2026.05.28
チラシ・リーフレット制作事例 – シンプルな要素で組み立てる業務用機器の営業チラシ
今回は、大阪府の業務用ランドリー設備の専門商社様よりご依頼いただいた、A4両面の営業用チラシの制作事例をご紹介します。
業務用機の販促物では、製品の機能や仕様を正確に伝えることが何より大切です。とくに業務用ランドリー設備のように、毎日の現場で長く使われ続ける機器は、慎重な比較検討を経て導入が決まるもの。だからこそ、限られた紙面のなかで導入メリットを整理し、検討に必要な情報をスムーズに届けられるかどうかが、営業ツールとしての価値を大きく左右します。
本記事では、シンプルな要素の組み合わせで「わかりやすさ」と「信頼感」を両立させた制作プロセスを、デザイナー視点でお伝えします。BtoB製品の営業用チラシ・リーフレットの制作やリニューアルを検討されている方の参考になれば幸いです。
業務用機の営業用チラシ デザイン制作の概要
ご依頼主 -業務用ランドリー設備の専門商社様-
今回のご依頼主は、大阪府に本社を構える業務用ランドリー設備の専門商社様です。業務用洗濯機・乾燥機・汚物除去機をはじめとするランドリー設備の販売から、設置現場の設計・施工、導入後の保守メンテナンスまでを一貫して手がけ、きめ細やかな対応でお客様から信頼の厚い会社様です。今回の案件は、JPCがすでにお取引のある別のクライアント様からのご紹介でご依頼いただきました。
ご依頼内容 -A4両面の営業用チラシ制作-
ご依頼いただいたのは、業務用全自動汚物除去機を紹介するA4両面のチラシです。営業担当者が商談時に活用したり、リード顧客に配布したりすることを想定したツールとなります。
業務用機の販促物は、製品の機能・仕様を正確に伝える「カタログ的な役割」と、導入を後押しする「営業ツールとしての役割」の両面が求められます。とくにA4一枚という限られた紙面の中では、何を見せて、何を削るかの取捨選択が、そのまま情報の伝わりやすさを決めるといえるでしょう。
デザイン制作におけるポイント -業界に通じる目線でつくる営業ツール-
今回のご相談をいただいたきっかけは、JPCの同業界での販促物や3DCGの制作実績をご覧いただき、そのデザインの方向性を気に入ってくださったことでした。そこで制作にあたっては、フォントやタイポグラフィなど、ご評価いただいたポイントを押さえながら、ご依頼主様の業態や営業ツールとしての目的に合わせて再構成することを意識しています。
業務用機の営業用チラシ デザイン制作の流れ
デザイン提案 -全体のトーンとビジュアル設計-
こちらが初稿で提出したデザインです。

カラーは青系を基調に採用し、清潔感・信頼感・爽やかさを視覚的に表現しています。これはランドリー設備に求められる「安心して使える」という心理的価値を補強する役割も担っています。
製品画像の下には水のビジュアルを加え、清潔感や洗浄力といった製品の本質的な価値を直感的に伝えました。視覚的な印象として強く残るよう工夫しています。
フォントやタイポグラフィについても、業界の感覚に沿ったトーンを意識して選定。閲覧者にとって馴染みやすく、安心感と信頼性のあるビジュアルに仕上げました。
構成提案 -表面と裏面に役割を持たせる-
今回のチラシでは、表面と裏面で明確に違う役割を持たせています。
表面のレイアウトは、左側に製品の特徴や導入メリットを整理し、右側に製品画像を配置する構成でご提案。まず文字情報によって内容を理解し、その後に画像で具体的なイメージを補完することで、「理解から納得へ」と自然に導く流れを生み出しています。
裏面は製品情報を直感的に理解できることを重視し、全体をシンプルに整理した構成としています。不要な装飾を省き、情報の優先度を明確にすることで、ユーザーが必要な内容へスムーズにたどり着けるよう配慮しました。
また、基本機能にはアイコンを効果的に配置し、視線のきっかけを生み出す設計としています。視覚的なガイドとして機能させることで、閲覧者が迷うことなく情報を追えるようにし、全体の流れをより自然でわかりやすいものにしました。
修正 -フィードバックを反映した細部調整-

ご提案後にいただいたフィードバックをもとに、背景の処理やテキストの扱いを調整し、文字サイズやカラーのバランスを再設計しました。情報の見え方を一段階引き上げる、微調整のフェーズです。
業務用機のチラシは、現場の照明環境や手に取る距離感もさまざま。机上で美しく見えるだけでなく、実際の使用シーンで読みやすいかどうかも合わせて検証する必要があります。

また工程の途中では、表面のデザインを2パターン制作し、方向性そのものを比較検討いただきました。ロゴを目立たせて上部を区切るパターンと、上部全面に背景を引くパターン。実用性の観点も含めて、ご検討いただきました。
完成 -ディテールを整え、一枚の販促物へ-
ご検討の結果、上部全面に背景を引くパターンで方向性が確定。最終調整として、フォントの級数、要素間の余白、アイコンの位置関係といったディテールを整え、完成に至りました。

