2025.09.04
飲料メーカーの店頭ポスターデザイン制作事例 – 多面的な魅力を視覚的に表現する

今回は、東京都渋谷区に本社を構える飲料メーカー様の店頭ポスター制作事例をご紹介します。
新商品が数多く並ぶ売場では、お客様が商品を目にするのはほんの一瞬です。その短い時間で「どんな特徴を持つ商品なのか」を直感的に伝えられるかどうかが、購買につながる大きな分かれ道となります。とくに店頭ポスターは、商品の魅力を端的にまとめ、ひと目で理解させる役割を担う重要なツールです。
本記事では飲料メーカー様よりご依頼いただいた、新商品PR用の店頭ポスターデザインと、展開したECサイト用のバナーデザインもあわせてご紹介いたします。
飲料業界や食品業界などの企業で、販促を検討されているマーケティング・販促担当者様の参考になれば幸いです。
目次
店頭ポスターデザイン制作の概要
まず、今回の店頭ポスターデザイン制作の概要についてご紹介いたします。
ご依頼主-東京の飲料メーカー様-
今回の案件は、東京都渋谷区に本社を構える大手飲料メーカー様からご依頼いただきました。
日本全国で親しまれているお茶を主力商品とし、コーヒーや紅茶も展開されています。これまでも当社では、同社のコーヒーブランドを中心に多くの販促物をお任せいただいており、長年のパートナーシップを築いています。
ご依頼内容-店頭販促用ポスターのデザイン制作–
ご依頼いただいたのは、新製品の販促用ポスター(A3サイズ)とEC用バナーの制作です。
「爽やかなヨーグルトの酸味と、フルーツやソフトクリームのやさしい甘さを掛け合わせた新感覚乳製品飲料」という多面的な特長をもつ新感覚乳製品飲料です。
デザイン制作におけるポイント-多面的な魅力を整理して伝えるデザイン-
店頭での販促用ポスターと、ECモールや自社サイト内で掲載するバナー広告は、どちらも購買導線に直結する重要な役割を担うため、売場でもスマホ画面でも一目で理解できるように伝えることが今回の大きな目的となりました。
とくに重視されたのは、以下のポイントです。
- 新感覚乳製品飲料の多面的な魅力を一目で伝えるデザイン
- ターゲットはスーパーやドラッグストアを日常的に利用する“30〜50代の主婦層”
- 忙しい日常の中で手軽に取り入れられる “おやつ+栄養補給” という価値の提案
これらのポイントを的確に伝えるために、デザイン面でも工夫を凝らしました。
店頭ポスターデザイン制作の流れ
ヒアリング
まずは初回打ち合わせにて、商品の味の構成やブランド背景、店頭での展開予定などについて細やかなヒアリングを実施しました。
とくに印象的だったのは、「冷やしてそのまま」「凍らせてアイス感覚」の2WAYで楽しめる飲用スタイルです。この多面的な魅力を視覚的にどう表現するかが、ポスターデザイン提案における大きなテーマとなりました。
ポスターデザインの提案
ヒアリングの内容をもとに、デザインの提案を行いました。
デザインのポイントは以下の4点です。
- 親しみを感じさせるキャラクターの活用
パッケージのキャラクターをポスター中央に配置し、温かみのあるタッチで安心感を演出することで、商品の第一印象を高め、覚えてもらいやすい構成をご提案しました。 - 使用シーンを想起させるコピー
「おうちで凍らせてもおいしい!」など具体的な提案を添え、購買後の楽しみが想像できるようにしました。 - 味の違いが直感的に伝わる配色設計
ぶどう風味にはやさしいラベンダーカラー、ヨーグルトソフトクリーム風味には清潔感のあるライトブルーを採用し、フレーバーごとの世界観をわかりやすく整理しました。 - AIを用いたスイーツらしいシズル感の表現
既存素材に加えてAI生成ビジュアルを活用し、通常の撮影では表現しにくい「とろける口あたり」や「やさしい甘さ」を再現し、購買意欲を高めるビジュアルとして提案しました。

