作でよくある3つの失敗

こちらでは、カタログ制作でとくに起こりやすい、3つの失敗を紹介します。

  • 完成間際の商品追加・変更でレイアウトが崩れる
  • スペック・価格の誤植が発注トラブルにつながる
  • 改訂のたびに修正コストが膨らむ

いずれも、制作の早い段階で手を打っておけば避けられるものばかりです。それぞれの原因と対策を順に見ていきます。

完成間際の商品追加・変更でレイアウトが崩れる

デザインが確定したあとの商品追加・差し替えは、該当ページだけの修正では済みません。コマ割りの組み直しに始まり、目次や索引の作り直し、ページ番号の振り直しまで修正が連鎖するため、納期の遅れと追加費用が発生する原因になります。

対策としては、ステップ2の段階で掲載範囲を確定し、変更を受け付ける期限を関係者間で共有しておくことです。期限を過ぎた変更は次回の改訂で反映する、といったルールまで決めておけば、完成間際での差し替えを防げます。

スペック・価格の誤植が発注トラブルにつながる

読み手はカタログに記載されている情報をもとに発注するため、スペックや価格の誤植は、信頼感を失う原因につながります。

配布前に気づいた場合は、刷り直しの手間と費用がかさむだけで済みますが、制作側が気づかないまま配布した場合、注文した商品と違うものが届くことになるため、発注先との信頼関係そのものを損ないかねません。

対策として、型番・価格・連絡先など数値情報だけを対象にした専用のチェックリストを作り、制作者以外のメンバーも加わって複数回の校正を行いましょう。数値の確認は、文章の校正と分けて行うことで見落としが減ります。

改訂のたびに修正コストが膨らむ

カタログは、商品の入れ替えや価格改定に合わせて改訂される前提の媒体です。とはいえ、初版を「1回作って終わり」の設計にしてしまうと、改訂のたびに広範囲の修正が発生し、費用がかさみ続けます。

改訂を見据えた工夫としては、変動しやすい価格表を本体と分けて別刷りにする、商品情報を一元管理して誌面と照合しやすくする、といった方法があります。初版の設計段階で「次の改訂では何が変わるか」まで想定しておくことが、長期的な制作コストを大きく左右します。

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カタログ制作の依頼先の種類と選び方

ここまで見てきたとおり、カタログ制作の工程は情報整理から台割、撮影、デザイン、校正まで多岐にわたります。社内のリソースだけで進めるのが難しい場合、外注するという手段もあります。

ただし、依頼先には以下の3つの種別があり、得意分野と対応範囲がそれぞれ違う点に注意が必要です。

依頼先特徴主な対応範囲
印刷会社印刷品質や用紙・加工の相談がしやすい
企画・撮影は別途手配が必要なこともある
デザイン・印刷・製本が中心
デザイン会社見せ方や構成の設計に強い
印刷は提携先へ手配する形が多い
企画・構成・デザインが中心
広告代理店マーケティング施策の一環としてカタログの企画に対応することがある
デザイン・印刷は提携先へ手配する形が多い
企画・構成が中心

依頼先を選ぶ判断軸は、自社で対応できない工程がどこまであるかという点です。デザインだけを外に出したいのか、企画から印刷まで通して任せたいのかによって、適した依頼先は変わります。

問い合わせの前に、次の2点を整理しておくと比較しやすくなります。

  • 任せたい工程の範囲:複数社に分けて発注すると窓口が増え、認識のずれも起きやすくなる
  • 素材準備の可否:撮影や原稿作成から引き受ける会社もあるため、社内に素材がなくても依頼できる

この2点が整理できていれば、各社の見積もりを同じ条件で比べられます。

カタログ制作会社の選び方については、以下の記事で詳しく解説しています。
関連記事:カタログ制作会社の選び方|依頼先の種類・選定ポイントと依頼の流れを解説

カタログ制作にかかる費用の目安

カタログの制作費用は、ページ数・掲載点数・撮影の有無・印刷部数など複数の要素で決まります。総額ではなく工程ごとの単価で見積もられることが多く、内訳の目安は以下のとおりです。

費用の項目相場の目安
デザイン費表紙10万円程度、本文1ページあたり2万〜3万円程度
取材・原稿作成費1ページあたり1万〜5万円程度
(取材が必要な場合は1回2万〜3万円程度が別途)
写真撮影費半日で3万〜10万円程度、1日で10万〜20万円程度
DTP・校正費1ページあたり2万〜10万円程度

