2026.03.05
製品パンフレット制作事例 – 社会的な課題を支える製品の「確からしさ(信頼性)」を伝えるデザイン
今回は、大阪市に本社を構える光通信機器・センサメーカー様よりご依頼いただいた、レーザーセンサの製品パンフレットの制作事例をご紹介します。
BtoB製品のパンフレットには、製品の性能や仕様を正確に伝えることはもちろん、「どのような現場で、どう役立つのか」を明確に示すことが欠かせません。しかし、情報を正確に並べるだけでは、製品の本質的な価値まで伝わりきらないことも少なくないでしょう。とくに安全性や信頼性が問われる製品では、デザインそのものから“確かさ”が感じられることも大切なポイントになってきます。
本記事では、自律走行ロボット向けレーザーセンサのパンフレット制作事例をもとに、BtoB製品の信頼感をデザインで伝えるためのポイントをお伝えします。産業機器メーカー様や製造業の販促ご担当者様の参考になれば幸いです。
製品パンフレットデザイン制作の概要
まず、パンフレットデザイン制作の概要についてご紹介いたします。
ご依頼主 -大阪の光通信機器・センサメーカー様-
今回の案件は、大阪市に本社を構える光通信機器・センサ・レーザ機器などの設計・製造を手がけるメーカー様からのご依頼です。主に工場や倉庫、建築現場で使用されるセンサ類を設計・製造されています。JPCではこれまでにも同社のセンサ製品のパンフレットを複数回お任せいただいており、継続的にお付き合いのある企業様です。
ご依頼内容 -自律走行ロボット向けレーザーセンサのパンフレット制作-
今回ご依頼いただいたのは、自律走行ロボットに搭載するレーザーセンサの製品パンフレットの制作です。
この製品は、配送ロボットや建機などに取り付け、センサーによって周囲の危険を検知し、ロボットの動作を自動で停止させるもの。主に倉庫や建築現場での使用を想定して設計・製造されています。
私たちの身の回りでも、ファミリーレストランの配膳ロボットや家電のお掃除ロボットなど、自律的に動くロボットは広く普及しつつあります。労働人口の減少が社会問題となる中、ロボットによる労働代替の流れは今後ますます加速していくでしょう。オートメーションの安全性を支える本製品は、まさに現代の社会課題に直結する存在です。
BtoB製品パンフレットとして、
- 製品の性能評価
- 適用可能な現場
- 導入メリット
を的確に伝えることを目的に制作を進めました。
デザイン制作におけるポイント -製品の「確からしさ」を視覚で伝える-
本製品は、人命や資産の安全を担保するという重要な役割を持っています。過酷な環境下でミスなく稼働し続けることが求められる―その「確からしさ」を視覚的に表現することが、今回のデザインにおける最大のテーマでした。
これまでの制作物にも一貫して採用されているデザインの特徴として、以下の3点が挙げられます。
- クリーンでシンプルなトーン&マナーを基本とし、信頼性を感じさせること
- 文字情報をノイズなく取得できること
- 高品質な製品写真により、スペックや機能の実装を的確に伝えること
製品そのものが持つ「確からしさ」を、ひと目みて瞬時に理解できるよう表現すること――それが、安全を支える製品と社会をつなぐにあたって、私たちデザイナーが果たすべき役割だと考えています。
製品パンフレットのデザイン制作の流れ
美術的な指針の設定 ―「誠実さ」「確からしさ」「壊れにくさ」
過酷な環境下で一度のミスも許されない製品。その「強さ」を紙面でも表現するために、「誠実さ」「確からしさ」「壊れにくさ」という3つのキーワードをデザインの指針として設定しました。
無駄な装飾や流行を追ったあしらいを徹底的に排除。整然とした秩序あるレイアウトを組むことで、デザイン表現そのもので「壊れにくさ」を体現し、読み手に安定感を感じていただけるよう配慮しました。
文字組みにおいても、読みやすいインク量と書体を選定し、スペックや数値の持つ意味―その先にある人命への影響―がタイポグラフィの佇まいからも伝わるよう努めています。
紙面は、いかにも真面目で実直な印象を与えるものとなっており、華やかな“デザイン性”があるとは言えないかもしれません。しかし今回の制作で目指したのは、あえて「目を引く表現を選ばない」、という判断によって、製品の誠実さを証明すること。まさに「引き算のデザイン」です。
製品撮影 ― 実物から得る印象をデザインに反映
今回も写真撮影からお任せいただき、実際に製品を手にする機会をいただきました。
撮影を自社で担当する大きなメリットは、実物を目の前で観察し、手に持てること。画面上のデータだけでは得られない、質感や重量感から受ける印象は、デザインの方向性を決める重要なヒントになります。
実際に製品を手にしたところ、シャシー(筐体)はかなりの厚みのある樹脂製で、機能を実現するための確かな堅牢さが伝わってきました。このとき得た「頑丈で、信頼できる道具」という感覚が、その後のデザインワークに自然と反映されています。

