2026.06.19
周年記念動画の制作事例-実写とイラストで伝える事業の歴史-
今回は、創立130周年を記念して制作した、周年記念動画の制作事例をご紹介します。
周年記念動画は、企業や団体が創立の節目に、これまでの歩みやこれからの想いを伝えるために制作する動画です。文章やパンフレットだけでは伝わりにくい活動の雰囲気も、映像であれば直感的に届けられます。近年は社内外への発信にとどまらず、認知度の向上や人材・ボランティアの募集など、次の行動につなげる目的で活用されるケースも増えています。
本記事では、創立130周年を迎えた団体の周年記念動画を題材に、イラストと実写を組み合わせた制作のポイントをご紹介します。「周年に向けて動画を作りたい」「企業の成長や歴史をまとめた動画を作りたい」とお考えのご担当者様の参考になれば幸いです。
目次
周年記念動画制作の概要
まず、今回の周年記念動画制作の概要をご紹介します。
ご依頼主-福祉団体の支部様-
今回の案件は、創立130周年を迎えた福祉団体の地方支部様からのご依頼です。寄付や災害支援、ボランティア活動などを通じて、地域の人びとを支える活動に取り組まれています。
ご依頼内容-130周年を記念した周年記念動画の制作-
ご依頼いただいたのは、創立130周年を記念した周年記念動画の制作です。これまでの歩みや活動内容に触れながら、団体の認知度を高め、ボランティアスタッフの増加につなげることを目的としていました。
主な掲載先はYouTubeで、制作の途中から地方のテレビCMでの放映も決まりました。老若男女、幅広い層に届けたいというご要望があり、「誰もが、誰かのヒーローに」をメインコピーに、どんな人でも“ちょっとした活動”で困っている人を助けられる、というテーマで構成しています。
周年記念動画制作のポイント-実写とイラストの融合と、親しみやすいアニメーション-
今回の制作で意識したポイントは以下の2点です。
- 実写とイラストを組み合わせた現場の様子を伝える表現
- 真面目なテーマをやわらかく伝えるアニメーション演出
イラストは世界観を統一しやすい一方で、すべてをイラストにすると活動の実感が薄れてしまいます。今回は実際の現場を感じさせたいというご要望があったため、実写とイラストの両方を活かす方針としました。
また、寄付や災害支援というテーマは、伝え方しだいで堅い印象にもなりがちです。幅広い層に親しみを持ってもらうことを目指し、やわらかなアニメーションで動画全体のトーンを整えました。
周年記念動画制作の流れ
ヒアリングと方向性の検討
まず、動画の目的(団体の認知度向上とボランティアの増加)と掲載先(YouTube/テレビCM)を前提に、伝えるべき内容を整理。
「実際の活動現場の雰囲気を感じさせたい」というご要望がありましたが、ご支給いただける写真や映像の素材が限られていたため、イラストを基調とした映像で構成する方向に決定しました。
そのうえで、コピーライターがナレーション原稿と構成案を作成。団体の歩みを振り返るパートから現在の活動へとつなぎ、最後に視聴者自身の行動を促す流れとし、「歴史の紹介」と「これからの参加の呼びかけ」が自然につながるように組み立てています。


イラスト制作
構成に沿ってイラストを制作します。今回はご支給いただいた写真をトレースする形でイラストを起こし、実際の活動の様子をベースにした画づくりを行いました。

人物が動くカットでは、できるだけ細やかにアニメーションさせたいという狙いがありました。そのため、グラフィックデザイナーへ「どのようにレイヤーを分けて描いてほしいか」を事前に共有し、後工程の編集で動きを付けやすい状態を整えました。
尺の設計
イラスト素材がそろったら編集に入ります。はじめに、コピーライターが作成したナレーション原稿をもとに各カットの尺を決め、全体のテンポを設計しました。情報量の多い箇所は表示時間を確保し、流れが不自然に止まらないよう、カットごとの長さを調整しています。
アニメーション制作
尺が固まったら、各カットに細かなアニメーションを加えていきます。
この動画で工夫したのが、写真とイラストをなめらかにつなぐ編集です。冒頭付近で実際の写真からイラストへ自然に切り替えることで、「イラストで描かれている活動も、現実に人が関わり、現場で起きていることだ」と感じてもらえるようにしました。


