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パンフレットの作り方8ステップ|構成のポイントとデザインのコツ

パンフレットの作り方8ステップ|構成のポイントとデザインのコツ

パンフレットの仕上がりは、デザインの前段階である「何を、誰に、どの順番で伝えるか」という情報設計でほぼ決まります。目的が曖昧なままデザインに手をつけると、完成間際に「思っていたものと違う」というやり直しが起こりがちです。

本記事では、カタログ・パンフレット制作を手がけるJPCが、企業の広報・マーケティング担当者に向けて、パンフレットの作り方を8つのステップで解説します。あわせて、構成を考える際のポイントや見やすく仕上げるデザインのコツ、内製と外注の判断基準も紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

パンフレットとは?

パンフレットとは、複数のページを折り加工や綴じ加工でまとめた小冊子形態の印刷物のこと。ページ数に余裕があるぶん写真や図を交えた構成にできるため、会社案内や商品・サービスの紹介など、ひとつのテーマを掘り下げて伝えたい場面に適しています。

似た印刷物にチラシやカタログがありますが、情報量と役割の位置づけがそれぞれ異なります。パンフレットとチラシ・カタログの違いは、以下のとおりです。

媒体形態主な役割
チラシ1枚ものセールや告知など速報性の高い情報を広く配る
パンフレット数ページ〜十数ページの小冊子会社や商品などテーマを絞って掘り下げて伝える
カタログ数十ページ規模の冊子商品・製品の情報を網羅的に掲載する

目的の面では、チラシは認知の拡大、パンフレットは理解の促進、カタログは比較検討の材料という違いがあります。パンフレットはカタログより薄く軽いため、商談や展示会で手渡ししやすい携行性の高さも特徴です。

なお、1枚ものを折りたたんだ簡易な冊子は「リーフレット」と呼ばれ、パンフレットの一種として扱われるのが一般的。どの媒体で作成するか迷う場合は、「載せたい情報量」と「読み手の手元に残したいかどうか」の2点で判断すると選びやすくなります。

パンフレットの国際的な定義

出版統計上の定義として、ユネスコは1964年の勧告で、小冊子(パンフレット)を「5ページ以上48ページ以下(表紙を除く)の印刷された非定期刊行物」としています。広告目的で無料配布されるものは対象外のため、企業の販促パンフレットに直接あてはまる定義ではないものの、冊子の規模感を知る目安になります。

出典:文部科学省「図書及び定期刊行物の出版についての統計の国際的な標準化に関する勧告」

パンフレットを作る前に決めておく3つのこと

パンフレット制作の失敗の多くは、作り始めてからではなく、作り始める前の準備不足に原因があります。着手する前に、以下の3点を固めておきましょう。

  • パンフレットの目的を決める
  • ターゲット(読み手)を決める
  • 配布方法とスケジュールを決める

この3点が定まっていると、後工程での迷いや手戻りが大きく減ります。それぞれ順に見ていきます。

1.パンフレットの目的を決める

何のためにパンフレットを作るのかを最初に決めます。目的が曖昧だと、掲載内容やデザイン、配布方法など、その後のあらゆる判断がぶれてしまうためです。

実際、目的が違えば、掲載する内容からデザイン、配布方法まで、作り方は次のように変わります。

営業用パンフレット採用パンフレット
目的商談後に読み返してもらい、購入を後押しするエントリーや説明会参加につなげる
掲載内容導入事例・料金・スペックなどの検討材料職種紹介・募集要項・社員インタビュー
デザイン信頼感のある落ち着いたトーン社員の写真を主役にした親しみやすい配色
配布方法商談時の手渡し、見込み顧客への郵送会社説明会やインターンでの配布

つまり目的は、掲載内容・デザイン・配布方法のすべてを決める起点となります。だからこそ、「作ること」自体を目的にせず、「読んだ人にどう動いてほしいか」まで言葉にしておくことが重要です。ここまで具体化できていれば、この後の判断はすべて目的に照らして下せるようになります。

採用パンフレットに特化した作り方のコツは、以下の記事で解説しています。
関連記事:採用パンフレット制作のコツ【事例あり】2026年採用担当者向け

2.ターゲット(読み手)を決める

同じ商品を扱うパンフレットでも、読み手が変われば、載せるべき情報も言葉の選び方も変わります。企業向けのパンフレットでは、決裁者が読むのか現場の担当者が読むのかまで踏み込むと、載せるべき情報が明確になります。

