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インバウンド動画とは?制作事例や観光客に刺さるポイントを解説

インバウンド動画とは?制作事例や観光客に刺さるポイントを解説

インバウンド需要が高まる中、訪日外国人に向けて地域の魅力やサービスを効果的に発信する「インバウンド動画(訪日客向けPR映像)」が注目されています。

「自社の観光プロモーションにも活用できるのか知りたい」「どのような流れで動画を制作すれば、観光客に刺さるコンテンツになるのかわからない」と感じる担当者の方も多いのではないでしょうか。

本記事では、インバウンド動画の基本的な役割から、メリット、成功事例、効果を高めるポイントまでを動画制作会社が詳しく解説します。情報を網羅的に整理し、これからインバウンド動画の企画や活用を検討する際に役立つ内容としてまとめましたので、ぜひ参考にしてください。

目次

インバウンド動画(訪日客向けPR動画)とは?

インバウンド動画とは、訪日外国人旅行者を主なターゲットとして、日本の地域の魅力や文化、体験できるサービスなどをわかりやすく発信するために制作されるPR映像のことを指します。

映像によって観光客の理解を深められる点から、自治体や企業のプロモーションで活用が広がっており、近年のインバウンド需要の高まりとともに注目を集めています。

近年注目を集める背景

インバウンド動画が近年注目を集める背景には、主に以下の2点が挙げられます。

  • 訪日外国人旅行者数の回復・拡大
  • 旅行情報の収集における動画活用の増加

日本政府観光局(JNTO)の発表によれば、訪日外客数はコロナ禍以降の落ち込みから急速に回復し、2024年には年間で過去最多となる 3,686万9,900人 を突破しています。インバウンド市場の拡大とともに、自治体や企業による観光PR・誘客プロモーションの重要性がさらに高まっています。

加えて、観光庁の「訪日外国人消費動向調査(2024年)」では、訪日前に役立った旅行情報源として 「動画サイト」38.1% が挙げられ、「SNS」(38.9%)に次いで高い割合を占めることが明らかになりました。動画による情報発信が、訪日客の旅行先選びや行動に強い影響を与えていることがわかります。

こうした状況から、地域の魅力を効果的に伝える手段としてインバウンド向けの動画制作に取り組む自治体・企業が増えており、映像を活用したマーケティングの需要も年々高まりつつあります。

出典:日本政府観光局(JNTO)「訪日外客数(2024 年 12 月および年間推計値)」(p1)

出典:観光庁「訪日外国人の消費動向」(p23)

一般的なPR動画との違い

インバウンド動画と一般的なPR動画の違いは、単にターゲットの国籍が異なるだけではありません。日本をよく知らない視聴者に向けて情報を届けるため、企画段階から「何が伝わりにくいか」「どの文化的背景を補うべきか」をふまえた設計が必要になります。国内向けの動画では前提として共有されている価値観や習慣も、海外の視聴者にとっては初めて触れる情報であることが多く、映像で丁寧に補足する工夫が不可欠です。

また、多言語対応やローカライズは必須の要素であり、単なる翻訳では伝わりにくいニュアンスを適切に言い換える必要があります。こうした文化的・言語的なギャップを前提にした映像づくりが必要になる点が、インバウンド動画と一般的なPR動画との違いです。

インバウンド動画の制作で得られる3つのメリット・効果

インバウンド動画を制作・活用することで、企業や自治体はさまざまなメリットを得られます。ここでは、その主な効果を以下の3つの観点から解説します。

  1. 言語や文化の壁を越えて地域の魅力を伝えられる
  2. 観光を疑似体験してもらい、来訪意欲を高められる
  3. SNSでの拡散を通じて認知を拡大できる

1. 言語や文化の壁を越えて地域の魅力を伝えられる

1. 言語や文化の壁を越えて地域の魅力を伝えられる

訪日外国人にとって、日本語の文章や静止画だけでは十分に理解しづらい情報も多くあります。そこで効果を発揮するのが、映像を用いたプロモーションです。動画であれば、言語が異なる相手にも 視覚・聴覚を通して直感的に魅力を伝えられる ため、以下のようなポイントがわかりやすく表現できます。

