2024.09.05
販売店向け商品パンフレット制作事例-アイスコーヒーを引き立てる夏デザイン
商品パンフレットと聞くと、「エンドユーザー向けのカタログ」を思い浮かべる方が大半ではないでしょうか。
しかし、商品のパンフレットはさまざまなシーンで活用され、読者はエンドユーザーだけではありません。
今回は、販売店様に向けた、商品パンフレットの制作事例をご紹介します。販売店様向けの商品パンフレットでは、商品そのものの訴求ではなく、売上アップのご提案や、売り場の展開方法の提案を掲載していきます。
春夏の商品を紹介するにあたって、「夏にアイスコーヒーが飲みたくなるイメージ」の制作にも力を入れて対応しました。
ぜひこれから販売店様向けの商品パンフレット制作を予定されている方は、最後までお読みいただき、参考にしてください。
目次
販売店向け商品パンフレットのデザイン制作の概要
まず、今回の販売店向け商品パンフレット制作の概要について、ご紹介いたします。
ご依頼主-東京の飲料メーカー様-
今回の案件は、東京都渋谷区に本社を構える飲料メーカー様からご依頼いただきました。
この企業様は、日本全国で愛されているお茶を主力商品として販売し、コーヒー部門のブランドも展開されています。
これまでも、主にコーヒー部門のあらゆる販促物をご依頼いただき、店頭販促からWebサイト制作まで、幅広く対応してまいりました。
ご依頼内容-販売店向け夏商品紹介パンフレット-
今回は小売業者へ商談を行う際に、商品をお店で扱って貰えるように魅力を伝えるためのパンフレットを制作いたしました。
前回の秋冬シーズンにも同様の依頼をいただいており、今回は春夏の商品を掲載するパンフレットとなるので、夏らしいデザインを意識して仕上げました。売り場での展開方法なども伝えることで、お店に商品を置きたくなる構成です。
デザイン制作時のポイント-夏らしいビジュアル制作-
お客様からいただきましたご要望のポイントは、下記の5点です。
- メインコピーである「夏Enjoy Tully’s」を視覚的に訴求すること。
- アイスコーヒーが飲みたくなるデザインであること。
- ビジュアルの条件としては、ボトル缶ブラック・キリマンジャロを主役に
キンキンに冷えたグラスに入ったアイスコーヒーでシズル感を演出すること。 - お客様(読者となる販売店様)にも伝わりやすい構成とすること。
- 売り場展開の提案を明確にすること。
中面の構成は、ある程度前回の骨子があるため、表紙となる夏イメージのビジュアル制作に注力して制作を進めました。次章より、ビジュアル制作を中心に、制作の流れをお伝えします。
販売店向け商品パンフレットのデザイン制作の流れ
デザイン制作は、表紙イメージの提案からスタートし、内容が固まったら実際に撮影を進めました。その後、表紙のビジュアルが完成したら、カタログの中面のデザインを進めました。
夏を感じる表紙デザインのご提案
初めにとりかかったのは、表紙となるメインビジュアルのイメージ提案です。
ご依頼の際に、先方からもイメージ画像をいただいておりました。その画像のイメージは、夏らしい青空のもとに商品が目立つように置かれているものだったので、その希望を汲み取りつつ、この商品の良さが伝わるように意識して制作しました。一番伝えたい「夏Enjoy Tully’s」を大きく配置し、「夏」の手書き文字を細く、斜めにすることで勢いを出しつつ爽やかな印象を目指しました。
提案したのはこちらの5案です。
商品たちの背景に彩度の高めな水色を使用することで、カラッと晴れた夏らしさを演出しました。
また、商品が黒や茶色なので、コントラストで商品を引き立たせる効果も狙っています。商品を大きく配置することでパッと目をひくインパクトのあるデザインにしました。
それぞれの案で方向性は守りつつ、先方の理想のイメージに近づけるよう提案いたしました。
先方にご確認いただいた末、今回のデザインは、白い板を活用したシンプルな案に決定しました。
このデザインをもとに、撮影日までに実際どのように撮影するかカメラマンと打ち合わせをしたり、コップや氷の手配などの事前準備を行いました。
表紙用のビジュアル撮影
撮影は、弊社の自社スタジオ「ワンストップスタジオ東京」にて、半日かけて行いました。
コップは、中身をしっかり見せることを心がけ、柄や凹凸がないシンプルなグラスを用意しました。また、グラスの中の氷は、人工のアクリルアイスと実際の氷の2種類を持っていき、撮影現場でどちらが良いかを試しました。さらに、グラスのみずみずしさを演出するために、霧吹きのスプレーも準備しました。
人工のアクリルアイスは、溶けないので撮影しやすいという利点があります。しかし撮影で2種の氷を比較してみると、アクリルアイスよりも実際の氷の方が光の通り方が自然で美味しそうに見えたので実際の氷を採用しました。撮影で立ち会った方全員が、実際の氷の方が美味しそうだと満場一致したことに驚きました。食べ物や飲み物は実際口に入れるものなので、本能的に自然のものに惹かれるのかなと気づき、学びになりました。
また、グラスに水滴をつけるスプレーは、ただの水では水滴が垂れてしまうので、少し粘度のある水を吹きかけています。粘度がある影響でスプレーが詰まってしまうというトラブルもあり、少し苦労しました。
アクセントに置いたコーヒー豆も、小さいながら少し動かすだけで見栄えに大きく影響し、ちょうど良い場所を探るために試行錯誤しながらの撮影となりました。