決裁者向け現場の担当者向け
掲載内容費用対効果・導入実績・信頼性具体的な機能・使い勝手・導入の手間
言葉遣い簡潔で論理的な表現実務目線の表現
(現場で使う専門用語も可)

さらに、年齢層・職種・知識レベルの3つの観点で読み手を掘り下げると、読み手像はより具体的になります。絞り込み方の例は次のとおりです。

観点絞り込みの例
年齢層50代以上が中心なら、文字を大きめにして情報量を絞る
職種製品を実際に使う技術職なら、機能や使い勝手を中心に載せる
知識レベル予備知識のない読み手なら、専門用語を避けて平易な言葉に置き換える

読み手像を具体的に描けていれば、載せる内容にも言葉選びにも迷いません。逆に読み手がぼやけたままだと、誰にも刺さらない、ぼんやりした1冊になりがちです。

3.配布方法とスケジュールを決める

パンフレットは配布方法によって、適したサイズ・部数・用紙が変わります。そのため、手渡し・郵送・店頭や受付への設置・イベント配布など、どのように配るかも制作前に決めておきましょう。配布方法ごとの要件の例は、次のとおりです。

配布方法要件の例
商談・営業での手渡し厚めの用紙で信頼感を出す。
同じ内容を長く使うなら、まとめて印刷して1部あたりの単価を抑える
郵送封筒に収まるサイズにする。
重量で郵送料金が変わるため、発送数が多いなら軽い仕様にする
店頭ラックへの設置ラックに収まるサイズで、手に取られやすい表紙にする。
多くの人が触れてもへたらない丈夫な用紙を選ぶ
展示会・イベントでの配布持ち帰りの負担にならない軽さに仕上げ、他社の資料に埋もれない表紙にする

あわせて、「いつ使いたいか」から逆算して制作スケジュールを組みましょう。校正や印刷には相応の日数がかかり、撮影を行う場合はさらに期間が必要です。予算と日程に余裕がないと、確認や修正の時間が十分に取れず、仕上がりの品質に影響しかねません。

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パンフレットの作り方8ステップ

パンフレットの作り方8ステップの図

ここからは、パンフレットの作り方を8つのステップに分けて解説します。

全体の流れは以下のとおりです。

  1. 掲載する内容を洗い出して整理する
  2. 構成と台割を決める
  3. サイズ・仕様・折り方を決める
  4. 用紙を選ぶ
  5. ラフ案を作成する
  6. 掲載する写真・原稿を用意する
  7. デザインデータを作成する
  8. 校正・入稿して印刷する

前半のステップ1〜4は、手を動かす前に内容と仕様を固める工程です。なかでもステップ1〜2の情報設計は、検討の深さがそのまま仕上がりに表れます。各ステップで行う内容を順に確認していきましょう。

1.掲載する内容を洗い出して整理する

最初に、掲載する可能性のある情報をすべて書き出します。

この時点では取捨選択せず、思いつくものを幅広く挙げるのがポイント。会社案内なら経営理念・事業内容・実績・会社概要、商品紹介なら特長・仕様・導入事例・価格などが代表的な候補になります。

次に、目的とターゲットに照らして絞り込みます。基準になるのは、「自社が伝えたいこと」ではなく「読み手が知りたいこと」。ここで情報を整理しておくと、後のページ構成とデザインが進めやすくなります。

2.構成と台割を決める

8ページ中綴じパンフレットの台割例の図

絞り込んだ情報を、どのページに載せるかへ落とし込む工程です。ここで作るのが「台割」と呼ばれる設計図。表紙→導入→本文→問い合わせ先という基本の流れに沿って、各ページへ項目を割り振ります。

たとえば8ページの製品紹介パンフレットなら、台割の例は以下のとおりです。

ページ掲載内容必要な写真・素材
表紙(P1)製品名・キャッチコピー・メインビジュアル製品の外観写真
P2製品の概要・解決できる課題
P3主要な機能
P4-P5製品の特徴製品細部の写真
P6導入事例・導入効果導入先の写真・比較図 
P7他社製品との違い比較図
裏表紙(P8)会社概要・問い合わせ先会社ロゴ