  • 四季折々の風景や街並みの雰囲気
  • アクティビティや体験の臨場感
  • 伝統文化が持つ荘厳さや繊細さ

こうした映像表現によって、“文章では伝えきれない雰囲気”や“その場にいるような感動”を届けられます。視聴者の心に残りやすく、地域への興味を高めるとともに、言語や文化の壁を越えて魅力を伝えられる点がインバウンド動画の大きな強みです。

2. 観光を疑似体験してもらい、来訪意欲を高められる

Webサイトの写真やパンフレットの文章だけでは、現地の空気感や体験の魅力をリアルに伝えるには限界があります。

動画は「旅の流れ」や「その場で得られる体験」を一連のストーリーとして描けるため、視聴者に“実際に訪れているような感覚”を提供できます。移動のワクワク感、目に映る景色の変化、体験の楽しさなどを丁寧に追体験できる構成にすることで、視聴者の心に臨場感と没入感が生まれます。

こうした体験型の映像表現は、「ここに行ってみたい」「この体験を自分も味わいたい」といった強い来訪意欲につながり、実際の訪問や予約行動を後押しする効果が期待できます。

3. SNSでの拡散を通じて認知を拡大できる

視聴者の心を動かす美しい映像や、旅先でのユニークな体験を魅力的に切り取った動画は、SNS上で自然に共有されやすいという特徴があります。言語に依存しない分、国境を越えて視聴・拡散されやすく、一般的なPR動画と比較しても広がりやすい傾向があります。

SNSで拡散が起これば、広告費を抑えながら多くの潜在的な訪日客に情報を届けられます。さらに、ターゲット国のインフルエンサーや旅行系クリエイターに取り上げられた場合、その影響力によって短期間で大きな認知拡大が期待できるでしょう。

インバウンド動画の主な目的・活用シーン

インバウンド動画は、さまざまな目的で活用できます。ここでは、代表的な4つの活用シーンを紹介します。

  • 地域の観光PR・誘致
  • 施設やサービスの紹介・利用促進
  • 文化・習慣の理解促進とマナー啓発
  • 海外向けの教育・採用広報

地域の観光PR・誘致

インバウンド動画は、地域が持つ自然や文化、体験コンテンツの魅力を視覚的に伝えられるため、観光PRや訪日客の誘致に広く活用されています。写真や文章では伝わりにくい“その土地らしさ”を映像で表現できる点が大きな特徴で、旅行前の段階でも地域の雰囲気を具体的にイメージしてもらいやすくなります。

たとえば、四季で変わる景観や歴史ある街並み、地域の祭りの活気などを映像で紹介すると、視聴者は旅の雰囲気を直感的に理解できます。さらに、地元の食文化や温泉、伝統工芸などの体験シーンを盛り込むことで、「この地域でしか味わえない魅力」が伝わり、来訪意欲を高めるきっかけになります。

旅行先の候補として認知を広げるだけでなく、訪日客が「ここを訪れたい」と感じる理由づけにもつながるため、自治体や観光協会にとって効果的なプロモーション手法です。

施設やサービスの紹介・利用促進

ホテルや旅館、商業施設などが自社の魅力をわかりやすく伝える手段としても、インバウンド動画が活用されています。滞在環境やサービス内容を映像で紹介することで、訪日客が利用シーンを具体的にイメージしやすくなり、予約や来館の後押しにつながります。

施設の雰囲気やスタッフの接客、食事の提供スタイルなどを動画で示すと、写真では伝わりにくい空気感や安心感を視聴者に届けられます。また、チェックインの流れや館内の使い方などを多言語で案内する映像を用意すれば、初めて訪れる利用者でもスムーズに過ごすイメージが持てます。

