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2025.11.21

会社案内パンフレットのデザイン制作のポイントとは?制作事例・依頼先の選び方も紹介

デジタル化が進む現代社会においても、対面商談や展示会などのイベント、採用活動、学校案内、自治体・金融機関との打ち合わせなど、さまざまなビジネスシーンで紙の「会社案内パンフレット」が活用されています。

オンライン資料や動画ツールが普及した現在でも、手に取って見られるパンフレットは、企業の信頼感やブランドイメージを直接伝える重要なコミュニケーションツールです。

多くの企業が「自社のパンフレットにはこだわりたい」と考えていますが、実際の会社案内のデザイン制作は決して簡単ではありません。自社の強みや特徴を簡潔かつ魅力的に伝えるデザイン技術とノウハウ、印刷に関する知識が必要です。

本記事では、会社案内パンフレット制作のポイントや、業界別のおすすめデザインテイスト、さらに制作会社の選び方や費用相場、制作事例についても詳しく紹介します。

会社案内パンフレットの新規作成やリニューアルを検討している方は、ぜひ参考にしてください。

目次

会社案内パンフレットとは

会社案内パンフレットとは、企業の全体像を伝えるための印刷物です。

見込み顧客、採用候補者、取引先、金融機関、メディア、投資家など、さまざまなステークホルダーに対して、自社の理念や事業、製品・サービスをわかりやすく案内する目的で制作します。

会社案内パンフレットとは

沿革や会社概要、事業内容、実績などを体系的にまとめたパンフレットは、読み手に安心感と信頼感を与えます。営業活動や採用イベントなどでも名刺代わりとして配布されるケースが多く、社内外での共有・二次利用にも適しており、マーケティングツールとしての役割も大きいのが特徴です。

会社の「顔」ともいえる会社案内パンフレットは、デザイン・構成・印刷品質などすべてにおいて高い完成度が求められます。
また、一度作成したパンフレットも永続的に使えるものではありません。事業拡大やCI(コーポレート・アイデンティティ)の変更、ブランド戦略の刷新などに応じて、定期的な更新・改訂が必要です。
デザインや内容が古くなってくると、会社全体の印象にも影響するため、ブランディング視点での見直しを心がけましょう。

会社案内パンフレットに掲載する項目

会社案内パンフレットに掲載する項目としては、次のような例が挙げられます。

  • 会社概要・沿革
  • MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)
  • 事業部紹介・組織図
  • 製品紹介・サービス紹介
  • 実績・導入事例
  • 売上推移・中長期ビジョン
  • Webサイト・採用ページへの二次元バーコード

パンフレットの目的や用途、ページ数によっては、これら項目から取捨選択する場合もあります。どのような情報を載せるべきか考えるために、ここでは一般的な掲載内容について詳しく見ていきましょう。

会社概要・沿革

正式社名、所在地、資本金、代表者、拠点数などの基本的な会社概要や、創業から現在までの沿革は、企業の信頼性を示すうえで欠かせない情報です。

なお、紙面スペースが限られるため、沿革に掲載する情報は精査しましょう。創業、法人成り、増資などとあわせて、現在の主要事業と関係の深い出来事に絞って掲載するのがおすすめです。

グラフや年表デザインを取り入れると、より視覚的に伝わりやすくなります。

MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)

企業のスタンスや理念を端的に伝える方法として、近年注目を集めているのがMVV(Mission・Vision・Value)です。

これは、パンフレットデザインにおけるブランディング強化の核となる要素であり、単なるスローガンではなく企業活動の指針を示しています。

MVVの要素意味
Mission(ミッション)「何のために会社を作ったのか」を表すフレーズ企業としての使命や、社会に対する存在意義のこと
Vision(ビジョン)「会社としてどこを目指すのか」を表すフレーズ目指すべき理想像や、中・長期的な目標のこと
Value(バリュー)ミッション・ビジョンの実現に必要な行動目標のこと行動指針・行動基準ともいう

MVVは経営メッセージや代表挨拶と合わせて掲載すると効果的です。
また、MVVは社員のインナーブランディング(組織浸透)ツールとしても有効です。
社員が日常的に目にするパンフレットにMVVを明示しておくことで、企業理念の共有・浸透を促進し、人材育成やチームの一体感向上にもつながります。

