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2025.03.27

製品カタログ制作事例-多言語展開に適したスタイリッシュなデザイン

今回は、東京に本社を構える総合化学メーカー様よりご依頼いただきました、製品カタログのデザイン制作についてご紹介します。

世界に事業拠点を持つ企業様は、製品カタログを多言語展開されるケースも多いかと思います。その場合、言語ごとにデザインを大きく変えると費用や手間も増えてしまうため、国内外どちらでも使用できるデザインを検討することをおすすめします。ターゲットを踏まえてデザインの方向性を考えることは、広告制作の基本ではありますが、“海外向け”というのは通常の“年代”や“性別”などとはまた異なる視点が大切になってきます。

この記事では、海外への事業拡大を見据えた日本語版/英語版製品カタログのデザイン制作をご紹介します。国内外に向けた新製品やサービスの周知・販促展開のツールとしてカタログ制作をご検討されている企業様の参考になれば幸いです。

製品カタログのデザイン制作事例の概要

はじめに、今回の制作事例の概要をご紹介します。

ご依頼主  – 東京の総合化学メーカー様 –

今回のクライアント様は、東京に本社を構える総合化学メーカー様です。化学、繊維、住宅、医療など幅広い事業を展開されています。JPCには、これまでもカタログやWebサイトや映像制作など、多岐にわたる制作物をご依頼いただいております。

ご依頼内容 – システムPR用の多言語カタログ制作 –

今回は、水素を製造する新システムの製品カタログ制作をご依頼いただきました。この製品は、水素社会の実現に貢献するグリーン水素製造用の大型システムで、2025年の事業化を目指して実用化への取り組みが加速しているタイミングでした。製品や事業の取り組みを国内外に向けて広く紹介するためのカタログとして、日本語版・英語版の2種を制作いたしました。

デザインの方向性 – スタイリッシュかつグローバル展開を見据えたデザイン –

今回デザインで訴求すべき点として重視したコンセプトは以下の2点です。

●世界に先駆けた最先端の製品であること
クリーンエネルギーに関わる世界に先駆けた製品であることをビジュアルで表現することを意識し、次世代を感じさせるスタイリッシュなデザインで、本製品の先進性を印象付けることを目指しました。

●海外への展開も視野にあること
カタログが国内外で使用される場合、感性や価値観の違いなどを考慮することは大切です。グローバル展開を前提としたグラフィックで、より一層海外のビジネスパーソンとの距離感を縮め、馴染みやすく、スムーズに受け入れられるデザインを検討いたしました。

こちらの2点に加え、すでに公開されているWebサイトのトンマナも考慮しながら、製品全体で統一感のある販促物となるようデザインを進めました。
次章より制作の流れに沿って詳細をご紹介します。

製品カタログのデザイン制作の流れ

製品カタログの制作過程について、実際の流れに沿ってご紹介していきます。表紙から着手し、確定した表紙デザインとの連動を踏まえて、中面の制作に取り掛かりました。以下、その過程をお伝えします。

表紙デザイン制作

多言語のカタログを制作するにあたり、まずは英語版を先行してデザインを進めました。

表紙デザインについては、事前にクライアント様からご提供いただいた参考資料などを元にテイストを検討し、クライアント様指定のプラント画像と「水泡」や「水素分子」など水のイメージをコラージュしたデザインで初回デザインをご提案しました。

その後のやり取りの中で、よりシンプルで新しさを感じられるビジュアル表現の検討を重ね、プラント画像の奥行き感を強調するトリミングとサブカラー+タイトルのみの余白を活かしたデザインに仕上げました。

完成した表紙デザインがこちらです。

裏表紙は表紙と連なるダイナミックなレイアウトで、見開いた際に視覚的インパクトを与える効果を狙いました。

中面のデザイン制作

表紙デザイン決定後、中面デザインに進みます。本カタログはあくまで概要的な紹介ということで、中面は6ページ(3見開き)というコンパクトな構成でした。
全体の流れとしては各見開きで ①製品の歴史〜展望 ②水電解システムの概要 ③実績とグローバル展開 となっていました。各見開きで大きくレイアウトを変えておりますので、その詳細をご説明します。

①製品の歴史〜展望
クライアント様がこの分野の先駆けとして創業当時から取り組まれていた水素製造技術の開発。そこから世界でもほとんど前例がなかったグリーン水素製造用システムの開発、製品化へ進む歴史を伝えるページです。
レイアウトにおいては、本プロジェクトにつながるこれまでの歴史的な変遷の紹介と今後の展望を、信頼性・先見性をもってアピールできる、斬新かつ洗練された年表デザインを目指しました。

初回提案後、クライアント様と掲載要素を再検討し、一部内容を別ページへ移動させるなどして、大胆なトリミングと画像サイズのメリハリで動きや変化を持たせたアクティブなレイアウトにブラッシュアップしました。