台割を作っておくと、全体の流れをひと目で確認できるため、情報の抜け漏れや重複にも気づけます。あわせて必要な写真・素材まで書き出しておけば、ステップ6の準備がそのまま進められます。なお、冊子形式の場合、印刷の仕組み上ページ数は4の倍数が基本です。

伝わる構成にするコツは、後述の「パンフレットの構成を考える際のポイント」で詳しく解説します。

台割(だいわり)

冊子のどのページに何を掲載するかを一覧表にまとめた設計図のこと。表にページ番号と概要をまとめる「一覧リストタイプ」と、見開きの展開図に内容を書き込む「見開き図タイプ」があり、パンフレット制作会社との打ち合わせでも共通言語として使われます。

3.サイズ・仕様・折り方を決める

折り方の種類の図

※図は折り方のみ。中綴じ冊子・ポケットファイルは下表を参照 

台割で情報量の見当がついたら、サイズと綴じ方・折り方を決めます。サイズは、会社案内や製品紹介で広く使われるA4(210×297mm)が基準となり、持ち運びやすさを重視する場合は、B5やA5などが選択肢になります。

形式は、複数ページを綴じる「冊子」と、1枚の紙を折る「折りパンフレット」に大別されます。主な種類は以下のとおりです。

形式特徴向いている用途
中綴じ冊子見開きの中心を針金で留める冊子。
ページ数は4の倍数。
8ページ以上の情報量。
会社案内・総合的な製品紹介。
二つ折り1枚の紙を半分に折る4面構成。
費用を抑えやすい。
シンプルな会社・商品紹介
三つ折り6面構成で、たたむとコンパクト。店頭ラック設置、DM同封
観音折り開く動きで印象づけられる。ブランド訴求、キャンペーン告知
蛇腹折り順番に読み進めてもらいやすい。手順の説明、マップ
ポケットファイル二つ折りの内側にチラシなどを挟める仕様。資料の差し替えで情報を更新したい場合。

開き方によって読み手の目に入る順番が変わるため、折り方は情報の見せ方とセットで検討することが重要です。

4.用紙を選ぶ

用紙を選ぶ軸は、「紙の種類」と「厚さ」の2つです。種類は大きく3系統に分かれ、それぞれ質感と向いている用途が異なります。

紙の種類特徴向いている冊子
コート紙表面に光沢があり、発色が鮮やか写真中心の商品パンフレット
マットコート紙光沢を抑えた落ち着いた質感で、文字が読みやすい文章量の多い会社案内
上質紙塗工のない、紙本来の自然な風合いナチュラルな印象にしたい冊子

紙面の主役が写真か文章かに合わせて選ぶのが基本です。

種類が決まったら、次に厚さを選びます。厚さは「連量」という単位(紙1,000枚分の重さ)で表されます。以下は、一般的な紙サイズである四六判での目安です。 

連量特徴・使いどころ
90kgチラシで広く使われる薄さ。費用を抑えたい大量配布向き
110kg適度なハリがあり、パンフレットで標準的に使われる厚さ
135kgしっかりした厚みで高級感が出る。商談用や表紙向き

大量配布なら薄め用紙でコストを抑え、商談で手渡すなら厚めの用紙で高級感を出すというように、配布方法との組み合わせで判断しましょう。

5.ラフ案を作成する

ラフ案からデザインデータへ移行させる図

デザインに入る前に、各ページのどこに見出し・写真・本文を置くかを手描きで固めます。この下書きが「ラフ案」です(Web制作でいうワイヤーフレームにあたります)。精緻に描く必要はなく、どこに何をどの大きさで置くかが関係者に伝わる粗さで問題ありません。

デザインが完成してからの構成変更は、修正の費用と日程の両面で負担が大きくなります。そのため、この段階で複数案を比較し、社内の合意を取っておきましょう。 

パンフレット制作会社に依頼する場合も複数のラフ案を出してもらい、決裁者を交えて方向性を固めておくと、完成間際の差し戻しを防げます。

6.掲載する写真・原稿を用意する

解像度による印刷品質の違いの図

ラフ案で必要な素材が確定したら、写真撮影と原稿の執筆に進みます。よくあるのが、Webサイト用の写真をそのまま流用するケース。Web用の画像は表示を軽くするために画質が抑えられていることが多く、そのまま印刷すると粗く仕上がってしまいます。