こうした動画を通じた情報提供は、利用前の不安解消と期待値の向上に寄与し、新規顧客の獲得や満足度の向上、口コミ評価の改善にもつながります。

文化・習慣の理解促進とマナー啓発

日本特有の文化や習慣への理解を促し、トラブルを未然に防ぐためのマナー啓発にも、インバウンド動画は有効です。訪日客が戸惑いやすい行動ルールを、映像を使ってわかりやすく紹介できる点が大きなメリットです。

たとえば、温泉や神社での基本的な作法、公共交通機関での過ごし方、写真撮影が禁止されている場所での注意点など、現地で判断が難しいルールを視覚的に示すことで、初めての旅行者でもスムーズに理解できます。文字だけでは伝わりにくい動作や流れを映像で見せられるため、誤解やトラブルの防止にもつながります。

動画でわかりやすく伝えることで、訪日客が安心して過ごせるようになり、地域の受け入れ態勢の向上にもつながります。

海外向けの教育・採用広報

インバウンド動画は観光分野に限らず、海外向けの教育広報や採用活動にも活用されています。大学がキャンパスライフや研究環境を映像で紹介して留学生を募集したり、企業が日本で働く魅力やキャリア形成の可能性を伝え、海外からの人材を惹きつけたりする際に有効です。

動画を活用することで、日本で学ぶ・働くという具体的なイメージを視覚的に伝えられるため、ターゲットが将来の姿を描きやすくなります。その結果、留学や就職への関心を高める効果が期待できます。

インバウンド動画の成功事例5選

ここではインバウンド動画の成功事例を5つ紹介します。それぞれの動画がどのような工夫で成果につなげているのか、ぜひご参考にしてください。

  1. 【観光PR動画】富山市観光協会
  2. 【旅館PR動画】観光庁
  3. 【マナー啓発動画】関西観光本部
  4. 【海外向け大学紹介動画】摂南大学
  5. 【ブランド紹介動画】星野リゾートホールディングス

1.【観光PR動画】富山市観光協会

出典:富山市観光協会

富山市観光協会が制作したPR動画は、豊かな自然と洗練された文化を組み合わせ、富山市ならではの「上質な旅」を表現している事例です。雄大な景観や三味線の音色、寿司職人の繊細な手仕事など、地域を象徴する要素が美しい映像でテンポよく紹介されています。

さらに、日本語ナレーションと英語字幕を組み合わせることで、海外視聴者にもわかりやすく配慮されています。動画内には外国人観光客が実際に街を歩き、体験する様子も盛り込まれており、視聴者が自分の旅に置き換えてイメージしやすい構成になっています。

2.【旅館PR動画】観光庁

出典:観光庁

観光庁が制作した旅館のPR動画は、日本の旅館が持つ多面的な体験価値を海外に向けて伝え、視聴者の興味を引きつけている事例です。

動画では、雪景色の中にたたずむ旅館をドローンで雄大に捉えた全景カットから始まり、囲炉裏や温泉など、日本の伝統文化を象徴するシーンが丁寧に描かれています。旅館ならではの静けさや情緒が映像を通じて立体的に伝わる構成です。

さらに、ナレーションを使わず文字情報も最小限に抑えることで、映像そのものの力で魅力を伝える工夫が施されています。言語に依存しないため海外の視聴者にもスムーズに届き、旅館の世界観が直感的に理解できる点がインバウンド向け動画として効果的です。

3.【マナー啓発動画】関西観光本部

出典:関西観光本部(The KANSAI Guide)

関西観光本部が公開した、寺院でのマナーをテーマにした動画です。一方的にルールを伝えるのではなく、訪日客の立場に寄り添いながら相互理解を促す構成が特徴的な事例です。

動画では、神社の撮影禁止場所で無意識に撮影をしてしまう場面や、ゴミ箱がなく「でも中には持って入れないし…」と戸惑う外国人観光客の心情が、英語テロップとともに描かれています。観光客がどのような理由で“誤解”や“迷い”を抱くのか、その背景を丁寧に表現している点がポイントです。

