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製品カタログのデザイン制作事例 – 生成AI、3DCG、イラストの活用

今回は、滋賀に本社を構えるガラスメーカー様よりご依頼いただきました、製品カタログのデザイン制作についてご紹介します。

製品カタログは、製品の魅力を総合的に伝えることに特化した販促ツールです。営業活動展示会店舗での案内など、さまざまな場面で活用され、企業の製品PRツールとして重要な役割を担っています。
しかし、「テキスト情報が多すぎて魅力が上手く伝えられない」「製品の仕様やスペックばかりで印象に残らない」といったお悩みをお持ちの企業様もいらっしゃるのではないでしょうか。

本記事では、多様なビジュアル表現を駆使して、分かりやすく印象に残る製品カタログのデザイン事例をご紹介します。新たに製品カタログの制作をご検討中の企業様や、既存のカタログの見直しをお考えのご担当者様は、ぜひ最後までご覧ください。

製品カタログのデザイン制作の概要

まず、製品カタログのデザイン制作の概要について、ご紹介いたします。

ご依頼主-滋賀のガラスメーカー様-

今回の案件は、滋賀県に本社を構えるガラス建材メーカー様からご依頼いただきました。この企業様は、主に建築用のガラス製品や関連材料の製造、販売をされています。JPCでは展示会用のブースやカタログ等のデザインのほか、Webサイト制作や映像制作など、多岐にわたる制作物をご依頼いただいております。

ご依頼内容-製品カタログの制作-

今回は、特定の製品ブランドを紹介する製品カタログの制作をご依頼いただきました。
掲載するメイン製品は、クライアント様が取り扱うガラス建材の中でもとりわけ注目度の高い、防火設備用ガラスです。この防火設備用ガラスには複数のバリエーションがあるため、各製品の特性(対衝撃性など)を分かりやすく紹介しながら、施工事例を通じて実際の使用シーンをビジュアルで訴求することが求められました。
単独ブランドの製品カタログを制作することで、ターゲットである業界内外の潜在顧客や建築家、設計者へのブランド認知を高めることを目指します。

デザイン制作時のポイント-多様な表現で伝わるカタログへ-

今回の製品カタログのデザインでは、製品の特性・用途・施工事例をわかりやすく伝え、顧客に対して製品の魅力とメリットをスマートにアピールすることを意識しています。
そのため、表紙には施工例写真をあしらい、カタログ中面はクリーンなテイストでシンプルにまとめました。
また、施工写真や製品写真だけでなく、生成AI3DCGイラストなどを活用して、ターゲットが情報を一目で理解しやすいカタログに仕上げました。

製品カタログのデザイン解説

この章では、制作した製品カタログの詳細についてページ別に解説いたします。特徴的なページごとに、デザインで工夫したポイントをデザイナー目線でご紹介します。

表紙デザイン

初めに表紙デザインの作業から着手しました。

当初は1枚の施工例写真を全面に使用する方針でしたが、クライアント様より2枚の施工例写真を組み合わせてほしいというご要望をいただき、デザインを再検討いたしました。

最終的に横2分割案と縦2分割案をそれぞれ提案し、縦2分割のデザインに決定しました。

施工例写真は横長でしたがガラス製品は縦長であったため、縦2分割の方が主役であるガラスの魅力をより引き立てるデザインとなっています。写真のトリミングを工夫することで、2枚の施工例写真をバランスよく組み合わせた表紙デザインが完成しました。

製品カタログの中面ページデザイン

●1~2ページ -インパクトのあるデザイン
冒頭の見開きページは読者の関心を引く「つかみ」のページとなるようインパクト性を意識しました。製品の最大の特長である“高温で熱して水をかけても割れないこと”をビジュアル的に強調するため、実験の様子を撮影した写真を見開きで大きく配置し、強いインパクトを与えるデザインに仕上げました。

●3~4ページ -基本フォーマット
3~4ページは、このページ以降の基本フォーマットとなるようにデザインしました。

情報が多い傾向にある製品カタログの場合、読者が欲しい情報をすぐ探せるようなデザインを意識することが大切です。製品のスペックページなど同じ内容が続く章は「基本フォーマット」を設計することで、ページをめくっていく際に感覚的に章変わりが分かりやすくなり、読者にとって使い勝手のよいカタログとなります。

今回カタログのキーカラーは、火災時に役立つガラスとして、イメージしやすい赤を設定。ページの見開き上部に赤い一本のラインを入れ、その左部分に製品名を入れたヘッダー(各ページの見出し部分)を設けました。

このラインには、炎の揺らぎをイメージさせる赤のグラデーションをニュアンス程度に施しています。紙面全体はグレートーンで統一し、ポイントとして赤を配することで、スマートかつメリハリのあるデザインに仕上げました。

●9ページ -AIの活用
9ページは、フィルム貼りの特殊ガラスの紹介ページです。この製品の最大の特長は、万が一ガラスが破損しても破片が飛び散らず、二次災害のリスクを大幅に軽減できる点です。その安全性を直感的に理解していただくため、通常のガラスと本製品の破損時の違いを示す比較画像が求められました。

そこで、画像生成AIを活用し、フィルム貼りガラスが割れた状態の画像と、一般的なガラスが割れた状態の画像を作成しました。従来であれば、ガラスを破損させる実験の様子を撮影する必要があり、多くの時間やコストがかかっていました。今回画像生成AIを用いたことで、リアルな比較画像をコストを抑えてスピーディに制作することができました。