印刷用のデータでは、原寸で300dpi以上の解像度が必要です。社内に使える写真がない場合は、プロのカメラマンに撮影を依頼するのが確実です。

原稿は、台割の項目ごとにおおよその文字量を決めてから書き始めると紙面に収まりやすくなります。社内での執筆が難しい場合は、外部ライターに依頼するのも選択肢のひとつです。

解像度(dpi)

画像のきめ細かさを表す単位で、1インチ(2.54cm)あたりのドット数のこと。数値が大きいほど、なめらかで鮮明に印刷できます。

7.デザインデータを作成する

ラフ案と素材が揃ったら、デザインの制作に入ります。デザインには、WordやPowerPoint、Canvaといった身近なツールも使えます。一方、制作会社ではIllustratorやInDesignという印刷専用のソフトを使うのが一般的です。

どのツールを使う場合も、優先すべきは見た目の美しさより「目的が伝わるように設計されているか」。ラフ案で決めた配置と情報の優先順位を崩さず、装飾は情報を引き立てる範囲にとどめます。

上がってきたデザインを確認する際も、「ターゲットに伝えたいことが伝わるか」「読み手に取ってほしい行動につながるか」の2つの観点で判断しましょう。デザインの完成度を高める具体的な考え方は、後述の「見やすいパンフレットにするデザインの5つのコツ」で紹介します。

8.校正・入稿して印刷する

印刷データの基本構造の図

データが完成したら、印刷会社へ入稿する前に校正を行います。誤字脱字に加えて、電話番号・URL・価格・固有名詞は刷り直しの原因になりやすいため、制作者以外を含む複数人での確認が欠かせません。また、コピー用紙で構わないため、実寸で試し刷りし、実物に近い状態で文字の大きさや色味を確かめる方法も有効です。

校正を終えたら入稿です。自社で入稿データを作る場合は、次の3点を押さえておくと印刷会社とのやり取りが円滑になります。

項目押さえておくこと
トンボ・塗り足しトンボは断裁位置を示す目印。
断裁のズレで白地が出ないよう、仕上がりサイズの約3mm外側まで色を広げる。
「塗り足し」を設ける。
カラーモード印刷はCMYKの4色が基本。
画面用のRGBのまま入稿すると、色がくすむことがある。
解像度原寸で300dpi以上を確保する。
(ステップ6参照)

印刷方式は主に2つ。大部数ならオフセット印刷、小部数・短納期ならオンデマンド印刷が向いているため、部数と納期を伝えて印刷会社と相談しましょう。仕様の設定が難しい場合は、印刷まで任せられるパンフレット制作会社への依頼も選択肢になります。

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パンフレットの構成を考える際のポイント

8つのステップのなかでも、とくに仕上がりの差がつきやすいのが構成・台割の工程です。こちらでは、伝わる構成にするために押さえておきたい、以下の3つの考え方を紹介します。

  • 目次の骨組みから考える
  • 掲載順にストーリー性を持たせる
  • サイズ・仕様と行き来しながら調整する

いずれもデザインの経験がなくても実践できる考え方です。

目次の骨組みから考える

構成づくりで最初にすべきことは、ページのデザインを考えることではなく、「何を載せるか」という大項目の洗い出しです。書籍の目次を先に作るイメージで、大項目から固めると掲載すべき情報の抜け漏れを防げます。

パンフレットに載せる大項目は、種類ごとにおおよそのパターンが決まっています。以下を土台に肉付けしていくと迷いません。

種類大項目の代表例
会社案内企業理念・代表挨拶・事業内容・実績・会社概要・アクセス
製品・サービス紹介概要・特徴とメリット・仕様・導入事例・料金・問い合わせ先
採用事業紹介・職種と仕事内容・社員インタビュー・募集要項

会社案内パンフレットに載せる項目の詳細は、以下の記事で紹介しています。
関連記事:会社案内の作り方【初心者必見】パンフレット作成のポイントや流れを紹介

掲載順にストーリー性を持たせる

大項目が出揃ったら、どの順番で見せるかを設計します。ページをめくる読み手の理解と関心の流れに沿って、課題提起→解決策→根拠となる実績や数値→行動喚起(問い合わせ先)という流れで並べるのが基本です。たとえば製品紹介のパンフレットなら、次のような流れになります。