観光地で起こりやすい誤解を“旅行者目線”で伝えることで、滞在中のマナー向上に直接つながる内容となっています。

4.【海外向け大学紹介動画】摂南大学

出典:摂南大学公式YouTubeチャンネル

摂南大学が公開した海外向けの大学紹介動画は、海外の提携大学や留学希望者に向けて、大学の魅力を多面的に伝えている事例です。

動画では、英語ナレーションに加えて英語・中国語字幕を用意することで、幅広い海外視聴者が内容を理解しやすい構成になっています。言語の壁を越えて大学の特徴が伝わるよう、情報設計に細やかな配慮が施されています。
また、在校生や教授のインタビューを盛り込み、実際の学びの環境や学生生活をリアルに紹介している点も特徴です。

海外の視聴者が「ここで学ぶ自分」を具体的にイメージできる構成となっており、留学検討者に向けた大学広報として効果的に機能している動画です。

5.【ブランド紹介動画】星野リゾートホールディングス

出典:星野リゾート公式チャンネル

星野リゾートホールディングスが展開するホテルブランド「OMO」の紹介動画は、海外旅行者にもわかりやすい形でブランドの価値や滞在体験を伝えている事例です。「街を楽しむ」というOMO独自のコンセプトを、親しみやすいアニメーションと明快なナレーションで紹介しており、初めて訪日する旅行者でも理解しやすい内容になっています。

また、動画は多言語字幕に対応しており、異なる言語・文化背景の視聴者にも情報が届きやすくなっています。カプセルホテルからフルサービスホテルまで幅広い滞在スタイルや、「ご近所マップ」などのユニークなサービスをアニメーションで紹介することで、言葉に頼らずOMOの楽しさを直感的に伝えています。

言語の壁を越えてブランドコンセプトをわかりやすく示すことで、海外視聴者の利用意欲を高めるインバウンド向け動画として機能しています。

インバウンド動画の効果を高める5つのポイント

インバウンド動画の効果を最大化するためには、制作時に押さえておくべきポイントがあります。ここでは、とくに重要な以下の5つのポイントを解説します。

  1. ターゲットと動画の目的を明確にする
  2. 音声がなくても伝わる映像構成を設計する
  3. 地域の独自性や文化を盛り込む
  4. ターゲット国にあわせた多言語対応・文化配慮をする
  5. 視聴後の行動導線と配信設計をセットで考える

1. ターゲットと動画の目的を明確にする

インバウンド動画を制作する際は、最初に「誰に向けて何を伝えたいのか」を明確にすることが重要です。目的によって、適切なターゲット設定や伝えるべき情報の種類が大きく変わるためです。

たとえば、地域の観光PRを目的とする場合は、その地域に関心を持つ旅行者の旅行目的に合わせて、自然、街歩き、食文化など、魅力のどこを強調するかが変わります。
施設やサービスの紹介を目的とする場合は、利用を検討している視聴者が、滞在イメージや使い方を具体的に想像できる構成が効果的です。

また、文化・習慣の理解促進を目的とする動画では、訪日客が戸惑いやすい場面や誤解の起きやすいポイントをわかりやすく示すことで、安心して行動できるようサポートできます。

このように、目的に応じてターゲットを明確にし、視聴者が求める情報に合わせて表現を選ぶことで、動画の伝わりやすさと効果を高められます。

2. 音声がなくても伝わる映像構成を設計する

インバウンド動画は、言語や視聴環境が多様な海外の視聴者に届けることを前提としています。そのため、音声が再生されなくても内容が伝わるよう、視覚情報中心の映像構成にすることが重要です。SNSではミュート再生されることも多く、また外国語のナレーションが聞き取りづらい視聴者もいるため、字幕やテロップ、アイコン、アニメーションなどを活用して、直感的に理解できる工夫が求められます。

さらに、視聴者がその場を旅しているかのように感じられる“疑似体験”の要素を取り入れることで、動画の魅力を高められます。移動の流れや体験の雰囲気が伝わるカット割り、主観映像などの没入感ある表現は、訪日への期待感を高めるうえで効果的です。