完成したデザインがこちらです。初回案よりもすっきりとした印象になり、海外向けグラフィックを意識した仕上がりとなっています。


②水電解システムの概要
こちらは実際の製品概要についての紹介ページです。今回の製品は特に専門的で難しい内容でしたので、JPCにて3DCGを制作し、図表とともに構成いたしました。
特にCGについては、社内のCGデザイナーにより高いクオリティに仕上げ、現実では撮影が難しい巨大なプラント思い通りの大きさとアングルで見せることができました。

さらに図表などを取り入れることで、視覚的な分かりやすさを高めるとともに、ターゲットユーザーへ水電解システムの実用性・利便性を具体的に提示でき、販売促進や需要創造につなげました。

レイアウトについては前の見開きの動的なテイストと対照的に静的でスクエアな構成を共存させ、カタログ全体に目を通したとき、変化に富んだ印象を与える紙面展開としています。


③実績とグローバル展開
こちらは世界規模で拡大する事業を示すページです。このページでは、地図を用いたインフォグラフィックスを全面に展開しました。
このインフォグラフィックスでは、地理的なエリアに関連する情報を分かりやすく伝えるため、世界地図をベースに数値的なデータや画像を盛り込み、実績の各地域・国への広がりとその規模を視覚化しています。
世界的なシェア周知を図ることで、歴史ページと合わせてクライアント様の対応力と信頼性をさらにアピールできます。デザイン性においても余白を活かした低い版面率で、海外向けを意識したグラフィックとしています。

製品カタログ完成デザイン

完成したカタログデザインがこちらです。
英語版カタログの内容やデザインが決定した後、翻訳原稿をいただき日本語版のカタログも制作いたしました。

グローバル展開を想定したデザインを意識し、スタイリッシュで先進的な印象のカタログが完成しました。

専門性の高い製品紹介カタログという、ともすれば難解になりがちな内容ではありましたが、画像や3DCGなどの要素を効果的に活用し、製品概要を分かりやすく伝えられるカタログとなりました。システムの存在価値、独自性、革新性を国内外に訴求できるデザインで、クライアント様からも高い評価をいただけました。

また、カタログデザインにご満足いただけたことで、同製品のPR映像制作のご依頼にもつながりました。映像では、設置施設内をCGで再現し、より具体的に導入イメージを想起できるようなシナリオとしています。

本事例でのデザインのポイント

ここでは、本事例のカタログデザインの制作におけるポイントをご紹介します。

キービジュアル(表紙)のブラッシュアップ

その製品やサービスの印象はカタログのデザインと写真で決まるといっても過言ではありません。特に表紙はカタログの” 顔 “とも言えるキービジュアルになりますので、デザイナーとして最善のデザインを追求するようにしています。

例えば今回は、表紙用のプラント画像は支給されたものでしたが、キービジュアルとして扱うには、そのままではやや硬質で暗い印象でした。支給された画像から、より製品を魅力的に表現できるよう、彩度・明度・コントラストなどを調整し、明るく洗練された空間を効果的に演出できるレタッチを施しました。

レタッチ前
レタッチ後

レタッチした画像を使用するだけで、全体デザインとのバランスが取れ、次世代感のあるキービジュアルにまとまったかと思います。

海外への展開も踏まえたデザイン

国内だけでなく、海外ユーザーに向けても使用するカタログの場合、デザイン性のグローバル適正を意識することが大切です。さまざまな例外はあるかと思いますが、仮に海外=欧米と仮定して、現地のビジネスシーンに馴染みやすく、売上拡大に貢献できるデザインの傾向は以下が挙げられます。

●紙面構成における版面率(紙面の空き)の高低を適宜使い分け、空間やマージンが重視されている
●特色印刷を多用する傾向があり、サイズや仕様も規格外や自由度を重視している
●価値観の表現の多様性・動きや変化などアクティブさが表現されている
●サービスの特長・独自性のアピールに貢献する、あえて不規則なメリハリがある
●ハードで高機能な製品・サービスについて、感性に訴える情緒的な表現手法で一定の差別化を図っている

今回の事例では、ページによって情報量を減らして画像を大胆に配置したり、ホワイトベースのシンプルなデザインにしたりなど、国内外どちらにも受け入れられるバランスを意識しています。

多言語製品カタログのデザイン制作のまとめ

今回は、次世代システムの製品カタログのデザイン制作事例についてご紹介いたしました。

グローバル展開を見据えて、日本語版・英語版の2種を制作いたしました。グローバル展開に適したデザインを意識し、各見開きに変化をつけた大胆なレイアウトを取り入れ、次世代のクリーンエネルギー技術の革新性をアピールできるカタログが完成しました。カタログは単調なレイアウトや、似たような掲載内容になりがちですが、ターゲットユーザーや用途を踏まえ最適なデザインをご提案させていただきます。また、専門的な内容であっても3DCGや画像を使って、分かりやすいカタログを実現します。

カタログで作り上げた世界観を映像やWebサイトなど他の媒体へ展開することも、JPCならワンストップで可能です。お気軽にご相談ください。

詳しくは、製品カタログ・パンフレットのページもご覧ください。
製品紹介カタログ・パンフレット 詳細ページ

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