2026.03.26
DMデザイン制作事例 – 製造業の信頼感を1枚で届けるダイレクトメール
今回は、広島県の業務用機器メーカー様よりご依頼いただいた、A4ダイレクトメールのデザイン制作事例をご紹介します。
DMは、ターゲットの手元に直接届くからこそ強力な販促ツール。しかしその一方で、興味を持たれなければ読まれることさえ難しいというシビアな媒体でもあります。特にBtoBの製造業では、製品スペックや導入実績といった情報量の多さと、限られた紙面のバランスをどう取るかが悩みどころでしょう。
本記事では、新規顧客開拓を目的としたDMの制作プロセスを、2案提案からA案採用・ブラッシュアップまでの流れに沿ってお伝えします。DMの制作やリニューアルを検討されている方の参考になれば幸いです。
目次
DMデザイン制作の概要
ご依頼主 -広島県の業務用機器メーカー様-
今回のご依頼主は、広島県に本社を構える業務用クリーニング機器の専門メーカー様です。業務用洗濯機を中心に、高い内製率を強みとした製品を全国に展開されています。JPCとはこれまでにもさまざまな販促物の制作でお取引をいただいてきました。
ご依頼内容 -新規顧客開拓のためのA4 DM制作-
ご依頼いただいたのは、全国の酒造会社に向けて配布するA4サイズのDM(表裏)の制作です。
酒造業界では人手不足を背景に業務用洗濯機の導入が進んでおり、大手酒造ではすでに一般的。一方で中規模以下の酒造会社にはまだ開拓の余地がある――そうした市場環境の中で、新規顧客層に向けて「業務用洗濯機なら、このメーカー」というファーストコールの認知を獲得したいというのが今回の目的でした。
加えて、裏面にはアクセス元を特定できるQRコードを設置。DMを受け取った企業がWebサイトにアクセスしたかどうかを把握し、その後のフォロー営業につなげるという導線設計も、この案件の重要な要件です。
デザイン制作におけるポイント -信頼感の訴求とQRコードによる営業導線の設計-
本案件のデザインで意識した点は、大きく2つ。一つは製造業としての信頼感をA4の表裏で伝えきること。高い内製率やライフタイムコストのメリットといった強みを、限られた紙面で過不足なく届ける情報設計が求められました。
もう一つは、DMで完結させず、次のアクションにつなげる導線です。裏面のQRコードは単なるURLの掲載ではなく、読み取った企業を特定してフォロー営業をかけるための仕掛け。「読んで終わり」にさせない設計が、この案件の核となるポイントでした。
DMデザイン制作の流れ
社内ミーティングと2案の方向性決定
制作はまず、JPCの社内ミーティングで方向性を整理するところから始まります。クライアント様からは以下の大まかなテイストの希望をいただいています。
- A案:キレイめでシンプルに情報を整理するデザイン
- B案:イメージ優先でビジュアルで訴求するデザイン
先方のご要望をもとに、異なるアプローチの2案の制作方針を決めました。それぞれ表裏面のデザインを設計していきます。
初校 ― A案・B案の提案
クライアント様にご提案した初稿は、以下の2案です。
A案 情報整理型

表面は、左側に製品の特徴や導入メリットをテキストで整理し、右側に洗濯機の写真を配置するレイアウト。一番最初に目に入る位置にインパクトのあるキャッチコピーやアイコンを配置して視線のきっかけをつくり、情報の流れをスムーズにしています。背景には水のモチーフを加え、清潔感や洗浄力を直感的に伝えるデザインにまとめました。
裏面は導入事例をメインに掲載し、実際の課題と導入後の効果をわかりやすく紹介。下部にはサイズ別の製品ラインナップをまとめ、事例で価値を理解してから製品を比較・検討できる流れを設計しています。
B案 ビジュアル訴求型

B案は、表面上部にメインコピーを大きく配置して視線を誘導。背景には酒造りの現場を思わせるイメージを採用し、ターゲットの共感を誘いました。テキスト量を抑え、ビジュアルのインパクトで引き込むアプローチです。
裏面はA案と同じ構成ではありますが、鮮やかなブルーとイエローをポイントカラーとして使用。メリハリのある紙面デザインを目指しました。
A案・B案に使用している製品のメインビジュアルも、実はJPCのCGセクションで制作したもの。実写のようなリアリティと、性能の高さを感じさせる工業製品としての美しさを実現するため、質感設定とライティングにこだわって制作しています。
A案の採用とブラッシュアップ
クライアント様からのフィードバックを経て、A案で進める方向に決定。情報が整理されたシンプルなレイアウトが、製造業の信頼感を伝えるという目的に合致したことが採用の決め手でした。

