2024.10.03
製品カタログデザイン制作事例-写真とイラストで現場イメージを再現

製品カタログは、新製品を顧客に知ってもらい、購入につなげる重要な販促ツールの1つです。特定の製品だけを掲載したカタログは、商談時など売りたい製品をピンポイントにアピールする際に使用すると効果的です。総合カタログよりも情報が絞られておりボリュームも少ないため、さまざまなシーンで気軽に顧客に渡すことができます。
さらに、製品ターゲットを絞りターゲットが好むデザインを意識して制作することで、売上アップにつながります。
今回は、農業機械系の写真とイラストを活用した製品カタログの制作事例をご紹介します。「若い農家の方々に向けた、カッコいいデザイン」というテーマで、イラストも活用しながらカタログを制作しました。製品カタログ制作をご検討の方、製品プロモーションの販促ツールをご検討の方は、ぜひこの記事をご参考ください。
目次
製品カタログのデザイン制作の概要
まず、今回の製品カタログのデザイン制作の概要について、ご紹介いたします。
ご依頼主-大阪の農業機械メーカー様-
今回の案件は、大阪に本社を構える農業機械の販売・メンテナンスを手がける大手企業様からご依頼いただきました。
この企業様は、トラクターやコンバインといった農業機械から、さまざまな農業用資材まで幅広く取り扱っており、農業従事者の方々に広く支持されています。
これまでも多岐にわたるプロジェクトで、カタログや動画の制作をはじめとするさまざまなクリエイティブ制作をご依頼いただきました。これらのプロジェクトを通じて、農業機械などの魅力をより多くの方々に伝えるお手伝いをさせていただいております。
ご依頼内容-新製品トラクターの紹介カタログ-
今回は新製品のトラクターを紹介する製品カタログの制作をご依頼いただきました。このトラクターの特徴は、コンパクトで小回りが利くこと、そして特定のシーンに特化せずオールラウンドに使いやすいことです。そのため、農業初心者でも使いやすいという点を切り口に、若い農家さんの新規顧客獲得に向けた製品カタログを制作しました。
完成したカタログをベースに、スタンドポップやWebサイトなどもJPCで制作しています。
デザイン制作時のポイント-若年層の農家さん向けデザイン-
今回のカタログは、若い農家の方々向けということでカッコいいデザインに仕上げたいとのご要望をいただきました。そのため、通常のカタログ制作時は既存のフォーマットに沿って制作するのですが、今回はフォーマットにこだわらずオリジナルでデザインを進めていくこととなりました。
製品カタログのデザイン制作の流れ
今回のカタログ制作は撮影が無く、支給いただく素材とイラストを組み合わせてデザインを進めていきました。まず表紙のデザインを決定し、その後中面デザインやイラスト制作へ進行します。詳しくは、次節よりお伝えします。
表紙デザインのご提案
初めに、表紙デザインを制作します。いただいた製品写真とコピーをもとに、2人のデザイナーがそれぞれ「ベーシックなデザイン」「インパクトのあるデザイン」で表紙デザインを提案しました。
複数案の中から選ばれたデザインがこちらです。

バックにコーポレートカラーの赤をひいてメリハリをつけたデザインが選ばれました。
【コンパクトだけどパワフル】というコピーを活かすため、中央上部に小さな機体画像とコピーを配置し、手前に大胆に別の製品画像を配置したデザイン案です。
その後表紙デザインをブラッシュアップする過程で、打ち出す方向性が【さまざまなシーンで使えるオールラウンドなトラクター】に変更となり、現場での使用シーンの写真を入れるなど修正を行いました。
狭い畑(ほ場)やビニールハウスや果樹園の木の下など使用する場所のイメージを組み合わせ、左下の吹き出しに強めのあしらいをつけ、完成した表紙デザインがこちらです。

中面デザインの制作 -イラストを活用したイメージシーン作成-
表紙デザイン後は中面のデザインに取り掛かります。
クライアント様からいただいた掲載内容をもとにレイアウトを組み、デザイナー2人でそれぞれデザインを提案しました。
クライアント様に確認いただいた結果、中面はこちらのデザインで進めていくこととなりました。