  1. 読み手が抱える課題を提起する
  2. 解決策として製品の特徴・メリットを紹介する
  3. 導入事例で「実際に効果が出ている」という信頼感を高める
  4. 料金など、購入前に知りたい情報を提示する
  5. 問い合わせ方法を案内する

まず読み手の関心事から入り、「自分に関係がある」と思ってもらう。次に実績や数値で納得を積み上げ、最後に取ってほしい行動を示す。この「関心→納得→行動」という流れは、会社案内や採用パンフレットでも同じように使えます。1冊を通してひとつの筋書きになっているかを確かめながら並べましょう。

サイズ・仕様と行き来しながら調整する

基本の順序は「構成が先、サイズ決めが後」です。ただし、実際には両者は影響し合います。情報量が増えればページ数とサイズが変わり、サイズを決めれば1ページに載る量が決まるためです。

実務でも、台割とサイズ検討のあいだを何度か行き来しながら固めていくのが通常の進め方であり、一度で決め切る必要はありません。行き来を前提にスケジュールを組んでおくと、途中の変更にも慌てず対応できます。

見やすいパンフレットを作るデザインの5つのコツ

構成が固まったら、次は紙面のデザインです。こちらでは、デザインの専門知識がなくても取り入れられる、見やすく仕上げるための以下の5つのコツを紹介します。

  • 表紙とキャッチコピーで手に取る理由を作る
  • 写真・イラストの質にこだわる
  • 配色は3色以内に絞る
  • フォントは2〜3種類に統一する
  • 余白と整列で情報を区切る

どれか1つを取り入れるだけでも、紙面の見やすさは大きく変わります。それぞれ順に見ていきましょう。

表紙とキャッチコピーで手に取る理由を作る

パンフレットを読むかどうかを、読み手は表紙で判断します。だからこそ表紙には、社名や商品名だけでなく、ターゲットの関心を惹きつけるキャッチコピーと、内容を象徴する写真を載せることが重要です。

たとえば、「業務用プリンターのご案内」ではなく「印刷コストを見直したい企業様へ」のように、読み手側のメリットが伝わる言葉に変換するのがポイント。表紙は1冊の顔であり、中身を読んでもらうための入口という位置づけで設計します。

写真・イラストの質にこだわる

紙面の印象を大きく左右するのが、写真の質です。伝えたい内容に合った写真を選ぶことが大切なため、写真を選ぶ際は次の3点にこだわりましょう。

こだわりどころ内容
魅力の伝わる写真を選ぶ商品なら質感や細部が分かるカット、サービスなら利用シーンや利用者の表情が見えるカットを使う
テイスト・トーンを揃える明るさや色味がばらばらだと、紙面に統一感がなく雑多な印象になる
図やアイコンで理解を補う複雑な仕組みや手順は、文章で説明するより図にしたほうが直感的に伝わる

解像度の基準と撮影・準備の進め方は、ステップ6で紹介したとおりです。

配色は3色以内に絞る

パンフレットの配色を面積比で示した図と適用例

使う色は、メインカラー・サブカラー・アクセントカラーの3色以内に絞るのが基本です。色数が増えるほど紙面は散らかり、どこが重要なのかが伝わらなくなってしまいます。

どの色にするかは、業種と「読み手に与えたい印象」から考えると決めやすくなります。業種別の例は以下のとおりです。

業種・種類配色の目安
企業パンフレット全般コーポレートカラーをメインに据えると、名刺やWebサイトと統一感が出る
医療・クリニック清潔感・信頼感のある白や水色
IT・テクノロジー誠実さや先進性を印象づけるネイビー・青系
食品食欲を喚起する赤やオレンジの暖色系
健康・ヘルスケア安心感やナチュラルさを与える緑系

迷ったときは、コーポレートカラーを軸にすると失敗しません。

目安として、メインカラーを全体の約70%、サブカラーを約25%、アクセントカラーを約5%に配分すると、紙面が整理されて見えます。アクセントカラーは、問い合わせ先やキャンペーン告知など、最も伝えたい箇所だけに絞って使うのが効果的です。 