事業部紹介・組織図

複数の事業を展開している場合は、自社の全体像を紹介するために、事業部紹介・組織図も掲載するとよいでしょう。

近年は業務領域や部門の垣根を越え、横断的に連携する組織体制の企業も多いですが、そのような強味をステークホルダーにわかりやすく伝えるツールとして、会社案内パンフレットは非常に有効です。

それぞれの事業部のシナジー効果がわかるような構成にすると、より自社ならではの特徴が伝わります。

製品紹介・サービス紹介

会社案内パンフレットにおいて、製品・サービス紹介ページは企業の“実力”を示すコアコンテンツです。 主力製品やサービス、自社の独自技術や開発力などを紹介し、専門性と他社との差別化ポイントを明確に伝えましょう。

ただし、会社案内の目的は“事業全体の理解促進”であるため、あくまで概要レベルの紹介に留めるのが基本です。
詳細なスペックや料金などは、製品・サービス紹介パンフレット、またはWebサイトや動画などで補足する構成がおすすめです。

実績・導入事例

製品紹介・サービス紹介とあわせて、取引実績や導入事例も掲載すると、より信頼感が高まります。具体的な取引先名を掲載できない場合でも、取引業界の一覧や件数、主要プロジェクト事例などを記載することで説得力が増します。

実績として、特許取得や受賞歴(省エネ大賞・製品安全対策優良企業など)を掲載すると信頼性が増します。

売上推移・中長期ビジョン

企業の成長性や将来性を伝えるために、売上推移や中長期ビジョンを掲載するのも効果的です。
右肩上がりの実績や今後の展望をグラフやチャートで可視化すると、投資家・金融機関・求職者などにポジティブな印象を与えられます。

「どのように成長を実現しているのか」「今後の事業方針や新規事業計画は何か」を明確にすることで、企業の信頼性と透明性を高めることができます。

Webサイト・採用ページへの二次元バーコード

会社案内パンフレットはスペースが限られるため、主要な情報をピックアップして掲載することになります。

そのため「さらに詳しく知りたい」という方のために、Webサイト・採用ページなどへの二次元バーコードを掲載しておきましょう。

会社案内パンフレットに掲載する項目

【業種別】会社案内パンフレットのデザイン制作のポイント

ここまでは汎用的な掲載内容を紹介してきましたが、会社案内パンフレットのデザイン制作では、業種や事業内容によってアピールすべき情報・デザインテイスト・構成が大きく異なります。

ここからは、各業界ごとに最適なパンフレット制作のポイントとデザインの方向性を紹介しますので、参考にしてみてください。

製造業

製造業の場合、技術力や品質管理体制を軸としたデザインがおすすめです。工場の規模や場所、主要設備リスト、生産能力、技術情報、ISOの取得情報などを掲載しておくと、会社の強みをわかりやすくアピールできます。また、工場内の写真などを掲載すると、より説得力が増すでしょう。

デザインテイストは、信頼感や最新の技術力をアピールしたい場合はシックなデザイン、親身な顧客対応力を訴求したい場合は、人の表情やチームワークを感じさせる写真中心のデザインも定番です。アピールしたい強みや、読み手に感じてもらいたい印象によってテイストの方向性は異なるため、デザイナーと相談してみてください。

建設業・不動産業

建設業・不動産業の会社案内パンフレットは、信頼性・安心感を訴求することが大切です。基盤のしっかりした会社であることをアピールするために、これまでの施工実績・販売実績、主要取引先、取引銀行などの情報を掲載するといいでしょう。

建設業の場合は、公共工事や大型プロジェクトの事例紹介を入れると高い信頼感が生まれます。

不動産業の会社案内パンフレットにはオーナーの声など、口コミ情報を載せておくと安心感があります。

高額な商品を取り扱う不動産業の場合は、フォーマルで落ち着いたトーンが適しています。工務店やハウスメーカーなら施工写真を取り入れたデザインや、親しみを感じてもらえるようポップなデザインにしてもよいでしょう。