3. 地域の独自性や文化を盛り込む

インバウンド動画では、その土地ならではの独自性を映像に反映させることが重要です。どこにでもある風景を紹介するだけでは印象に残りにくいため、地域が育んできた歴史や文化、人々の暮らしが感じられる要素を取り入れることで、動画に深みが生まれます。

たとえば、城下町の成り立ちや史跡にまつわる背景、郷土料理に受け継がれてきたこだわり、祭りや工芸に携わる人々の姿などを描くと、視聴者はその土地の魅力や歴史までを自然に感じ取れます。こうしたストーリーが加わることで、単なる観光地紹介にとどまらず、「その土地を訪れてみたい」と思わせる共感や魅力を引き出せます。

4. ターゲットにあわせた多言語対応・文化配慮をする

4. ターゲットにあわせた多言語対応・文化配慮をする

ターゲット国や地域に合わせて動画の内容を調整することは、インバウンド動画において欠かせない視点です。字幕やテキストを多言語で用意するだけでなく、文化的な背景や価値観に沿った表現へと整えることで、視聴者に違和感なくメッセージを届けられます。

たとえば、色やジェスチャーの受け取られ方は文化によって大きく異なります。中華圏では赤が縁起のよい色として扱われる一方、西洋では注意喚起の色として認識される場合があります。また、中東地域では肌の露出や特定の仕草に配慮するなど、映像表現そのものにも文化的な調整が求められます。

さらに、字幕の言葉選びやBGMの雰囲気も文化圏によって好みが分かれるため、ターゲットに合わせて最適なトーンに仕上げることが大切です。こうした細やかなローカライズによって、海外視聴者にとって理解しやすく、受け入れられやすい動画がつくれます。

5. 視聴後の行動導線と配信設計をセットで考える

インバウンド動画は、視聴者の「行ってみたい」「もっと知りたい」といった意欲を高める効果があります。ただ、その興味を実際の行動につなげるためには、視聴後の導線と配信設計をあらかじめ整えておくことが重要です。

視聴者が興味を持ったタイミングで次のステップへ進めるよう、予約ページや体験紹介ページへのリンク、QRコードなどを動画内に配置すると、スムーズに問い合わせや予約につなげられます。また、公式SNSへのフォロー導線を設けて継続的な接点をつくることも効果的です。

さらに、制作した動画を確実にターゲットへ届けるためには、配信設計も欠かせません。ターゲット国や地域で利用されているSNSやプラットフォームを把握し、それぞれに適したフォーマットで配信することで、視聴されやすく理解されやすい動画になります。

このように、視聴後の行動導線と配信戦略をセットで設計することで、動画によって高まった興味を実際の来訪・予約・SNSフォローといった成果につなげやすくなります。

インバウンド動画制作の流れ

インバウンド動画の制作を制作会社に依頼する際には、一般的に以下の5つのステップで進められます。

  1. 企画・コンセプト設計 
  2. 構成・絵コンテ・多言語翻訳
  3. 撮影・素材準備・編集
  4. 多言語対応・ローカライズ
  5. 納品

1. 企画・コンセプト設計

インバウンド動画の制作は、まず企画とコンセプトの設計から始まります。この工程では、「誰に、何を伝え、どのような変化を生みたいのか」を整理し、動画全体の方向性を定めます。

とくにインバウンド向けの場合は、視聴者となる国や地域ごとの価値観や旅行目的、情報の受け取り方をふまえて企画を組み立てることが重要です。どの魅力を中心に描くのか、どのような見せ方が最も響くのかをターゲットに合わせて設計することで、動画の伝わり方は大きく変わります。

企画段階で方向性が明確になっていれば、その後の撮影や編集、ローカライズもスムーズに進み、動画全体の訴求力を高めることにつながります。

2.構成・絵コンテ・多言語翻訳

企画内容が固まったら、動画の流れを示す構成案や、画面イメージを具体化した絵コンテを作成します。この段階で、ストーリー展開やカット割り、字幕・ナレーションの入るタイミングなど、仕上がりを左右する要素を設計します。