フォントは2〜3種類に統一する

フォントも色と同様、種類を増やしすぎないことが読みやすさに直結します。見出しは太めのゴシック体、本文は可読性の高いゴシック体または明朝体というように、役割ごとに書体を決めて全ページで統一しましょう。

あわせて、文字サイズにも階層を付けます。見出しを本文の1.5〜2倍程度にすると、どこが見出しでどこが本文かがひと目で伝わり、情報の構造が視覚的に整理されます。デザイン性の高い書体は、キャッチコピーなど目立たせたい箇所に絞って使いましょう。

余白と整列で情報を区切る

情報を詰め込んだパンフレット紙面と、余白と整列を意識した紙面のBefore/After比較

余白は「余った空きスペース」ではなく、情報を区切るための要素です。関連する情報は近づけ、違う情報との間には余白を取る。これだけで、線や枠を使わなくても紙面は整理されて見えます。写真や文字の端の位置を揃えると、さらに読みやすくなります。

要素を詰め込むほど紙面は雑然とし、要点を絞って余白を活かすほど読みやすくなります。この関係を意識して、載せる情報量そのものを絞りましょう。

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パンフレット作成でやってはいけない3つのこと

こちらでは、パンフレット作成でとくにやりがちな、以下の3つの失敗を紹介します。

  • 1ページに情報を詰め込みすぎない
  • 権利を確認せずに写真・素材を使わない
  • 校正を1人だけで済ませない

いずれも事前に知っておけば避けられるものばかりです。

1ページに情報を詰め込みすぎない

紙面のスペースには限りがあるため、載せる情報が増えれば増えるほど、ひとつひとつの扱いは小さくなります。そのため、伝えたいことをすべて載せようとすると、結果としてどの情報も印象に残らず、読まれないパンフレットになってしまいます。

原則は1見開き1メッセージ。載せきれない詳細な情報は、WebサイトへのQRコードや問い合わせ先への誘導で受け止める設計にすると、紙面の役割が明確になります。載せる情報を絞り込むことが、結果的に伝わるパンフレットへの近道です。

権利を確認せずに写真・素材を使わない

Web上で見つけた画像の無断使用は、著作権侵害として法的トラブルに直結します。無料のフリー素材にも利用規約があり、商用利用の可否やクレジット表記の要否は素材ごとに異なるため、使用前の確認が必須です。

人物が写った写真にも注意が必要です。社員やお客様を掲載する場合は、必ず本人の許可を取りましょう。また、フォントのなかには商用利用にライセンス契約が必要なものもあります。素材まわりの権利確認は、チェックリスト化しておくと漏れを防げます。

校正を1人だけで済ませない

制作者本人は内容を理解しているぶん、誤りに気づきにくいものです。校正は、制作者以外を含む複数人・複数回の体制で行うことが原則になります。とくに、電話番号・URL・価格・固有名詞の誤りは、発見が遅れると刷り直しにつながる代表的な項目です。

ステップ8で触れた実寸での試し刷りも、画面では見落としがちな文字の小ささや色味の違いに気づくきっかけになるため、最終チェックに組み込みましょう。

内製と外注はどちらを選ぶ?判断の目安

パンフレットは自社でも作成できますが、仕上がりの品質を求めるなら、パンフレット制作会社への外注も選択肢になります。こちらでは、それぞれが向いているケースと、迷ったときの判断基準を紹介します。

内製(自作)が向いているケース

社内配布用の資料や小規模なイベントの案内など、「内容が伝われば十分」という用途であれば自社で対応できるかもしれません。部数が少なく内容の更新頻度が高い資料も、都度外注するより社内で作って差し替えるほうが現実的です。

写真と原稿が揃っていれば、テンプレートやOfficeソフトでも実用レベルのものは作れます。デザインの独自性よりスピードとコストを優先する場合に向いた方法です。

外注が向いているケース

商談・採用・ブランディングなど、会社の顔として社外に出るパンフレットは外注が向いています。競合と比較される場面で使われる冊子では、デザインの品質がそのまま会社や商品の印象を左右するためです。

Officeソフトやデザインツールで誰でも作れる時代になったとはいえ、複数ページの情報設計と印刷品質の管理には相応の経験が求められます。パンフレット制作会社に依頼すれば、こうした工程をまとめて任せられます。