物流・運送業

物流・運送業の会社案内パンフレットでは、自社のネットワーク力・対応力・輸送体制を可視化することが大切です。

主な掲載内容としては、保有車両・配送拠点マップ・路線便の概要、倉庫業も展開している場合は倉庫規模・温湿度管理体制などが挙げられます。

また、3PL(サードパーティ・ロジスティクス)を提供している場合は、サプライチェーンの効率化実績などを掲載すると強みが際立ちます。

デザインテイストは、スピード感・機動力・全国ネットワークを想起させるようなスタイリッシュなレイアウトと配色がおすすめです。

地図やフロー図などの図解デザインを取り入れると視覚的理解を促進できます。

福祉施設・医療施設

福祉施設・医療機関向けパンフレットでは、清潔感・安心感・誠実さを第一にデザインします。

福祉施設のパンフレットには、設備やサービス内容はもちろん、在籍している資格者数、提携医療機関の情報なども掲載すると良いでしょう。実際に施設を利用している方々の写真も掲載すると、より共感を呼ぶデザインになります。

医療施設の場合は、診療科・組織体制・医療方針・院長メッセージなどを中心に構成し、院内写真やスタッフ写真を掲載することで信頼感が高まります。

デザインテイストは、クリーンで落ち着いた色調を基調に、温かみや親しみを感じさせるデザインを心がけましょう。

ヘルスケア・食品

身体に入れる商品を扱うヘルスケア・食品業界の会社案内パンフレットでは、製品の安全性や品質管理体制を伝えることが重要です。


会社概要に加えて、独自の製法・成分・衛生管理体制・HACCP対応・サプライチェーンのトレーサビリティなどを掲載すると、消費者や取引先に安心感を与えられます。

テイストは、健康・ナチュラル・フレッシュさを感じさせる色彩を取り入れたり、消費者や食卓の写真を配置して温かみを伝えるデザインがおすすめです。

商社・卸売業

商社・卸売業の会社案内パンフレットでは、取引ネットワークと対応スピードの可視化がポイントです。

特に専門商社では、サプライチェーンの独自性・取扱製品の幅・業界実績・海外パートナーとの連携事例などを盛り込み、専門性と信頼性を強調しましょう。

また、営業力・提案力・迅速な対応体制など、顧客満足に直結する要素を大きく取り上げることも効果的です。

BtoBである特性上、スタイリッシュなデザインやシックなデザインでまとめるのがおすすめです。ただし、自社のカラーやブランディングなど、読み手に伝えたい印象と併せて検討しましょう。

IT・情報システム

IT・情報システム分野の会社案内パンフレットは、自社が提供する技術やソリューションをわかりやすく説明することがポイントです。専門的・抽象的なサービス内容を直感的に理解してもらうために、システム構成やフローを図解するなど表現方法を工夫しましょう。

同時に、導入実績や在籍する資格者、セキュリティ認証の取得状況などを掲載し、技術的な強味をアピールします。

モダンで先進的なデザイン・ブルー系のカラートーンが定番。情報をただ羅列するだけでは堅すぎるイメージになってしまうため、上手にビジュアルやイラストなどを取り入れることが重要です。

IT技術やソリューションをわかりやすくイラスト化

会社案内パンフレットの制作費用相場

会社案内パンフレットの制作費用は、「デザイン費」「印刷費」の2つに大別され、それぞれ次のような要素で変動します。

デザイン費印刷費
形状(サイズ,ページ数)
色数構成案(有/無)
原稿(有/無)
素材(有/無)
形状(サイズ,ページ数)
色数構成案(有/無)
原稿(有/無)
素材(有/無)

とくに費用に最も影響を与えるのが「ページ数」です。
ページ数が多いほど情報量は増えますが、1ページごとにデザイン費用が発生するため、コストは高くなります。
一般的なデザイン費の相場は1ページあたり2〜5万円前後が目安ですが、構成の複雑さや撮影・コピーライティングの有無によっても変動します。

ページ数が増える場合は、セット料金やボリュームディスカウントを提案してくれる制作会社もあります。見積り時には、デザイン・印刷・納品・修正対応を含めた総額費用で確認しましょう。

会社案内パンフレットで最も一般的な印刷仕様は「A4サイズの中綴じ冊子」です。なお、印刷の仕組み上、ページ数は基本的に「4の倍数」しか選べません。会社案内パンフレットは、8ページ、16ページ、24ページのいずれかで制作するケースが多いです。

