2025.12.23
YouTube広告動画の制作事例-寺院ライトアップイベントのPR映像-
今回は、YouTube広告として配信するPR動画の制作事例をご紹介します。
YouTube広告動画は、数秒の中で視聴者の興味をつかみ、イベントやサービスの魅力を直感的に届けるための重要なプロモーション手法です。限られた尺の中で世界観やメッセージを伝えきるには、情報を整理しながら視線を誘導し、視覚的に理解しやすい表現へと落とし込む工夫が欠かせません。とくに広告では、最初の一瞬で「気になる」「見たい」と思ってもらえるかどうかが成果に直結します。
本記事では、PR動画制作事例に沿って、イラストとモーションを組み合わせた動画表現のポイントをご紹介します。「広告で世界観を伝えたい」「短尺でも印象に残る映像をつくりたい」とお考えの方の参考になれば幸いです。
目次
YouTube広告動画制作の概要
まず、YouTube広告動画制作の概要についてご紹介いたします。
ご依頼主-京都の寺院様-
今回の案件は、京都の寺院様からご依頼いただきました。国内外から多くの参拝者や観光客が訪れる著名な寺院で、法話ラップや木魚EDMなど、ユニークなメディア発信なども行っています。
当社とは 2021年より秋のライトアップ告知動画の制作をきっかけにお取引が始まり、以降もイベント告知動画を継続してご依頼いただいております。
ご依頼内容-YouTube広告用PR動画の制作-
今回ご依頼いただいたのは、毎年開催されているライトアップイベントのイベント告知動画です。
イベントの魅力をより多くの方に届けるため、オンラインでの情報発信を強化されており、その一環として、YouTubeをはじめとするSNS広告を活用した認知拡大を目的に動画制作をご希望されていました。

デザイン制作におけるポイント-イラスト×モーショングラフィックスで描くイベントの世界観-
今回は、お寺の“堅いイメージ”をやわらげ、若い世代にも興味を持ってもらえるよう、親しみやすいポップさを取り入れたトーンを全体の方向性として設定しました。
一方で、実際のライトアップイベントでは、紅葉シーズン特有のひんやりとした夜気の中に灯りの温もりが静かに漂う、“落ち着いた大人の空間”が広がっています。訪れる方々も騒がず、景色を静かに楽しむ雰囲気があり、こうした空気感も映像の中で再現できるように意識しました。
制作で意識したポイントは以下の3点です。
- ライトアップイベントの世界観を伝えるイラスト表現
- 静けさと楽しさを両立するモーションと音の演出
- SNSで興味を引きつける映像設計
ポップさと落ち着きが共存する独特の世界観により、幅広い層にとって親しみやすいPR動画となっています。
YouTube広告動画制作の流れ
ヒアリングと企画検討
まずは、イベントの目的やターゲット、動画で伝えたい印象についてヒアリングを行い、全体の方向性を整理。YouTube広告としての活用を前提に、短い尺でも魅力が伝わる構成や、視聴者の興味を引く魅せ方を検討し、イラストとモーショングラフィックスを軸にした企画で進行しました。
2021年の初制作以来、毎年ご依頼をいただいており、クリエイティブ面で高い信頼を寄せていただいています。そのため、「こうしてほしい」という詳細なご指定はほとんどなく、大枠の方針を共有いただいたうえで、ほぼお任せで進行させていただきました。
イラスト制作
イラストは、ライトアップ会場特有の “ひんやりとした夜気” と “光の温もり” を表現できるタッチに調整し、ポップでありながらも落ち着きを感じられるスタイルで制作しました。
担当デザイナーは2021年の初回制作以来、毎年この動画に携わっており、実際の会場を訪れた経験もあるため、映像ディレクターと会場イメージの共通認識をもちながら進行しています。制作の初期段階で全体のトーンやイメージを擦り合わせたあとは、デザイナーがイラストを描き進め、モーション制作の過程でも連携をとりながら相談や調整を行いました。

映像編集・モーション設計
イラストの世界観をもとに、映像編集ではモーショングラフィックスによる動きの設計と、全体のリズムづくりを行いました。ライトアップイベントの“静かに楽しむ”雰囲気を損なわないよう、過度に派手な演出は控えつつ、SNS広告として視聴者の目に留まりやすい適度なテンポを意識しています。
シーンごとの空気感が自然に伝わるよう、以下の表現を組み合わせ、短い尺でも会場の情緒が感じられる構成にまとめました。