比較画像により安全性能が可視化でき、より多くの方に本製品の優れた特性が伝わりやすくなったかと思います。

●12ページ -3DCGの活用
12ページでは、複層ガラスに使用されている製品について詳しく紹介しています。
この製品の構造や特性を分かりやすく伝えるために、複層ガラスの断面を3DCGで作成しました。従来の平面図や写真では表現しきれない内部構造を立体的に可視化でき、本製品が複層ガラス内で使用されている箇所がより理解しやすくなります。

●13ページ -イラストで表現
13ページは、シースルーエレベーターに本製品が使用できることをPRするためのページです。
ここでは、施工例の写真の代わりにビジュアル的に伝える手段としてイラストを使用しました。

空間全体をシンプルなグレートーンで統一し、イラスト内のガラスに異なる色を用いることで違いが一目で分かるようにデザインしています。通常のガラス部分はライトブルー、本製品が使用されている部分はライトイエローで区別し、配置や役割が一目で分かるよう工夫しました。

このようにイラストを活用することで、撮影写真がない場合でも製品の使用位置や効果をビジュアル的に伝えることが可能となります。

完成した製品カタログ

今回の製品カタログ制作は、画像生成AIや3DCG、イラストなど、多様な表現手法を積極的に活用することで、視覚的に分かりやすくより洗練されたカタログが実現しました。

完成した製品カタログがこちらです。

写真や文章だけでは伝えきれない製品の特長をデザインで補い、読者にとって分かりやすく魅力的なカタログとなるよう心がけました。
AIやCG技術を組み合わせることで、実際の施工写真が手元にない場合や、実験が困難な状況においても、リアルで説得力のあるビジュアル制作が可能となります。
クライアント様の伝えたい情報量を削ること無く、より多くの方に製品の魅力や優れた性能を伝えられるカタログが完成いたしました。

製品カタログのデザイン表現 – 写真・イラスト・CG・AIの使い分け

製品カタログを制作する際、「製品写真が手元にない」「写真から特長が伝わりづらい」といった課題に直面することがあります。中でもBtoB系の製品では「実際の設置イメージを入れたい」「製品の内部構造を可視化したい」といったニーズも多く、近年は写真だけに頼らないビジュアル設計が重要となってきています。
この章では、写真、イラスト、CG、AI、それぞれの得意分野を理解し、適材適所で使い分ける視点をご紹介します。

写真 – 実績やリアルさを伝える王道ツール

製品の実際の使用シーンや施工例、質感をリアルに伝えるには、写真が最も効果的です。写真はリアルな情報を届けられるため、読者にとって企業に対する安心感や信頼性につながります。
ただし、写真は「撮れるタイミング」や「撮れる場所」に制限があり、画質が悪い場合は逆にイメージダウンにつながることもあるため、事前にプロに撮影を依頼するか、制作会社へ使用可能な写真の選定を依頼することがおすすめです。

イラスト – デフォルメ化や使用位置の説明に

イラストは、製品の使用場所や役割を視覚的に整理して伝えたいときに効果的です。説明力が高く、必要な情報だけ残してデフォルメ化するなど、写真よりも柔軟な表現が可能です。
例えば今回のカタログでは、ガラスの配置を説明する際、施工写真の代わりにイラストを採用し、比較資料としての役割を持たせました。写真では周囲の情報も一緒に入ってきてしまいますが、主役の製品だけにフォーカスして説明したい場合にもイラストが活躍します。

3DCG – 構造や断面の理解を深める

製品の断面構造や内部構成など、撮影が難しい部分の表現には3DCGが最適です。平面図や写真では伝わりにくい「層の重なり」や「素材の違い」などを、立体的かつリアルに再現できます。
イラストよりもコストが高くなる傾向にありますが、1度CG素材を制作すれば複数のアングルで書き出すことができるため、使い方によってはコスパのよい表現といえます。質感や照明設定によって洗練されたイメージを表現しやすく、デザインの印象を高める効果も期待できます。
JPCのCG制作についてはこちら

画像生成AI – 理想イメージをスピーディに具現化

近年、注目を集めている表現手法の一つが「画像生成AI」です。実際に撮影を行うには時間もコストもかかりますが、急ぎでイメージ素材が必要な場合、生成AIは非常に有効な補完手段となります。今回の制作でも、フィルム貼りガラスと通常のガラスの違いを比較する画像をAIで生成することで、限られたスケジュールの中でも、訴求力のあるビジュアルを実現することができました。
これまでの広告制作現場では、「ストック素材」や「有料素材」といった既存の写真を活用することが一般的でしたが、画像生成AIの導入により、たとえばモデル写真Aに衣服Bを着せるといった加工も、従来の合成手法より高品質かつスピーディに実現できるようになっています。
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製品カタログのデザイン制作まとめ

今回は製品カタログのデザイン制作についてご紹介いたしました。

施工写真や3DCG、イラスト、画像生成AIなど多様なビジュアル表現を取り入れながら、製品の強みが直感的に伝わるデザインを意識しました。テキスト情報が多くなりがちなカタログでも、レイアウトやフォーマットを工夫することで、読みやすく整理されたカタログを実現しています。

JPCでは今回のような製品カタログの制作をはじめ、展示会ブース、Webサイト、プロモーション映像など、幅広い広告制作をワンストップでご提供しています。販促ツールの情報設計からデザイン、撮影、3DCG制作、生成AIの活用まで、一貫した体制でご対応可能です。京都と東京に営業所と撮影スタジオがあり、お見積もりは無料で承っておりますので、カタログ制作に関することは何でもお気軽にご相談ください。

製品カタログのデザイン制作ついて詳しくは、こちらのページもご覧ください。

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