ポケットフォルダ形式(資料を差し込めるタイプ)や、名刺が入るスリット加工を施したパンフレットも人気です。

これらの加工は営業ツールや採用資料との併用にも適しており、ブランディング強化にもつながります。

また、印刷費は、「ページ数」「紙の種類」「部数」によって大きく変動します。一口にパンフレット用の印刷用紙といっても、高級感のある厚めの紙もあれば、発色のいい光沢のある紙、手触りのいい紙など、さまざまな種類があるので、紙面のイメージや予算に合わせて選択しましょう。

このように、さまざまな要素で会社案内パンフレットの制作費用は変わりますが、一例として1,000部印刷するときの相場を紹介します。

主な仕様デザイン費印刷費
A4×8ページ中綴じ16~40万円9万円~
A4×16ページ中綴じ32~80万円12万円~
A4×24ページ中綴じ43~120万円22万円~

会社案内パンフレット制作の依頼先

さて、会社案内パンフレットのデザインを制作する方法としては、次の4パターンが挙げられます。

  • 自社でテンプレート使用して内製する
  • 印刷会社に依頼する
  • 制作会社に依頼する
  • フリーランスやクラウドソーシング(副業人材)に依頼する

それぞれの依頼先ごとの特徴や、メリット・デメリットについても見ていきましょう。

自社でテンプレート使用して内製する

ネット上のデザインテンプレートなどを使用すれば、会社案内パンフレットを内製することも可能でしょう。デザインを内製すればコストを抑えられますし、軽微な修正にすぐ対応できる点もメリットといえます。

しかし、テンプレートを使う以上、他の会社と似通ったパンフレットになってしまうことは否めません。また、色彩やフォントなど、デザイン全体のバランスを取ることは簡単ではなく、どうしても素人感のあるデザインになりやすい点がデメリットといえるでしょう。

さらに、パンフレットデザインに慣れていない方が制作した場合、印刷業者とのやりとりや入稿時に、ミスやトラブルが発生するリスクもあります。印刷後は修正できないことを考えると、やはりデザインから印刷までプロに任せるのが安心でしょう。

制作会社に依頼する

マーケティングツールとして活用できるクオリティと戦略性を重視する場合は、プロの制作会社に依頼するのが最もおすすめです。

制作会社の最大の強みは、企画構成からデザイン、印刷までワンストップで任せられる総合力です。

デザイナー・コピーライター・撮影クルーなど、プロの制作スタッフが連携し、紙面のレイアウトデザインはもちろん、イラストなどの素材制作やキャッチコピーも含めた幅広い提案をしてもらえます。実績豊富な制作会社は、ブランディング・マーケティングの視点を持って会社案内パンフレットを制作するため、他社と差別化されたオリジナルデザインを実現できます。

さらに、印刷業者と提携している制作会社であれば、製本・配送までワンストップで任せることも可能です。

印刷前のデザインデータを複数人でチェックできる点もポイントです。品質管理の観点から考えても、やはりプロの制作会社に依頼するのが安心です。

印刷会社に依頼する

パンフレットの作成というと、印刷会社を思い浮かべる人も多いでしょう。印刷会社内部にデザイナーやオペレーターがいる場合には、会社案内パンフレットをデザイン制作から依頼できる場合があります。

印刷会社の強みは、印刷コストが削減しやすいことです。

印刷や製本の設備を自社保有している場合、低コストで印刷でき、特に大部数の印刷の際にメリットが大きくなります。

反面、「コンセプトづくり」やブランディング視点での提案が苦手な印刷会社も少なくありません。そのため、会社案内パンフレットの内容や要件定義については、発注側がある程度しっかり考えておく必要があります。

また、社内にデザイナーや撮影スタッフがいない印刷会社では、デザイン作業を外注していることもあります。その場合、印刷は安くできてもデザイン制作費用がかさんでしまうことがあるため、トータル面では難があると言えます。

印刷会社に依頼する場合は、必要な提案やサポートが受けられるかどうかを見極めて、検討するようにしましょう。

フリーランス・クラウドソーシング(副業人材)に依頼する

フリーランスデザイナーに依頼すれば、比較的リーズナブルにデザインを制作できることもあります。昨今はクラウドソーシングを通じて副業人材にデザイン制作を発注することも可能です。