- ゆるやかなカメラワークを思わせるモーション
- イラストの雰囲気を引き立てる動きのタイミング調整
- 光の揺らぎや色の変化で季節感を補う演出
動画編集の過程では、モーションに合わせて追加のイラスト素材をデザイナーに依頼したり、動きや音の印象を微調整したりしながら、段階的に映像を仕上げていきました。
また、BGM についても映像全体のトーンや会場の雰囲気に馴染むものを選定しました。
YouTube広告動画の完成
完成した動画がこちらです。
完成した YouTube広告動画では、ポップさと落ち着きが共存する世界観が短い尺の中でまとめられ、ライトアップイベントの空気感が視覚的・聴覚的に伝わる仕上がりとなりました。イラスト、モーション、音のバランスが自然に調和し、SNS広告としても印象に残る映像になっています。
イラストを活かしたモーショングラフィックス制作のポイント
イラストを用いたモーショングラフィックスは、世界観を自由に表現できる一方で、「どのように動かすか」「どのように見せるか」 によって完成度が大きく変わります。
ここでは、モーショングラフィックス制作のポイントを3つご紹介します。
1. イラストの魅力を引き出す“動き”のデザイン
イラストの魅力を活かすためには、イラストがもつ世界観をどう映像へ展開するかを見極めることが重要です。線の太さ、色の柔らかさ、キャラクターの雰囲気などの要素に合わせて動きを設計すると、モーションが“後付け”ではなく、自然に作品に溶け込みます。
たとえば、柔らかいタッチのイラストならゆったりとした動きが合い、シャープな線のイラストなら少しテンポのある動きがしっくりきます。動きは絵の延長線上にあるものと捉えると、視覚的な違和感がなく、世界観に一貫性をもたせられます。
モーショングラフィックスではこの“タッチとモーションの整合性”が、完成度を左右する大きなポイントとなります。
2. 視線を誘導するカメラワーク
モーショングラフィックスでは、「どこを見てほしいか」を示すだけでなく、その場を体験しているように感じられる視点づくりも重要です。わずかなスライドや寄り引きの動きを加えるだけで、視聴者の視線は自然と流れ、映像への没入感が高まります。
カメラ位置を少し低くして“歩いている目線”を演出したり、横へゆるやかに振って“見回している感覚”をつくったりと、動きの工夫によって空間の広がりや距離感を表現できます。イラストであっても、こうしたカメラワークによってリアリティのある映像体験が生まれます。
短尺動画では視線が迷うと離脱につながりやすいため、見せたいポイントへ自然に視線が向くように配置とカメラの流れを整えることが重要です。視線誘導と体験的な視点を組み合わせることで、短い尺の中でも印象に残る映像になります。
3. 世界観をつくる色・余白・光のコントロール
イラストを使ったモーショングラフィックスでは、色・余白・光の扱いが映像全体の印象を大きく左右します。 これらを丁寧にコントロールすることで、イラストだけでは表現できない“空気感”や“温度”を映像として届けられます。
色は全体のトーンをつくる基盤で、暖色を多く使えば温かく落ち着いた雰囲気に、寒色を使えば静かで幻想的な印象を与えられます。また、余白を適切に残すことで、情報を詰め込みすぎず、映像全体がすっきりとした印象に。
さらに、光の強弱や揺らぎを加えると、シーンに奥行きや柔らかさが生まれ、映像全体の“息づかい”を感じられるようになります。
このように色・余白・光を一貫した方針でコントロールすることで、短尺の動画でも世界観の統一された表現を実現できます。
YouTube広告動画制作まとめ
今回は、京都の寺院様よりご依頼いただいたYouTube広告用PR動画の制作事例をご紹介しました。
ライトアップイベントの告知を目的とした本件では、お寺のもつ落ち着いた雰囲気と、若い世代にも親しみやすいポップさを両立させるため、イラスト・モーショングラフィックス・BGMを組み合わせて全体の世界観を設計しました。短尺でありながらも、ひんやりとした夜気や灯りの温もりといった会場特有の空気感が伝わる映像に仕上がっています。
JPCでは、YouTubeなどのSNS用広告動画をはじめ、さまざまな用途に合わせた映像制作に柔軟に対応しています。「SNS向けの動画をつくりたい」「イベントの魅力を短尺で伝えたい」など、動画制作に関するご相談があれば、ぜひお気軽にお問い合わせください。