ライティングは、弱めのライトから強いライトまで色々試し、最終的に夏っぽさを演出するためにしっかり影が落ちるくらいの、パキッとした強めのライティングで撮影しました。撮影はライティングによってかなり印象が変わります。
その後、撮影画像の小さなゴミ取りや製品の色味調整、撮影時どうしても製品とかぶってしまう影消しなどのレタッチ作業を行いました。そして、提案時のデザインにはめ込んで最終調整をして、完成した表紙のデザインは、こちらです。
この表紙のデザインをそのまま活かし、A3のポスターも制作しました。
中面のデザイン制作をして完成
表紙が完成したら、中面のデザイン制作を進めていきます。
レイアウトは、秋冬版のリーフレットを制作していたので、大まかには同じ構成の春夏版として、スムーズに進行しました。
A3二つ折りで、主にタリーズコーヒーで販売される新商品や春夏向けの商品を紹介しています。
支給いただいた原稿から情報を整理し、見やすさを重視しました。
デザイン的には春夏らしい色使いを意識して制作しました。
完成した中面のデザインはこちらです。
H4のデザインはこちらです。
販売店様向けなので、大きな装飾はあえて施さず、シンプルなレイアウトにしています。定番商品の紹介に加えて、季節の新商品紹介や、キャンペーンの予告と合わせて売り場での展開方法を紹介することで、お店で商品を取り扱いたいと思っていただける内容を掲載しています。
夏らしいデザインで、私も作りながらアイスコーヒーが飲みたくなる制作でした。
撮影時には、良いカットが撮影できたと先方からもご好評いただきました。
撮影現場で、より良いものを作るために手間を惜しまず試行錯誤した結果、提案時のものよりもグッと魅力が増したカットを撮影できました。
先方の希望も汲み取りながら、パッと見てインパクトがあり目に留まるデザインに仕上がったと自負しています。
商品パンフレットの活用シーン別内容
今回ご紹介した事例は、販売店様向けのパンフレット事例でしたので、よく見るエンドユーザー向けのパンフレットとは、内容が異なります。そこで、この章では「商品紹介パンフレット」の読者の違いに応じた内容をご紹介いたします。
エンドユーザー向け商品パンフレット
エンドユーザー向けのパンフレットの目的は、エンドユーザーに商品の魅力を直接伝え、“購入を促進すること”です。そのため、「商品の特徴とメリットの強調」を主軸にレイアウトしていきます。商品の特徴や利点をわかりやすく説明することが重要です。
たとえば、商品がどのように生活を便利にするのか、健康に良い影響を与えるのかなど、具体的な利点を強調します。また、デザイン面では、ビジュアルの活用を積極的に行います。写真やイラストを多用し、視覚的に商品の魅力を伝えていくことが重要です。
「ユーザーが実際に商品を使用しているシーン」を描写することで、商品の使用感や効果をイメージしやすくします。また、商品の具体的な使い方を紹介することで、ユーザーが購入後にどのように活用できるかをイメージしてもらうことができます。
たとえば、調理器具であればレシピの提案、健康グッズであればエクササイズの例などを載せることで、購入意欲を高められます。このような内容をメインにレイアウトした上で、最後に購入を促進するための情報を掲載することで、購入へと誘導いたします。店舗の場所や、オンラインストアのリンクを掲載することで購入先を示して次のアクションを促します。また、期間限定のキャンペーン情報があれば、商品購入の後押しとして掲載するとより良いでしょう。
販売店向け商品パンフレット
販売店様向けのパンフレットの目的は、 販売店に対して商品の売りやすさをアピールし、取扱いを促進することです。販売店向けのパンフレットでは、競合商品と比べて自社商品がどのように優れているかを強調し商品の差別化ポイントを伝えていきます。
価格競争力、品質の高さ、独自機能などがその一例です。また、販売店がこの商品を取り扱うことで得られる利益や販売促進の方法を紹介してメリットを打ち出します。
今回のカタログに掲載したような、マーケティングサポートの提供、販促用のポスターやPOPの提供など、販売店にとってのメリットを具体的に提示します。
さらに、どのような販売戦略が効果的か売上アップの提案として、ターゲット顧客層や売り場での最適な陳列方法など、具体的なアドバイスを提供します。より詳しい内容を提供するとすれば、商品の在庫管理、配送スケジュール、カスタマーサポートの体制など、販売店が安心して取り扱えるための商品の供給やサポート情報を提示します。これにより、販売店の信頼感を高め、取扱いを促進します。
このように、エンドユーザー向けと販売店向けでは、パンフレットの内容やアプローチが異なります。
目的に応じて情報を整理し、それぞれのターゲットに響くように構成することが重要になります。
ぜひ上記を参考に、内容をご検討ください。
販売店向け商品パンフレットのデザイン制作のまとめ
今回は、販売店向け商品パンフレットのデザイン制作について、ご紹介いたしました。
通常の商品カタログを販売店向けに活用されている企業様もいらっしゃるかと思いますが、前章でもお伝えした通り、エンドユーザー向けのカタログと販売店向けカタログでは、伝える内容が異なってきます。
販売店様での取り扱いを増やしたいとお考えの場合には、別で制作されることをお勧めします。内容についての相談も承りますので、ご検討中のお客様は、まずはお気軽にお問い合わせください。
JPCの商品紹介パンフレットのデザイン制作について、詳しくは、下記のページもご覧ください。