ただし、個人のスキルや実績の見極めが難しく、品質のばらつきが大きい点には注意が必要です。

また、フリーランスや副業人材はあくまでデザイン制作のみの発注で、印刷まで一貫して依頼ができないことが多いのもデメリットの一つです。その場合、納品フォーマットの管理や、印刷前の文字校正やチェック作業、色校正の手配もすべて発注側の責任で行わなければなりません。

プロの制作会社に依頼する場合と比べると、発注側の負担が大きいことは留意しておきましょう。

色校正

印刷物の仕上がりを事前に確認し、イメージ通りの色になっているかをチェックする作業

実際の仕上がりを予測するための試し刷りを行い、必要に応じて色味の調整を行います。

会社案内パンフレット制作の流れ

会社案内パンフレット作成の流れは、おおむね次のとおりです。

  1. 企画・構成
  2. ワイヤーフレーム作成
  3. 原稿作成・コピーライティング
  4. 写真撮影・素材準備
  5. デザイン制作
  6. 校正
  7. 印刷・製本

それぞれの工程について、詳しく解説します。

1.企画・構成

まずは、どのような構成の会社案内パンフレットを制作するのか、要件を定義していきます。検討すべきポイントは、次のとおりです

  • 活用目的(営業・展示会・採用・IRなど)
  • 想定配布先と使用シーン
  • ページ数・サイズ感
  • 紙質・加工仕様
  • 使用期間(短期イベント用、長期ブランディングツールなど)

会社案内パンフレットの使用方法としては、商談時の補助ツール、展示会や採用イベントでの配布、商品への同梱などさまざま考えられます。

たとえば、営業活動で使う場合は営業スタッフの説明を補完する構成が効果的です。展示会や採用イベントで配布する場合は、競合他社との差別化ポイントを強調した企画構成が適しています。商品同梱用なら、ブランドイメージを強化するビジュアル中心のデザインが望ましいでしょう。

このような主たる活用シーン・目的を決めたら、それにふさわしいページ数・サイズを検討します。たとえば、商談時に使うならA4×24ページで必要な情報量を確保したパンフレット、展示会や採用イベントで配布するなら持ち帰りやすいようA5×8ページなど、情報量と携帯性を考慮するのがおすすめです。

また、パンフレットは「紙の材質」によって印象が大きく左右されます。マット紙で落ち着いた高級感を出す、コート紙で発色を強調するなど、ブランドイメージに沿った用紙選定が大切です。候補の紙や印刷サンプルを実際に目で見て、触って選んでみてください。

さらに、制作物の使用期間も考慮しておくと良いでしょう。毎年リニューアルするのか、数年単位で使用するのかによって印刷部数が変わります。再印刷時の管理を容易にするため、印行(いんこう)を入れておくのがおすすめです。

印行(いんこう)

印刷物の欄外などに小さく記載する、印刷に関する情報のこと

いつ印刷されたものなのか・版(バージョン)・印刷部数などを記載しておくことで、在庫管理や次回の発注時に役立ちます

2.ワイヤーフレーム作成

つづいて企画案をもとに、ワイヤーフレームを作成します。ワイヤーフレームとは、パンフレットの設計図のようなものです。デザイナーやディレクターが、企画内容をもとにページ構成・原稿や写真のレイアウト・情報量のバランスを整理します。

同時に、全体のトーン&マナーや書体、メインカラーなど、デザインのベースとなることも検討します。

後工程はワイヤーフレームをもとに進めるため、大幅な変更がある場合は、この工程までに共有しましょう。

3.原稿作成・コピーライティング

ワイヤーフレームが固まったら、原稿作成の工程に進みます。既存のホームページや旧版パンフレットの文章を流用しても構いませんが、紙媒体では表現方法や文字量の最適化が必要です。

特に、キャッチコピーや見出しのコピーライティングは重要な要素です。限られた紙面で情報を伝えるためには、クリアで簡潔なキャッチコピーが不可欠なためです。必要に応じて、ライターやコピーライターをアサインするのも有効です。