すべてをイラストにすると現場の実感が薄れ、写真とイラストがはっきり分かれているとイラスト部分の説得力が弱まります。両者をなめらかにつなぐことで、このバランスを整えています。
また、活動に参加した人(災害支援の段ボールを持ち上げる人、寄付をする人など)には、行動と同時にマントが生えてはためく演出を加えました。真面目なテーマでありながらも堅くなりすぎないよう、少しユーモアのあるアニメーションを目指しています。

修正とショート版・テレビCM版への展開
社内および先方のご意見をもとに修正を重ね、まずは通常サイズ(16:9)の動画を仕上げました。その後、短尺のショート版とテレビCM版を並行して制作。
社内にコピーライター・グラフィック・編集の担当がそろっているため、フォーマット違いへの展開もスピーディーに対応できました。テレビCM用のフォーマット変換は専門の制作会社に依頼しましたが、これまでにも連携してきた会社のため、やりとりはスムーズで、早めの納品につながっています。
周年記念動画の完成
完成した動画がこちらです。
実写とイラストがなめらかに溶け合い、団体の歩みと活動が親しみやすく伝わる仕上がりとなりました。古い写真で見せる歩みから現在の活動へと移り、最後はイラストで未来への参加を呼びかける、過去・現在・未来が一本でつながる構成です。
マントの演出をはじめとしたアニメーションがテーマをやわらかく支え、真面目さと親しみやすさが両立した周年記念動画になっています。
周年記念動画の制作で大事な3つのポイント
周年記念動画は、これまでの歩みを振り返りながら、団体や企業の世界観を統一して伝えられるのが強みです。一方で、過去の活動をどう感じさせるか、媒体ごとにどう展開するかによって、完成度が変わってきます。
ここでは、制作時に押さえておきたいポイントを3つご紹介します。
1. 「誰に見せる動画か」を最初に決める
周年記念動画は、社員に見せるのか、顧客や取引先に見せるのか、採用候補者に見せるのかで、響く内容も語り口もまったく変わります。
たとえば社内向けなら、これまでの労いや今後のビジョン共有が軸になり、社外向けなら事業の魅力や信頼感を伝えることが中心になります。
視聴者があいまいなまま作ると、あれもこれもと欲張ってしまい、結局誰の心にも刺さらない動画になりがちです。「誰に・何を感じてほしいか」を最初に固めることで、入れるべき情報と省く情報がはっきりし、その後の判断もぶれなくなります。
2. 歴史は「並べる」のではなく「意味づけ」して見せる
周年記念動画では、創業からの出来事を年表のように時系列で並べてしまいがちです。しかし事実をただ追うだけでは、関係者以外には退屈な記録映像になってしまいます。
大切なのは、これまでの歩みを通して「何を大切にしてきた会社・団体なのか」が伝わるように、出来事に意味を持たせて見せることです。すべての歴史を網羅しようとせず、転機となったエピソードや受け継がれてきた想いに絞ると、ストーリーに芯が生まれます。見る人が「そういう想いでやってきた会社なのか」と感じられると、記憶に残る一本になります。
3. 「過去への感謝」と「未来への姿勢」を両立させる
周年は過去を振り返る機会であると同時に、次の節目へのスタートでもあります。振り返りだけで終わると懐古的な印象になり、逆にこれからの話だけでは節目を祝う意味が薄れてしまいます。
支えてくれた人々への感謝を示しつつ、「だからこれからどこへ向かうのか」という未来への姿勢まで描くと、過去と未来が一本につながり、メッセージに厚みが出ます。とくに社外や次世代に向けて発信する場合は、未来を語る姿勢が見る人の共感や期待を生み、その後の行動の後押しにもなります。
周年記念動画制作まとめ
今回は、創立130周年を迎えた福祉団体の支部様よりご依頼いただいた、周年記念動画の制作事例をご紹介しました。
これまでの活動を感じさせたいというご要望に対し、限られた素材のなかでも、実写とイラストを組み合わせることで、現場のリアルさが伝わる映像にしました。あわせて、親しみやすいアニメーション演出で幅広い層に届く動画に仕上げています。
JPCでは、周年記念動画をはじめ、会社紹介動画や事業紹介動画など、目的や媒体に合わせた映像制作をワンストップで対応しています。社内にコピーライター・グラフィック・編集がそろっているため、YouTube・テレビCM・SNSといった複数フォーマットへの展開もスムーズです。周年記念動画の制作をご検討中の方は、お気軽にお問い合わせください。