ページ数が増えるほど各工程の作業量は比例して増えるため、費用はページ数に大きく左右されます。また、撮影費は掲載点数によって変動幅が大きく、原稿を自社で用意できるかどうかによっても費用は異なるため、見積もりを比較する際は、金額そのものよりもどの工程までが含まれているのかを確認しましょう。

費用の内訳とコストを抑える方法は、以下の記事で詳しく解説しています。

関連記事:カタログ制作の費用相場を解説!料金の内訳とコストを抑えるコツも紹介

カタログの作り方に関するよくある質問

こちらでは、カタログの作り方について、よくある質問と回答をまとめました。

カタログ制作にはどれくらいの期間がかかりますか?

ページ数の少ない小規模なカタログで1〜2か月程度、大規模なカタログでは3か月以上かかることもあります。制作期間はページ数・掲載点数・撮影や原稿作成の有無・原稿の完成度によって変わるため、あくまで目安として捉えておきましょう。

原稿や写真素材を事前に用意しておけば、期間を短縮できる場合もあります。展示会や新商品の発売など、使う日が決まっている場合は、校正・印刷に要する期間まで見込んで早めに動き出すことが重要です。

ExcelやPowerPointでもカタログは作れますか?

社内配布用など簡易なカタログであれば、ExcelやPowerPointでも作成できます。ただし、印刷会社へ入稿して本格的に印刷する場合には注意が必要です。

これらのソフトは画面表示用の色(RGB)でデータが作られるため、印刷用の色(CMYK)へ変換した際に色味が変わるほか、塗り足し(断裁のずれを見込んで紙面の外側まで絵柄を延ばしておく余白)の設定にも制約があります。品質を重視する冊子は、印刷用のデータ形式に対応できる体制で作るのが確実です。

原稿や写真が揃っていなくても制作を依頼できますか?

依頼できます。撮影・原稿作成・企画から引き受ける制作会社を選べば、手元にあるのが商品リストと掲載の目的だけという状態でも、制作をスタートできます。

手元の写真を寄せ集めると、明るさや背景がページごとにばらつき、商品を並べたときに比較しにくくなることもありますが、撮影からまとめて任せることで、全商品で写真のトーンを揃えられる点はメリットといえます。

一度作ったカタログを改訂するときは何に注意すべきですか?

まず必要なのは、商品の入れ替え・価格改定・仕様変更など、前回からの変更箇所を漏れなく洗い出すことです。あわせて、旧版カタログの在庫をいつまで使用し、いつ回収するかの計画も立てておきましょう。古い価格や仕様のカタログが取引先に残っていると、誤発注の原因になります。

改訂の内容を版数とともに記録しておくと、次回以降の改訂も進めやすくなります。

カタログの制作費用を抑える方法はありますか?

ページ数・部数・用紙などの仕様を見直すことに加えて、既存の写真・原稿を活用して撮影・執筆の工数を減らす方法があります。ただし、大切なのは安くすることではなく、目的を達成できる仕様に絞り込むことです。

費用の内訳は、本記事の「カタログ制作にかかる費用の目安」で紹介しています。

まとめ

本記事では、カタログの作り方を、準備から印刷までの8ステップに沿って解説しました。まず取り組みたいのは、掲載する商品の範囲を確定し、スペックの表記ルールと台割まで固めること。この土台ができていれば、デザイン以降の工程で判断に迷う場面は大きく減ります。

そのうえで、成果につながるカタログに共通するのは、探しやすさ・比較のしやすさ・次の行動への導線を備えた設計です。誌面の導線や商品ページのレイアウト統一に加えて、改訂を見据えた作りまで初版の段階で想定できると、読み手の手元に長く置いてもらえるカタログになります。

一方で、商品点数の多いカタログでは、情報の管理から撮影・印刷まで、こなすべき実務の量も種類も増えていきます。社内での対応が難しい場合は、カタログ制作会社への依頼も選択肢になります。

カタログ制作会社のJPCでは、企画・原稿作成・デザインから印刷までを社内の一貫体制で担っています。東京・京都の自社スタジオでの商品撮影・日本全国でのロケ撮影も可能で、企画から撮影、文章の作成、デザイン制作まで、すべてワンストップで進められる点が特徴です。カタログ制作をご検討の際は、ぜひお気軽にご相談ください。

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