4.写真撮影・素材準備

会社案内パンフレットに掲載する写真素材は、コーポレートサイト等から流用すればよいと思っている方もいるかもしれません。しかし実は、印刷物に掲載する画像は、Webサイトに掲載する画像よりも高い解像度が必要です。

会社案内パンフレットに掲載する写真は、印刷品質に直結します。可能であれば、あらためて写真撮影をするのがおすすめです。

また、イラストやアイコンなども高解像度のデータが必要なので、Web用のデータしかない場合は、あらためて制作しましょう。

なお、コーポレートロゴのデータや、過去に撮影した写真など、支給できる素材は積極的にデザイナーへ共有すると効率的です。

5.デザイン制作

原稿・キャッチコピー・写真などの各種素材がそろったら、いよいよデザイン工程です。

ワイヤーフレームをベースに、デザイナーがレイアウト・配色・フォント・写真配置・ビジュアル表現を整えていきます。

ページ数が多い場合は一気に全ページ完成させるのではなく、段階的に確認・修正しながらデザインを進めていくこともあるため、具体的な進め方はデザイナーと相談してみてください。

6.校正

すべてのデザインが完成したら、校正作業です。印刷前の最後の確認作業になるため、誤字や誤植がないかなどを注意深く確認します。

軽微な文字修正や緊急の情報差し替えなどは、この工程でも対応してもらえます。

7.印刷・製本

デザインが確定したら、印刷・製本工程です。印刷仕様(紙の種類・加工・部数)や納期を確認し、色校正サンプルで仕上がりをチェックしましょう。

納品されたデザインデータを使い、自社で印刷会社へ発注することも可能ですし、デザイン制作会社へ印刷まで依頼することもできます。

会社案内パンフレットのデザイン制作を成功させる5つのコツ

ここまで紹介した点をふまえ、会社案内パンフレットのデザイン制作を成功させるコツとして、次の5つが挙げられます。

  • 目的とターゲットを明確にする
  • 情報を整理して構成を最適化する
  • デザインとトーンを統一する
  • 配布形式に合わせて印象設計にこだわる
  • 企画力のある制作会社に依頼する

それぞれのコツについて、詳しく見ていきましょう。

1.目的とターゲットを明確にする

会社案内パンフレットもマーケティングツールの一種である以上、目的とターゲットを明確にしてからデザインすることが重要です。読者が知りたい情報、配布シーンなどを思い浮かべ、どのような情報が必要か洗い出しましょう。

目的とターゲットが定まると、デザイナーやディレクターが提案すべき構成・ビジュアル・トーンを判断しやすくなります。結果として、質の高い提案や説得力のあるデザインにつながります。

2.情報を整理して構成を最適化する

パンフレットやページ数・ページの大きさが限られるため、載せたい情報を全て詰め込むのではなく、伝える順序と強弱を設計して「読まれる構成」にすることが重要です。

読み手視点で“情報設計”を行う必要があるため、デザイナーはもちろん、ディレクターとも相談して構成を決めましょう。

「デザイン性」だけでなく、「伝わりやすさ」「読みやすさ」を意識したユーザー視点のレイアウト構成が成功の鍵です。

3.デザインとトーンを統一する

会社案内パンフレット全体に統一感を持たせることは、企業の信頼性やブランド価値の表現につながります。

コーポレートカラー・ロゴ・フォント・写真トーンなどを一貫させることで、パンフレット全体が調和し、ブランディングとしての完成度も高まります。

制作過程で一部ページのデザインを変更する場合でも、全体のトーン&マナーが崩れないかをデザイナーに確認しましょう。

4.配布形式に合わせて印象設計にこだわる

会社案内パンフレットは紙媒体として配布するだけでなく、PDFデータや電子カタログとしてWeb状で閲覧されるなど、さまざまな形式で利用されます。

それぞれの特性を活かせるよう、紙で配布するときの質感や印刷仕上げ、デジタル配布するときの視認性など、複数の観点で設計することも意識するといいでしょう。

5.企画力のある制作会社に依頼する

ここまで紹介したとおり、会社案内パンフレットの制作で意識すべきことは多岐にわたります。そして、パンフレットは簡単には作り替えられないため、長期に渡って使えるクオリティで制作しなければなりません。

