2024.10.17
会社案内カタログ制作事例-既存デザインを活かしながらのリニューアル

会社案内は企業にとって、自社の強みやビジョン、サービスを一目で伝える重要なツールです。顧客やビジネスパートナーに向けて、企業の理解を深め、信頼性を高めてもらうために、欠かすことができません。どこの企業様でも必ずと言っていいほど作られているのではないでしょうか。
ところで、現在お使いの会社概要は、いつ制作されたものですか。デザインされた当初に大量印刷して、なくなるまで数年間使い続けるという例も聞いたことがありますが、できれば年に1回は更新したいところです。企業自身も常に進化を続けているため、新しい事業が掲載されていなかったり、発売終了した製品が掲載されていたりすると、現場で追加の説明をする手間が増えてしまいます。さらには、最終的には企業の信頼にも傷がつきかねません。会社概要自体が営業マンとして、会社の最新情報をしっかり説明できる、内容を目指したいものです。
今回は、会社概要をリニューアルした事例をご紹介します。既存のデザインをベースにしながら、必要な情報を最新のものに置き換え、最新の情報に見合った最適なデザインを御提案しています。是非、参考にしていただければと思います。
目次
会社案内カタログのデザイン制作事例の概要
まずは、今回ご紹介する制作事例の概要をお伝えします。
ご依頼主 –大阪の空間設計・空間デザインを手掛ける企業様 –
今回のプロジェクトは、大阪に本社を構える大手建設企業グループである、空間設計や空間デザインを手掛ける企業様よりご依頼いただきました。
JPCではこれまで、Webサイト・ブランディングムービー・カタログ・パンフレット・チラシ・リーフレットなど、さまざまなものを制作しており、長年のお付き合いのある企業様です。
ご依頼内容 - 会社案内カタログと関連資料の改訂-
今回は、前回もJPCで制作させていただいた会社案内カタログの改訂を承りました。
改訂のため、一からデザインをするのではなく、既存のデザインを活かしながら内容を更新する案件でした。主な変更内容は、下記3点です。
- 実績写真の差し替え
- 新事業:レンタルサービスの内容追加
- 表紙のデザイン変更
また、Web商談などでご利用されるパワーポイント版の会社案内も、あわせて改訂しました。
デザイン制作時のポイント-空間を見せる写真レイアウト-
会社概要の改訂で「実績写真の差し替え」はよくあることですが、基本的にはデザインのレイアウトはそのままに、写真だけを差し替える場合がほとんどです。
しかし今回は、特徴的なトリミングをしていたため、既存レイアウトのまま写真を差し替えると見せたいところが切れてしまい「実績紹介としての役割が薄れてしまう」という懸念がありました。
先方からも「空間が見えるトリミングにして欲しい」とのご要望をいただきましたので、新たな写真がより良く見えるよう、レイアウトも再考する必要がありました。
単純な改訂ではなく、既存のデザインを活かしながら、今回の内容にあったより良いデザインやレイアウトを目指しました。
次章より、制作の流れに沿って、デザインのポイントについてご紹介いたします。
会社案内カタログのデザイン制作の流れ
主な改訂ポイント3点「実績写真の差し替え」「新事業内容の情報追加」「表紙のデザイン変更」について、順にご紹介します。それぞれのポイントでデザイン制作時の工夫をお伝えいたします。
実績紹介写真の差し替えと再レイアウト
基本的には写真を差し替えるだけなのですが、扉ページについては既存レイアウトのまま写真を差し替えると、見せたいところがうまくトリミングできませんでした。そのため、先方からのご要望でもある「空間が見えるトリミング」をするにはレイアウトから再考する必要がありました。
既存デザインに使用されている特徴的な“斜めのトリミング”は活かしたかったので、斜めを意識しながらも、いただいた新しい写真がきれいに見えるよう、いろいろな形を試しパズルのように組み立てて検討しました。
また、既存デザインではタイトルを写真の上に重ねていたのですが、先方から「写真をしっかり見せたい」とのご要望もいただいていたため、タイトルを入れる場所も考慮しつつレイアウトを決めていきました。

その他にも、ページ右下「トータルプロデュース力」も写真の上に文章が重なっているデザインでしたが、こちらも写真がしっかりと見えるように文章と写真の重なりが極力なくなるようなレイアウトに変更しました。
イラストを用いた新サービスの紹介
既存カタログにも掲載していた「オフィス向け家具レンタルサービス」のコーナーで、「個人向け家具・家電レンタルサービス」と「建設現場向けIoT商材レンタルサービス」の情報を追加することになりました。
新たに追加する「個人向け家具・家電レンタルサービス」と「建設現場向けIoT商材レンタルサービス」はイラストを使用したいというご要望があり、イラストのイメージもご共有いただいておりました。ただ先方のイメージをそのまま落とし込むにはスペース的に難しかったため、一番必要な内容に的を絞ってシンプルにわかりやすいイラストになるように心がけました。