また、企画・コピーライティング・撮影まで対応できる会社であれば、素材が揃っていない段階からの相談も可能になります。

パンフレット制作会社の選び方は、以下の記事で詳しく解説しています。
関連記事:パンフレット制作会社の選び方|依頼先の種類と失敗しない選定ポイントを解説

迷ったときの3つの判断基準

パンフレットを内製するか外注するかを、社内リソース・納期・素材の3つの基準で判断するフローチャート

内製か外注かで迷う場合は、次の3点を確認しましょう。

  1. 社内にデザイン・制作のリソースがあるか
  2. 納期に十分な余裕があるか
  3. 写真・原稿などの素材が揃っているか

1つでも「いいえ」があるなら、外注を検討したほうが安全です。とくに受注や採用に関わる冊子を経験のないメンバーだけで作ると、時間をかけたわりに成果につながらないことが多いためです。 

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パンフレットの作り方に関するよくある質問

最後に、パンフレットの作り方について、よく寄せられる質問をまとめました。発注前や社内検討の際の確認に活用ください。

パンフレットの制作費用を抑えるコツはありますか?

パンフレットの制作費用は、ページ数・部数・紙質・加工の組み合わせで大きく変わるため、仕様の見直しがそのままコストの調整につながります。ページ数を4の倍数の範囲で絞る、特殊な加工を避ける、手持ちの写真素材を活用するといった方法が代表的です。

ただし、費用を下げること自体が目的にならないよう注意が必要です。必要な要素まで削ると成果が出ず、作り直しでかえって高くついてしまう可能性があります。

パンフレットの費用相場の詳細は、以下の記事にまとめています。
関連記事:パンフレット作成費用の相場は?形状・ページ数別の料金と内訳をデザイン会社が解説

パンフレット制作会社には印刷まで任せられますか?

パンフレット制作会社の対応範囲はさまざまで、デザインまでを行う会社もあれば、印刷・納品まで一貫して対応する会社もあります。印刷まで任せられる会社であれば、窓口が一本化されるうえ、デザインデータと印刷条件のずれによる色味や塗り足しの事故が起きにくい点がメリットです。

依頼する前に、見積もりの範囲がどの工程までを含むのかを確認しておきましょう。

デザインの修正は何回まで対応してもらえますか?

修正回数の上限は、パンフレット制作会社や契約プランによって異なります。回数の制限がない会社もあれば、一定回数を超えると追加費用が発生する契約もあるため、見積もりの段階で確認しておきたい項目です。

なお、修正が膨らむ原因の多くは、初期の構成・ラフ案の合意不足にあります。本記事の手順どおり、台割とラフ案の段階で関係者の認識を揃えておくことが、修正回数を減らす近道です。

原稿や写真が揃っていなくても外注できますか?

パンフレット制作会社によっては、企画・コピーライティング・撮影まで含めて対応できるため、「掲載したい商品・情報」と「目的」が決まっていれば依頼できます。

素材が固まり切っていない段階で相談したほうが、構成から柔軟に設計できるケースも。原稿と写真を無理に社内で整えてから依頼する必要はなく、素材の状況も含めて早めに相談するのが得策です。

まとめ

本記事で解説してきたとおり、パンフレットの完成度を左右するのは、手前にある情報設計です。目的とターゲットが明確であれば、掲載内容からサイズ・用紙、デザインの方向性まで、以降のあらゆる判断に一本の軸が通ります

これからパンフレットの制作に着手する場合は、目的・ターゲット・配布方法の3点を固め、台割へ落とし込むところまでを最初の目標にするのが確実です。ここまで固まっていれば、ラフ案からデザイン・印刷までの各工程は迷いなく進められます。

一方、商談や採用など成果に直結する1冊には、情報設計から印刷品質まで一貫した精度が求められます。社内での対応が難しい場合は、パンフレット制作会社への依頼も有力な選択肢です。

パンフレット制作会社のJPCは、企画・コピーライティング・デザイン・撮影から印刷まで、ワンストップで対応しています。原稿や写真が揃っていない段階でも、「掲載したい商品・情報」と「目的」の2点が決まっていればご依頼いただけます。パンフレット制作をご検討の際は、お気軽にご相談ください。

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