内製したりフリーランスへ依頼したりするのも選択肢の一つですが、クオリティと運用性を重視するなら、経験豊富な制作会社に依頼するのが最も確実です。

JPCはさまざまな業種・業界の会社案内パンフレットの制作実績があり、企画・コピーライティングからデザイン、印刷までワンストップで承ります。印刷に関する知見も豊富なので、情報更新しやすい形状や、コスト削減の方法などもご提案いたします。

JPCのカタログ・パンフレット制作サービス詳細はこちら

会社案内パンフレットのデザイン制作実績

それでは最後に、JPCがデザイン制作した会社案内パンフレットの事例をご紹介します。

会社案内パンフレットの実績一覧はこちら

スポーツ・ヘルスケアメーカーの会社案内パンフレット

こちらは、スポーツ・ヘルスケアメーカーの会社紹介パンフレットです。

スポーツ関連商品・健康食品・化粧品・医療機器・サロン運営など、幅広い事業を展開する企業の2025年度版パンフレットです。掲載する商品画像の撮影から携わり、商談・採用・IR活動などオールマイティに活用できるよう、目的やターゲティングを意識したデザインで制作しました。海外拠点用に英語版のデジタルパンフレットも展開しています。

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建設会社の会社案内パンフレット

こちらは建設会社のパイル事業の会社紹介パンフレットです。

展示会で配布することが目的であったため、手に取りやすいポップな親しみのあるデザインに仕上げました。ブースデザインとの統一感も意識し、企業ロゴのオレンジカラーが印象に残るよう工夫しています。営業担当者が説明しやすい・使いやすいよう、サービスの流れをわかりやすくレイアウトしていることもポイントです。

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空間施工企業の会社案内パンフレット

こちらは空間施工企業の会社案内パンフレットリニューアル事例です。

既存のパンフレットに新サービスの情報などを追加しアップデート。理念・事業案内・SDGsなどの情報を、16ページにまとめています。シンプルながら洗練されたイメージになるようデザインしており、施工実績の写真がしっかり見えるようトリミングにも配慮しています。様々な場面で活用いただけるPPT版も、同時に納品させていただきました。

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精密機械製造メーカーの会社案内パンフレット

こちらは精密機械・ロボット製造メーカーの採用向け会社案内パンフレットです。

新卒採用を目的に制作された会社案内パンフレットです。会社の事業内容や取り組みを、専門知識のない学生ターゲットにも直感的に伝えるため、ビジュアルやインフォグラフィックを多く取り入れているのが特徴です。クリーンで爽やかなトーンで統一感のあるデザインを目指しました。

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医療機器製造メーカーの会社案内パンフレット

こちらは医療機器製造メーカーの会社案内パンフレットです。

2023年に設立された、医療機器の開発・設計・調達・製造を行う新会社のパンフレットです。サービス内容や魅力をわかりやすく伝えるため、実写やアイコンを取り入れて、営業ツールとしても使いやすいようデザインしています。他社との差別化も意識し、コーポレートカラーでデザインしていることもポイントです。

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アパレルメーカーの会社案内パンフレット

鞄メーカー様の会社案内パンフレットの制作事例です。

ビジュアルを大胆に使った、シンプルながらも目を引くデザインです。 画像素材は商品の素材感・立体感などを表現するために、ライティングにこだわってスタジオで撮影しています。繊細なフォントや余白感のあるレイアウトで、アパレルメーカーならではの、商品のブランドカタログのような会社案内パンフレットに仕立てました。

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まとめ

会社案内パンフレットに掲載すべき情報は多岐にわたります。
しかし、紙面やページ数には限りがあるため、目的や配布シーンに応じて情報を取捨選択し、読み手に伝わりやすい構成とデザイン設計を行うことが大切です。

また、単に“おしゃれ”なデザインに仕上げるのではなく、自社のブランドイメージや企業理念が直感的に伝わる表現を意識しましょう。
パンフレットは一度制作すると長期間使われるツールであり、企業の信頼や印象を左右する重要なブランディング要素です。

JPCではこれまで数多くの会社案内パンフレットを制作してきた実績をふまえ、目的や使用シーンに合わせた最適なデザインをご提案いたします。成果の出る会社案内パンフレットをデザインしたい方は、ぜひお気軽にご相談ください。






            

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