本デザインは、「わかりやすさ」と「信頼感の伝達」を軸に構築しています。業務用ランドリー設備という専門性の高い分野において、ユーザーが直感的に製品の価値を理解できるよう、情報整理と視覚表現のバランスを重視。ユーザーにとってわかりやすいだけでなく、「安心して使える製品」という信頼感までしっかりと届ける一枚となりました。
チラシ・リーフレットのデザインと効果を左右する3つの確認事項
ここまでご依頼主様の事例をご紹介してきましたが、最後に、チラシ・リーフレットを制作する上で、私たちデザイナーが必ず確認している3つの事項をご紹介します。同じ「チラシ」と一口にいっても、これらの条件が違えば、ご提案する方向性はガラリと変わるからです。
- 1. BtoBか、BtoCか
- 2. 商談用か、配布用か
- 3. 目的は認知拡大か、購入の後押しか
1. BtoBか、BtoCか
まず最初に確認すべきは、その販促物が誰に向けて作られるものかということです。
BtoB向けであれば、読み手は企業の購買担当者や現場責任者。複数の関係者で検討され、上申のための資料として持ち回られることもあります。そのため、感覚的な訴求よりも、製品スペックや導入メリットを論理的に整理し、誰が読んでも同じように理解できる構成が求められます。色味や装飾も、過度に派手なものは避け、信頼感や落ち着きを優先する判断が増えるでしょう。
一方でBtoC向けであれば、読み手は生活者ご自身。手に取った瞬間の印象が判断に直結するため、感覚に訴える写真やコピー、目を引くカラーリングなど、第一印象の強さが重視されます。
同じ業種・同じ製品カテゴリの販促物であっても、ターゲットがBtoBかBtoCかで、紙面に求められる空気感はまったく別のものになります。
2. 商談用か、配布用か
次に確認したいのが、その販促物が現場でどう使われるかです。
営業担当者が同席して説明しながら見せるツールであれば、紙面はすべての情報を網羅する必要はありません。会話の補助として要点だけが整理されていれば十分で、むしろ情報量を絞ってビジュアルで印象を残す設計が効果的です。
一方、展示会で配るだけ、店頭に置いて持ち帰ってもらうだけ、といった「単独で完結する」使い方であれば、紙面そのものが営業マン代わり。製品の魅力から導入メリット、問い合わせ先まで、読み手が一人で理解しきれる情報量と導線設計が必要となります。
同じチラシでも、「会話を補助する一枚」と「単独で語りきる一枚」では、情報の密度も構成も大きく異なるのです。
3. 目的は認知拡大か、購入の後押しか
最後に確認すべきは、販促物のゴールです。
「まずは知ってもらう」ことを目的とした認知拡大型のツールであれば、ブランドの印象や製品の世界観を強く残すことが優先されます。スペックや細かい情報はあえて削り、ビジュアルや短いコピーで記憶に刻む設計です。
一方、「購入を検討してもらう」ことが目的であれば、読み手の検討材料となる情報をしっかり載せる必要があります。スペック、導入事例、コスト感、サポート体制——比較検討に必要な要素を、優先度を整理しながら紙面に乗せていく作業となります。
ゴールが「興味を引く」のか「判断材料を渡す」のかで、紙面に乗せるべき情報の種類と量は根本から変わってくるのです。
これら3つの確認事項は、私たちデザイナーが具体的なレイアウトや色を考え始める前に、必ず立ち止まって整理する視点です。
デザイナーの仕事というと「美しい紙面をつくる」というイメージが先に立つかもしれません。けれど実は、「誰に向けて、どう使われ、何を目指すのか」を整理して、紙面に翻訳していくこと——そこがデザインの本当の入り口だと私たちは考えています。ナンバリングやアイコン、表組みといったテクニックは、その整理を経たうえで初めて、効果を発揮するものです。
チラシ・リーフレットのデザイン制作まとめ
今回は、業務用ランドリー設備の専門商社様の営業用チラシの制作事例を通じて、業界の文脈を踏まえたビジュアル設計と、目的・使い方から逆算する構成設計についてご紹介しました。
ご依頼主様の業態や営業ツールとしての目的を整理し、業界の感覚に沿ったトーンを意識しながら、限られた紙面のなかで情報の優先度を組み立てていく——「誰に向けて、どう使われ、何を目指すのか」という視点をひとつひとつ丁寧に重ねることで、見やすく、かつ業界の信頼感を伴った販促物は十分に成立します。
JPCでは、さまざまな業種・業態のクライアント様のカタログ・パンフレット・チラシ制作を承っております。現場で機能する販促ツールを作りたい、自社の業界に知見のある制作会社を探している——そんなご要望がございましたら、ぜひお気軽にご相談ください。