2025.06.12
ポスターのデザイン制作事例 – AIモデルを活用した炭酸ドリンク広告デザイン

今回は、東京に本社を構える飲料メーカー様よりご依頼いただきました、新商品ドリンクのポスターのデザイン制作についてご紹介します。
BtoCの商品やサービスの価値を消費者に伝えるうえで効果的な手法のひとつが、「人物を活用する」ことです。美味しそうに味わう表情や、リラックスした様子、楽しげな雰囲気などを通じて、商品の魅力を実際に体験しているかのようなビジュアルを作ることで、消費者の「自分も体験してみたい」という共感を引き出すことができます。
この記事では、飲料メーカー様よりご依頼いただいた、店舗用「新商品ポスター」の制作事例をご紹介します。今回はモデル撮影を行わず、AI生成ツールを活用して、新商品の特徴である「香りを楽しむ」体験を表現するポスターを制作しました。モデル撮影のコストを抑えたい企業様や、オリジナルモデルを用いた広告制作にご関心のある企業様は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
ポスターデザイン制作の概要
まず、新商品ポスターのデザイン制作の概要について、ご紹介いたします。
ご依頼主-東京の飲料メーカー様-
今回の案件は、東京都渋谷区に本社を構える飲料メーカー様からご依頼いただきました。この企業様は、日本全国で愛されているお茶を主力商品として、さまざまな清涼飲料水を製造・販売されています。これまでも、お茶製品やコーヒーブランドなどあらゆる販促物をご依頼いただき、店頭販促からWebサイト制作まで、多くのプロジェクトでお付き合いさせていただいております。
ご依頼内容-店頭販促のための新商品ポスターデザイン-
今回は、新商品の店頭販促に使用するポスターのデザイン制作をご依頼いただきました。
コロナ禍を経て、大人女性の間で、自宅で香りを楽しむ習慣が広がり「アロマ」の使用頻度が増加している傾向にあります。アロマオイルに次ぐおうちでの香りの楽しみとして「アロマ炭酸」を定着させるため、クライアント様はゆずフレーバーの炭酸飲料を発売されました。新商品は、飲んだ時に広がる「ゆず」の味わいや香りが特徴で、特に口腔香気(口の中から鼻に抜けて感じる香り)が持続的に楽しめるよう開発されているとのことでした。
アロマ気分を楽しむ新商品ドリンクを店頭で手に取っていただくために、店頭での販売促進を目的としたポスター制作をご依頼いただきました。
デザイン制作時のポイント-商品イメージに添える女性モデルの表現
ターゲット層は30代から50代以上の「アロマで癒されたい」と感じている大人女性です。クライアント様からは、ポスターのキービジュアルへのイメージとして『20代~30代のレトロオリエンタル風な印象を与える日本人女性』を主役に置きたいとのリクエストをいただきました。今回はモデル撮影を行わずデザインのみでの制作となっておりましたので、どのように先方のご要望をデザインへ落とし込むかがポイントとなりました。
新商品ポスターのデザイン制作の流れ
この章では、ポスターデザイン制作の流れをご紹介いたします。デザインは、広告の要となる女性モデルの御提案から行いました。次節より詳細をご説明します。
ストックフォト(有料素材)を使用したデザイン提案
今回はクライアント様の中でメイン女性のイメージが明確にありましたが、モデル撮影は無しでデザインを進めることになりました。
従来であれば撮影無しで広告に人物写真を使用する場合、一般的にはストックフォト(有料素材)を使用します。
ストックフォトとはあらかじめ用意された写真や動画などの素材を、目的やイメージに合わせて使用できるサービスで、広告や出版物、Webサイト、パッケージデザイン、映画、映像制作などに利用されています。
ストックフォトのメリットは撮影時間や撮影コストが抑えられ、数多くの画像から選べる自由があることです。
クライアント様にはポスターデザインの全体を制作する前に、ストックフォト案として、今回の新商品イメージに合う女性の画像を選び提案させていただきました。
オリエンタルな雰囲気で、“香りに癒されている”ことが伝わるような表情を選定しています。

AIを使用したデザイン提案
ストックフォトの画像提案と並行して、クライアント様とのお仕事では初となるAIソフトを使ったオリジナルA Iモデル画像もご提案させていただきました。
A I生成のメリットはオリジナルの画像を無限に生成できるところです。さらに『レトロオリエンタル風な日本人』や、商品のイメージに合わせた『黄色い衣装』、20代〜30代の『香りを嗅ぐ女性』など、キーワードに沿った細かい設定ができるため、商品世界観に合うモデル素材へと調整を重ねられます。
ストックフォトと比較すると、よりオリエンタルな髪型や表情が表現できており、洋服のカラーまでイメージ通りのものが生成できました。

ポスターデザインの完成
上記の2案をご検討いただいた結果、クライアント様の商品イメージにより近いAI生成モデル画像が採用されました。
採用となった画像をキービジュアルとして、ポスターデザインを仕上げていきます。
完成したポスターデザインがこちらです。