インバウンド向けの場合は、視覚的に伝わる構成になっているか、字幕で補足すべき情報はどこかなど、文化や言語の違いをふまえたわかりやすさも意識します。また、後の工程を円滑にするため、多言語字幕やナレーションの翻訳も並行して進めるのが一般的です。

3. 撮影・素材準備・編集

構成案や絵コンテが完成したら、それに沿って撮影や素材の準備を進めます。ロケーションやスタジオでの撮影を行い、動画に必要な映像素材を収集します。

インバウンド向けの動画では、地域の魅力や体験価値が直感的に伝わるカットを意識的に撮影することがポイントです。視覚的にわかりやすいシーンを押さえておくことで、多言語圏の視聴者にも理解しやすい映像になります。

その後、撮影素材をもとにカット編集やBGM・テロップの追加を行い、映像の流れを整えます。ロゴアニメーションやモーショングラフィックスなどの演出も、必要に応じてこの編集工程の中で組み込んでいきます。

4. 多言語対応・ローカライズ

日本語版の編集が進んだ段階で、各言語版の映像に仕上げるための多言語対応を行います。
ここでは、翻訳済みの字幕を実際の映像に挿入したり、ネイティブナレーターによるナレーションを収録して組み込んだりと、完成映像としての多言語版をつくり上げていきます。

あわせて、表現が文化的に自然かどうか、ターゲット国の視聴者が違和感を抱かないかを確認しながらローカライズを進めます。

5. 納品

すべての編集や確認作業が完了したら、最終的な動画データが納品されます。用途に応じて、WebサイトやSNSはもちろん、空港や商業施設のデジタルサイネージ、展示会のブース映像など、使用する媒体に最適化した解像度やファイル形式で書き出します。

また、必要に応じて短尺版やサムネイル画像など、二次利用用の素材をあわせて納品できるケースもあります。動画をどのように活用したいかを事前に共有しておくことで、より使いやすい形式で受け取れます。

インバウンド動画制作の費用相場

インバウンド動画の制作費用は、企画内容や撮影規模、編集の難易度によって大きく変動します。一般的な相場は 40万円〜200万円以上と幅広く、要件に応じて費用が変わるのが特徴です。

費用を左右する主な要素は次のとおりです。

  • 企画・構成費:企画の内容やリサーチ量
  • 撮影費:撮影日数、ロケ地、スタッフ人数、スタジオ利用の有無
  • 演者・ナレーター費:出演者の有無や人数
  • 編集費:モーショングラフィックスなどの特殊表現の有無
  • 多言語対応費:対応する言語数やネイティブチェックの必要性

どの要素にどれだけ工数をかけるかによって費用は大きく変わりますが、一般的には予算をかけるほど表現の幅が広がり、動画の完成度や訴求力にも反映されます。

費用を抑えるコツ

国内向けに既存の動画素材がある場合は、海外向けに字幕やナレーションを追加したり、必要な部分のみ再編集したりすることで、新規制作よりも費用と期間を抑えやすくなります。

失敗しない!インバウンド動画制作会社の選び方

インバウンド動画の制作で失敗しないためには、映像制作会社を選ぶ際に以下のポイントを確認しましょう。

  • 動画の制作実績が豊富か
  • 多文化への理解や海外向けマーケティングの知見があるか
  • 企画から撮影・編集・多言語対応まで一貫して依頼できるか
  • 動画を活用したマーケティング支援まで任せられるか
  • ネイティブ監修による自然な翻訳に対応できるか

動画の制作実績が豊富か

映像制作会社を選ぶ際は、インバウンド動画の実績に限定せず、自社が求める表現やクオリティに近い作品をどれだけ手がけているかを確認することが大切です。過去の制作事例を見ることで、その会社が得意とする映像表現や対応できる分野、全体的なクオリティの傾向が把握できます。

また、制作した動画をただ並べるだけでなく、制作の背景や解決した課題、狙った効果 などを事例として丁寧に説明している会社であれば、企画力や提案力の高さも判断できます。