2校ではテキストコピーと画像の差し替えを反映し、文字サイズやカラーバランスを調整。3校で最終的なテキスト・画像の微調整を行い、完成に至っています。
DMの完成
完成したDMがこちらです。

表面は、左にテキスト・右に写真という明快なレイアウトで、製品の特徴と導入メリットを整理して伝える構成。水をモチーフにした背景が清潔感を印象づけ、「安心して使える製品」というメッセージを視覚的に届けています。
裏面は、上部の導入事例で信頼感を訴求した後、下部の製品ラインナップで具体的な選択肢を提示。「事例で納得→製品を検討→QRコードでWebへ」という自然な導線を設計しました。
DMデザインで成果につなげるための3つの設計ポイント

ここからは、今回の事例を踏まえつつ、DM制作の現場で意識しているデザインの設計ポイントを3つご紹介します。
1. 手に取った3秒で伝える ― 初見のターゲットに「読ませる」表面デザイン
DMは、届いた瞬間に「読む・読まない」が判断される媒体です。特にBtoBでは、届け先の担当者が多忙な中で手に取るため、表面の第一印象が勝負。ここで興味を引けなければ、裏面の情報にたどり着いてもらえません。
ビジュアルが魅力的であることはもちろん、デザイナーが意識しているのは、「誰に向けた、何のDMか」を視線の最初の着地点で伝えきること。今回の案では、表面のビジュアルで製品特長を直感的に伝えたうえで、テキスト情報で導入メリットを簡潔にまとめる構成としました。アイコンを配置して視線の流れを誘導しているのも、情報量が多くなりがちなBtoB DMで読み飛ばされないための工夫です。
2. A4の表裏で訴求しきる ― 限られた誌面の情報設計
DMの制約は、伝えたい情報に対して紙面が圧倒的に少ないこと。特に製造業では、製品スペック・導入事例・ラインナップ・企業の強み・問い合わせ先と、盛り込みたい要素が多岐にわたります。しかし、すべてを均等に並べれば、結局どこにも目が止まらないDMになってしまいます。
ここで重要なのが、表面と裏面に明確な役割分担を持たせることです。今回の事例では、表面を「興味喚起と製品理解」、裏面を「信頼構築と行動促進」と位置づけました。表面で製品の価値に興味を持ってもらい、裏面の導入事例で「実際に効果がある」と納得してもらう。A4の表裏という限られたスペースでも、情報が自然に伝わるよう意識しました。
3. 「読んで終わり」にしない ― リード形成につなげる視線誘導とCTA設計
DMの最終的なゴールは、読まれることではなく次のアクションを起こしてもらうこと。問い合わせ、Webサイトへのアクセス、資料請求――その行動にどうつなげるかが、DMの成果を左右します。
デザインの観点で重要なのは、情報の流れをCTAに向けて設計すること。今回は、裏面の導入事例で「この製品は実績がある、他社も導入している」と共感させた後、製品ラインナップで「自社に合う製品はどれか」を検討させ、最後にQRコードで詳細情報へ誘導する構成にしています。QRコードには読み取った企業を特定できるコードを組み込んでおり、DM単体の反応確認だけでなく、その後のフォロー営業にもつなげられる設計です。
DMデザイン制作まとめ
今回は、広島県の業務用機器メーカー様よりご依頼いただいた、酒造会社向けA4 DMのデザイン制作事例をご紹介しました。情報整理型のA案とビジュアル訴求型のB案を提案し、クライアント様との協議を経てA案を採用。テキストと写真の役割を明確に分けたシンプルなレイアウトで、製品の信頼感を伝えるDMに仕上げています。
表面での興味喚起から裏面の導入事例、そしてQRコードによるWeb誘導まで、1枚のDMの中に「知る→納得する→行動する」の流れを設計したことが、今回の制作のポイントでした。
JPCでは、DMをはじめチラシやパンフレットなど、さまざまな販促ツールの企画・デザイン制作を承っております。「DMを出しているけれど反応が見えない」「DMからリード顧客の獲得につなげたい」とお考えの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