『香る』というコピーとともに“アロマのいい香りがしそう”なポスターをイメージしてあしらいを追加し制作しました。
あえて背景シーンなどは作りこまずに、モデルと商品パッケージが引き立つレイアウトとしています。相性の良いグレーとイエローのカラーリングで、大人女性に刺さりそうなシンプルでお洒落感のあるポスターが完成いたしました。
AI生成ならではの完成された人物表現は、店頭のポスターとして映える華やかな仕上がりとなっています。商品イメージにより近いオリジナルのキービジュアルを用いて、商品の魅力を伝えられるのが、AIを活用した広告の強みではないかと思います。
JPCではこれまでもクライアント様の広告デザインに幅広く携わらせていただきましたが、AIという選択肢が新たに加わったことで、さらなるデザインの可能性の広がりを感じました。
広告デザインにAIを活用するメリット
広告や販促物に求められるビジュアル表現は年々多様化し、スピードや柔軟性がさらに求められるようになっています。そんな中、近年注目を集めているのがAIを活用した広告デザインです。今回はAIを広告デザインに活用することのメリットをご紹介します。
イメージにハマるビジュアルを0から生み出せる
従来の広告制作では、実写人物を用いる場合、モデル撮影かストックフォト素材のどちらかを使うことが一般的でした。モデル撮影の場合、シーンを作りこむほど費用や準備の負担が大きくなり、スケジュール調整のため制作期間にも影響します。また、ストックフォトの場合はイメージにぴったり合う画像を探すことに時間がかかり、最終的に妥協して選ぶことになるケースもありました。しかしAI画像生成技術の登場により、広告の世界に新たな自由がもたらされています。
AIを使えば、「こんなイメージの女性が欲しい」「この商品に似合う雰囲気を持たせたい」「こんな空間や季節感を演出したい」といった、抽象的かつ複雑な要望もビジュアルに落とし込むことができます。色味・衣装・年代・表情・ライティングといった要素を細かく指定できるため、世界観にぴたりとハマる“オーダーメイドビジュアル”が手に入ります。
デザインの試作スピードを大幅に向上させる
AIによるビジュアル生成は、制作の初期段階における試作のスピードを大幅に向上させます。撮影の手配や日程調整が不要で、短時間のうちに複数案を生成できるため、お客様と制作会社間でトンマナをすり合わせるプロセスがスピーディになり、より多様なビジュアルの可能性を検討することができます。ラフよりも実際のイメージに近いデザインまで落とし込めるため、試作段階から大きな相違なく完成デザインまで進められます。
もし「この切り口は違うかも」となった場合でも、すぐに別案をAIで生成できる柔軟性があるため、少しずつイメージに近いビジュアルを固めていくことができます。撮影を行うスケジュール的な余裕が無く、けれども人物モデルを広告に使用したいといったケースにおいては強力な武器となるでしょう。
コスト効率化とオリジナル性による競合差別化の実現
モデルの手配やスタジオ撮影、レタッチなどにかかるコストは、トータルで算出すると決して小さくはありません。AI生成によるビジュアルは、そういった工数を大幅に削減し、制作コストカットにつながります。
さらに、ストックフォトでよくある「見たことがある気がする素材」を避けられることも大きなポイントです。ブランドの世界観を深く・長く伝えるには、“使いまわされていない”視覚体験が必要不可欠です。その点でAIモデルは他社と素材被りの心配が無く、バナーやポスターなど幅広い広告にオリジナル性を持たせることができます。
JPCでは、クライアント様オリジナルのAIモデル作成も承っております。例えば、AIモデルにマネキンで撮影した洋服を合成させることで、モデルを雇うことなく着用イメージ写真が完成します。モデルのキャスティングや撮影にかかるコストを削減するだけでなく、継続的に使用できる貴社専任のオリジナルモデルを制作することも可能です。詳しくはサービスサイトもご覧ください。

新商品ドリンクのポスターデザイン制作まとめ
今回は新商品ドリンクのポスターデザインについてご紹介いたしました。
お客様のイメージに最適なモデル画像を、撮影することなくAIで生成し、「香りで楽しむ」という商品特徴をビジュアルで伝えるポスターが完成いたしました。AIならではの強みを活かし、イメージしている性別や雰囲気だけではなく、洋服のカラーや表情までイメージに近い女性モデルをデザインへ落とし込むことができました。爽やかで上品さのある、クライアント様の商品イメージを高める広告に仕上がったと感じています。
これまではキービジュアル制作のコストを削減するためにモデル撮影を制限したケースもございましたが、AIを活用することで、販促ツールの表現の幅はさらに広がります。BtoC向けの広告は特に“人物”の有無が広告への印象を左右しますので、今回の事例で興味を持たれた企業様はぜひお気軽にお問い合わせください。
ポスターのデザイン制作ついて詳しくは、こちらのページもご覧ください。