表紙デザイン ― 黒基調とハニカムモチーフで堅牢さを表現
メインビジュアルとなる表紙デザインでは、製品から受けた堅牢な印象をそのままデザインに落とし込み、黒を基調としたタフネスさを前面に打ち出す方向としました。
アクセントとして取り入れた六角形のモチーフは、自然界で最も強度の高い構造のひとつであるハニカム構造からの着想です。物理的な強靭さの象徴を視覚的に取り入れることで、製品の堅牢性をデザインの随所から感じ取っていただけるよう意図しました。

製品パンフレットの完成
こうした制作過程を経て、パンフレットは完成。ますます進展するオートメーション業界において、その安全を支える製品の価値を伝える一助となれたら幸いです。

BtoB製品パンフレットで信頼感を伝える3つのデザインのポイント
本事例をもとに、BtoB製品のパンフレットで信頼感を伝えるためのデザインのポイントを3つご紹介します。
1. 徹底的に整理されたレイアウト
BtoB製品のパンフレットでは、「デザインの引き算」が信頼の表現になる場面があります。流行のあしらいや過度な装飾に頼らず、情報の優先順位に基づいた整然としたレイアウトで紙面を構成する。それだけで、「この企業は情報の正確さにも真摯に向き合っている」という印象を与えることができるでしょう。
とりわけ安全性や精度が問われる製品を扱う企業であれば、紙面の秩序そのものが品質管理の姿勢の表れとなります。余白の取り方、要素の揃え方、情報のグルーピング――こうした細部の積み重ねが、読み手の無意識に「きちんとしている会社だ」という信頼を刻んでいくからです。
2. 製品写真のクオリティにこだわる
BtoB製品パンフレットにおいて、製品写真は以外にも情報量の多いコンテンツです。素材の質感、加工の精度、筐体の堅牢さ――高品質なビジュアルは、これらをユーザーに直感的に伝えることができます。
そのため、撮影工程からデザイン制作会社に依頼することをおすすめします。写真とデザインの間に一貫した空気が生まれること――これが、カタログスペック以上の説得力をパンフレットにもたらします。
3. トーン&マナーの一貫性を保つ
製品ラインナップが複数ある企業が特に意識したいのが、パンフレット間でのトーン&マナーの一貫性です。色使い、書体、写真のトーン、余白の設計――これらが製品ごとにばらつくと、個々のパンフレットのクオリティが高くても、企業としてのブランドイメージは分散してしまいます。
理想は、シリーズ全体を貫くトーンの中に、製品ごとの個性を宿すこと。共通のデザインルールを土台としつつ、表紙のビジュアルやアクセントカラーで差別化を図る。そうすることで、「この会社の製品はどれも信頼できる」という認知が、パンフレットを手に取るたびに強化されていきます。同じ制作会社に継続して依頼することも、一貫性を担保する有効な手段のひとつです。
製品パンフレットデザイン制作まとめ
今回は、大阪の光通信機器・センサメーカー様よりご依頼いただいた、自律走行ロボット向けレーザーセンサの製品パンフレット制作事例をご紹介しました。
安全を支える製品だからこそ、デザインにも「信頼性」が求められます。装飾を削ぎ落としたクリーンなレイアウト、実物から得た印象を反映した表紙デザイン、シリーズを通じた一貫したトーン&マナー――それらが組み合わさることで、製品の信頼性を視覚的に伝えるパンフレットに仕上がりました。
JPCでは、撮影からデザイン・印刷まで一貫した制作体制で、BtoB製品パンフレットの制作を承っております。「製品の価値をもっと的確に伝えたい」「パンフレットのデザインを見直したい」とお考えの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