こうした情報は多くの場合、公式サイトの制作実績ページで確認できるため、自社の目的に合った表現力を持つ会社かどうかを見極める材料になります。

多文化への理解や海外向けマーケティングの知見があるか

インバウンド動画では、ターゲット国の文化や価値観をふまえて制作を進めることが欠かせません。そのため、制作会社が多文化への理解を持ち、海外向けの情報発信に必要な基本的な視点を備えているかどうかは、事前に確認しておきたいポイントです。

どの国、どの地域を想定するかによって、伝える内容や映像表現、適した配信媒体は異なります。こうした点をふまえて、ターゲットに合わせた見せ方や配信方法を提案できる会社であれば、目的に合った動画を制作しやすくなります。

企画から撮影・編集・多言語対応まで一貫して依頼できるか

動画制作の工程を複数の業者に分散すると、情報共有に手間がかかったり、工程ごとに表現の基準が揃わず、仕上がりにばらつきが出る可能性があります。とくにインバウンド動画は、多言語対応やローカライズも必要になるため、工程間での認識のズレは大きな負担につながりがちです。

その点、企画から撮影、編集、多言語対応まで一貫して任せられる制作会社であれば、プロジェクト全体の進行がスムーズになり、コンセプトに沿った統一感のある動画を仕上げやすくなります。工程ごとのやり取りが一本化されることで、完成までの時間や管理コストを抑えられる点もメリットです。

動画を活用したマーケティング支援まで任せられるか

動画を制作して公開するだけではなく、どの媒体で、どのような形で発信すればターゲットに届きやすいのかを考え、動画を活用したプロモーション全体を設計することが重要です。

そのため、SNSやWebサイト、広告配信など、ターゲットに適したPR手法を提案できる制作会社かどうかも確認しておきましょう。どのプラットフォームで発信すべきか、動画をどのように二次利用するかといった活用方法まで含めてサポートできる会社であれば、制作した動画をより高い成果につなげやすくなります。

ネイティブ監修による自然な翻訳に対応できるか

インバウンド動画では、字幕やナレーションの訳し方が視聴者の理解に大きく影響します。単語を置き換えただけの直訳では意図が伝わりにくいため、ターゲット言語として自然に読める表現へと調整することが欠かせません。

翻訳が不自然だと、動画の印象が損なわれたり、受け取り方に誤解が生じたりする可能性があります。そのため、必要に応じてネイティブのチェックを行ったり、自然な表現に整えるローカライズへ対応できる制作体制があるかどうかを事前に確認しておくと安心です。

インバウンド動画に関するよくある質問(Q&A)

インバウンド動画の制作に関して、よく寄せられる質問とその回答を紹介します。

インバウンド動画の制作期間はどのくらい?

一般的には1〜3ヶ月程度です。
企画内容や撮影規模、多言語対応の有無によって前後します。

動画の長さはどれくらいが適切?

媒体ごとに最適な尺が異なります。
SNSは15秒〜1分YouTubeやWebサイトは1分以上など、用途に合わせた調整が必要です。

英語以外の言語にも対応すべき?

ターゲット国が明確な場合は対応した方が効果的です。

欧米だけでなくアジアからの訪日客も増えているため、中国語や韓国語などターゲットとなる国の言語を加えることで、より幅広い視聴者に情報を届けやすくなります。

まとめ

インバウンド動画は、言語や文化の壁を越えて日本の魅力を伝え、訪日客の来訪意欲を高める効果的な手段です。成果につなげるためには、ターゲットに合わせた戦略設計や映像表現、多言語対応など、複数の工程を一貫した方針で進めることが大切です。

株式会社ジェー・ピー・シー(JPC)では、インバウンド動画制作に必要な工程をふまえ、企画から撮影・編集、多言語対応、さらには動画を活用したマーケティング支援までをワンストップで提供しています。

ドローン空撮などの多様な撮影手法に加え、多言語字幕やナレーション収録にも対応できる制作環境を備えており、目的に合った高品質な動画をスムーズに制作できます。

インバウンド動画制作をご検討の際は、ぜひお気軽にご相談ください。

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