イラストのテイストは、クライアント様の公式サイトに使用されているイラストを参考にしました。細めの線に色数を抑え、ポイントにレンタルサービスの見開きにも使っているオレンジを入れることで、紙面全体にまとまりがでるよう意識しました。
表紙のデザイン提案
この会社案内は、先方の営業の方が自社の実績紹介ツールとしてもご使用されると伺いました。そのため、リニューアルの際に過去のカタログとリニューアル版のカタログを間違えてしまわないように、新版が一目でわかる表紙デザインにして欲しいとのご要望がありました。
しかし、まったく違うデザインにしてしまうと、同じカタログであることさえもわからなくなってしまうので、既存のデザインを踏襲しつつも“変わった感”を出す必要がありました。

そこで、斜めのグラフィックと4つの事業を表している4色のカラーを踏襲し3つの案を制作いたしました。

1つ目の案は斜めのグラフィックを上下に入れ“くの字形”にした案です。右側がグラフィックで覆われた分、タイトル周辺の白場が引き立ってメリハリの効いたデザインになったかなと思います。
また、既存カタログにはなかったストライプ柄を薄く入れることで“変わった感”を演出しようと心がけました。
2つ目と3つ目は色違い案になります。こちらのグラフィックは建物を意識しており、斜めに切った上部は屋根をイメージしています。
また、既存カタログの表紙はグレー感が強かったので、もう少し事業部カラーを押した案があっても良いでは?という思いから、ポイントで入っている事業部カラーの線を少し太くしたもの、さらに全体的にも少し色を入れたものの2案を制作しました。
最終的は1つ目の“くの字形”案を採用いただきました。
会社案内の完成&デザイン展開
完成したカタログの全容は、こちらです。


完成した会社案内カタログのデザインにあわせて、連動したパワーポイント資料も、今回のリニューアルに伴い更新しました。
近年では、Web商談をされる企業様も増えていらっしゃいますので、このようなパワーポイント版の会社案内を活用される企業様もお見掛けいたします。
作業内容としてはカタログで変更した部分をパワーポイントに落とし込んでいくのですが、紙面は縦向きでしたが、パワーポイントは横向きのため、レイアウトを調整する必要がありました。
たとえば、「スペースソリューション事業部」の扉は下記のように調整しました。

カタログ紙面から大きく形は変えず組み方を変更することで横向きのパワーポイントにも収まりました。
今回の案件は既存カタログのリニューアルとして、一から作る時とはまた違った難しさや発見がありました。
また、パワーポイント資料も同時に更新することで一体感を損なわず、さまざまな場面で活用できるツールとしてお力添えできたのではないかと思っております。
会社案内のリニューアル時にチェックすべきポイント
会社案内を更新する際には、次の内容に変更がないか確認しましょう。更新するべき内容のボリュームによって、どのような改訂をしていくべきか見えてきます。
ビジョン・ミッション・トップメッセージ
1つ目は、会社の基本的なメッセージとなる「ビジョン・ミッション・トップメッセージ」です。
一般的な企業において、「ビジョン」や「ミッション」が変わることはほとんどありません。企業のトップが変わるなど、企業として大規模な転換があった場合にのみ差し替えられる内容になります。
企業のトップが変われば、もちろん「トップメッセージ」も差し替えられます。また、その新しいトップによって、ビジョンやミッションがリニューアルされることもあるでしょう。
このような場合には、書かれている言葉=文字を変えるだけでなく、全体的なデザインもしっかりリニューアルして、ビジュアルから伝えるイメージも刷新されることをお勧めします。
主要製品・サービス紹介
2つ目は、会社の商売道具である「主要製品やサービス」です。
更新の際には、必ず抜け漏れなく載せたい情報が掲載されているか確認しましょう。新製品・新サービスがしっかり掲載されているか確認するのはもちろんのこと、販売終了したものが掲載されていてもトラブルの種になりかねません。不要なものは削除しましょう。また、同じくずっと掲載している商品でも、社会的なニーズの変化によってオススメとなる商品が変わる場合には、順番を入れ替えるなどして今一番オススメしていきたい商品が一番目立つよう調整する必要があります。
このような内容の更新であれば、今回のような部分的なリニューアルで対応することも可能です。
実績やアワードの更新
3つ目は、「実績やアワードの更新」です。つい忘れがちになってしまいますが、必ず最新の情報を更新しましょう。同じアワードでも何度も受賞されることも権威付けになるため、載せられる情報はどんどん出していくべきです。
実績として紹介できる案件も、新たに紹介できる大きなプロジェクト実績があれば、最新の情報を掲載して、話題の更新をお勧めします。
部分的なリニューアルで対応もできますが、実績やアワードの内容によっては、見せ方やデザインを最適化して、より良い会社案内を目指すこともできます。
会社案内デザイン制作のまとめ
今回は、会社案内のデザイン制作についてご紹介いたしました。
イメージを一新するようなリニューアルは、毎年する必要はないと考えています。しかし、商品やサービスの情報を最新のものに差し替えたり、ご紹介できる事例を入れ替えたりすることは会社を継続的に発展させていくうえで、ぜひしていただきたい更新です。
お客様のご要望にあわせて、必要なデザインをご提案いたしますので、少しの差し替えでも、お気軽にご相談ください。
会社案内の制作については、以下のページもぜひご覧ください。
会社案内のデザイン制作