ご提案時は左ページが機能説明に特化した内容だったのですが、実際の作業シーンをメインにしたいというご要望を受け、レイアウトを組みなおしました。その際問題となったのが、作業風景のイメージ画像です。

トラクター自体の撮影素材はあったのですが、現場で稼働している画像が無く新たに撮影もできなかったため、合成かイラストで検討しました。
結果、合成は多少なりとも不自然さが出てしまう、さらに背景素材とパース(角度)の合う写真が無いため、イラストでの制作が決まりました。
写真とイラストを組み合わせてデザインしたものがこちらです。

新製品の撮影素材が限られていたため、別製品のトラクターの似たアングルを探し下絵から描き起こすなど、この現場シーンが一番力を入れた箇所となりました。
そしてこちらが上記を反映した中面デザインです。
左を赤、右を黒に分け、メリハリを強調したデザインにブラッシュアップしました。

完成カタログと販促展開
その後、左ページの数値を強調したり、右ページの黒い印象を少し和らげたりなど調整を重ね、完成したカタログデザインがこちらです。


トータルでインパクトのあるカッコいいデザインに仕上げられたと思います。
カタログ完成後は、販売店でトラクター展示の横に設置するスタンドバナーや、Webサイトなどへデザインを展開しました。
■スタンドバナー

スタンドバナーはカタログ内で訴求したい点を「使用イメージ」と「無段変速」の2つに絞り、上記のデザインにまとめました。
製品カタログのメリット
今回は、新製品トラクターのカタログデザイン制作についてお伝えしました。
近年のカタログは、印刷した形式に限らずデジタルカタログなども増加しており、それぞれの良さがあります。ここでは、印刷形式の製品カタログを制作するメリットをご紹介いたします。
対面接触時に製品をプッシュできる
Web上のデジタルカタログはユーザーが情報を見に来る、いわば「待ち」の販促物です。それに対し、紙の製品カタログは商談時や展示会などで積極的にユーザーに配布し見てもらえる「押し」の特性があります。
掲載されている情報も紙面に限られているため、Webサイトのようにほかの情報に目移りすることなくお客様にじっくり見ていただけます。
また、情報を確認したいときにパソコンやスマートフォンで検索しなおす必要がなく、手元の冊子をパッと開いて情報にアクセスできるため、いつでも手軽に見ていただける点も紙のカタログの利点です。
製品の色調や質感の再現性が高い
パソコンやスマートフォンのモニターによって、同じデータでも見える色調が異なっていたという経験はありませんか?印刷された製品カタログであれば、製品の色調や質感が見る環境によってブレることなく、ユーザーに統一された情報として届けられます。大型製品や通信販売など、実物を直接見ることが難しい場合、紙のカタログは購入時のギャップを減らす重要なツールとなります。
幅広いユーザーに受け入れられやすい
パソコンやスマートフォンを通じて見る販促物は、ターゲットの年齢によっては馴染みがなく不向きな場合があります。その点紙の製品カタログであれば、老若男女問わず扱いやすく、抵抗なく見ていただける販促物と言えます。
製品カタログのデザイン制作のまとめ
今回は、製品カタログのデザイン制作についてお伝えしました。
撮影無しで、写真とイラストを組み合わせながら、ターゲットに刺さるカッコいいデザインが完成しました。
製品スペックや強み、作業イメージが見開きでまとまっているため、お客様にとってわかりやすいカタログに仕上げられたと思います。
新製品が発売されるごとに製品カタログを制作すれば、その分商談や展示会でコミュニケーション機会を作ることができるため、お客様との関係性づくりにつながります。さらにWebサイトや総合カタログ制作などにも素材を展開できるため、プロモーションをトータルで効率的に行えます。
JPCの商品・製品カタログ制作について、詳しくは下記のページもご覧ください。
商品・製品紹介のカタログ・パンフレットデザイン制作