ポスターデザインの完成
提案した素材をポスターデザインへ反映します。
全体のアートディレクションでは、既存のブランド資産との整合性を大切にしつつ、キャラクターやロゴ、色調の扱いにも細心の注意を払い、味ごとの世界観の差別化を図りました。
完成したポスターデザインがこちらです。

シンプルでありながら記憶に残るポスターが完成しました。また、冷蔵売場やドリンクコーナーといった競合商品の多い棚でも埋もれないよう、背景と商品カラーのバランスを調整し、売場での“映え”にも配慮しています。
ECバナーデザイン
ポスターをキービジュアルとして、ECサイトやスマホ用のバナーにも展開しました。
完成したバナーデザインがこちらです。

視認性と可読性を重視し、余白を確保しながら情報を整理することで、ECサイトやスマ-トフォンの画面上でも見やすいレイアウトを実現しています。
さらに、コピーとビジュアルのバランスを調整しました。デザイン面積が小さくなった分、「おうちで凍らせてもおいしいよ」をバナーでは外し、代わりにKVで小さくしていた「クリーミー食感の乳酸菌デザート!」を目立たせました。
強調するコピーを変えるだけでも、ポスターとバナーで商品への第一印象が変化します。バナーでは「これまでにない新しいスイーツ商品」としての印象が強くなり、SNSやECモールにおいても“スクロール中に思わず目が留まる”ような視覚的インパクトにつながっているかと思います。
多面的な魅力をわかりやすく伝える販促デザインのコツ
今回の事例のように、商品の特長が複数あり「どれも魅力的だから全部伝えたい」と考えるケースは少なくありません。しかし情報を詰め込みすぎると、結局どのポイントも伝わらず、印象がぼやけてしまうリスクがあります。店頭ポスターやECバナーのように限られたスペースで効果的に多面的な魅力を伝えるには、要素の整理と見せ方の工夫が欠かせません。
本章では、多面的な魅力を持つ商品を訴求する際に役立つ3つのデザインの工夫をご紹介します。
1. 特長を絞り込み、優先順位をつける
複数の特長をそのまま並べても、見る人には印象が残りません。まずは「絶対に伝えたいポイント」を3つ程度に絞り込み、優先順位をつけることが大切です。強調したい情報を中心に配置し、それ以外は補足的に扱うことで、全体に整理された印象を与えることができます。
2. 視覚とコピーを役割分担させる
「味」「質感」など感覚的な要素はビジュアルで、「使用方法」や「楽しみ方」といった具体的な説明はコピーで補足する、といったように役割を分担すると情報が整理されます。すべてをビジュアルで説明しようとせず、コピーとの掛け合わせで訴求することで、直感的にも論理的にも理解しやすい構成が可能になります。
3. 媒体ごとに情報の粒度を変える
同じ商品でも、店頭とオンラインでは求められる情報の「粒度」が異なります。ポスターでは、売場を通りかかった一瞬で「どんな商品か」が直感的に伝わることが最優先です。そのため、詳細な説明よりもインパクトのあるビジュアルやキャッチコピーに絞り込む方が効果的です。
一方、ECバナーや商品ページでは「実際に購入しても大丈夫か」という不安を解消するための情報が欠かせません。飲用シーンや栄養成分、アレンジ方法などを補足することで、購買行動を後押しできます。
このように、媒体ごとに情報の粒度や伝え方を調整することで、商品が持つ多面的な魅力を過不足なく届けられるだけでなく、どのタッチポイントでも一貫したブランド体験を提供することが可能になります。
店頭ポスターデザイン制作まとめ
今回は、新感覚乳製品飲料の販促ポスターとバナーデザイン制作についてご紹介しました。
商品の多面的な魅力をいかに一目で伝えるかを課題とし、親しみやすさと情報整理を両立させたデザインをご提案しました。結果として、店頭でもECでもわかりやすく商品の魅力が伝わるビジュアルを実現することができました。
JPCでは、このように複数の特長を持つ商品の販促ツールにおいても、媒体特性に合わせたわかりやすいデザインをご提案しています。ポスターやバナー制作はもちろん、オンラインとオフラインを組み合わせたプロモーションのご相談も承ります。ぜひお気軽にご相談ください。
ポスターのデザイン制作について詳しくは、こちらのページもご覧ください。
