2025.10.14
縦型動画の媒体別サイズ一覧【2025年最新】 作り方や活用事例も解説
これまで動画の縦横比は「横型」が一般的でしたが、昨今はスマートフォンの画面サイズにマッチした「縦型」が注目されています。とくにSNSで投稿する動画は、縦型で制作するのがおすすめです。
しかし縦型といっても、具体的にどのようなサイズで撮影・編集すべきかわからず困っている方もいるのではないでしょうか。
そこで本記事では、2025年最新版の情報をもとに、媒体別の縦型動画推奨サイズを紹介します。作り方や活用事例も解説するので、縦型動画を活用したPRやSNS運用を考えている企業担当者様は、ぜひ参考にしてください。
目次
縦型動画とは?
一般的に縦型動画とは、スマートフォンを縦にしたまま視聴できるアスペクト比9:16(縦長)の動画のことを指します。
アスペクト比
動画や画像の縦横比のこと。一般的に「横:縦」の順で表記される。なお、横型動画のアスペクト比は16:9や4:3が多い。
近年はスマートフォンで動画を視聴するシーンが急増しており、企業紹介動画、製品説明動画、広告用動画など、あらゆるジャンルの映像コンテンツで縦型動画が活用されるケースが増えています。
縦型動画のメリット
動画が縦型であることのメリットとしては、次のような例が挙げられます。
- スマートフォンで全画面表示される
- さまざまなSNSに横展開しやすい
- 縦型動画しか見ないユーザーにリーチしやすい
- 縦長の素材との相性がいい
それぞれのメリットについて詳しく見ていきましょう。
スマートフォンで全画面表示される
横型の動画では、スマートフォンで見ると小さく表示されてしまいます。しかし縦型動画ならスマートフォンで全画面表示されるため、より訴求力を最大化できます。

スマートフォンユーザーの没入感を高めたい場合は、縦型動画を活用するといいでしょう。
さまざまなSNSに横展開しやすい
媒体によって推奨サイズには多少の違いはありますが、スマートフォン画面に合わせて制作しておくと複数のSNSで使い回しが可能です。
たとえば、Instagramリールやストーリーズ用に制作した縦型動画を、そのままYouTubeショートやTikTokに活用することも可能です。ただし、アスペクト比が同じでも媒体によって推奨画素数が異なる場合があるため、事前に仕様を確認しておきましょう。
縦型動画しか見ないユーザーにリーチしやすい
昨今は「縦型動画しか見ない」というユーザーも珍しくはありません。
たとえばYouTubeで長尺動画はほとんど見ず、YouTubeショートの短尺縦型動画だけを流し見しているユーザーもいます。
また、Instagramユーザーも、フィードはほとんど見ずに、ストーリーズ(縦型動画)だけ追っているケースがあるのです。
こうしたユーザーに対して効果的にリーチするためには、縦型動画を積極的に活用し、接点を広げていくことが求められます。
縦長の素材との相性がいい
アパレル商材や冷蔵庫、化粧品などの縦型の素材を紹介しやすいことも縦型動画ならではのメリットです。
たとえば下記の例のように、スマートフォン画面全体を使って商品の魅力・イメージを伝えられます。

若年層からの評価を得やすい
とくに若年層はスマートフォンを使う時間が長く、横型より縦型動画に親しんでいる傾向にあります。TikTokやInstagramリールなど、縦型動画が主流のSNSを日常的に利用しているため、日常の視聴習慣に合ったマーケティングが可能です。
そのため若年層をターゲットとしている場合は、縦型動画で訴求することを検討してみてください。
縦型動画の媒体別サイズ一覧

それでは媒体別に、縦型動画の推奨サイズを一覧表で紹介します。
| 媒体 | 縦型動画のアスペクト比 | 推奨画素数(px) |
|---|---|---|
| YouTube | 9:16 | 1,080×1,920 |
| TikTok | 9:16 | 1,080×1,920 (最小540×960) |
| 9:16 | 1,080×1,920 | |
| 9:16 | 1,080×1,920 | |
| LINE | 9:16 | 幅 135~1,080px 高さ 240~1,920px |
| 9:16 | 1,080×1,920 |
このように縦型動画のアスペクト比は、主要SNSすべてで9:16が推奨されていますが、推奨画素数には若干の差があります。
なお、画素数とは画像の鮮明さを表す指標で、px(ピクセル)という単位で表します。アスペクト比が正しくても、推奨画素数を下回ると画質が低下して見切れが発生する可能性があるため注意しましょう。
それでは媒体ごとの特徴についても詳しく見ていきましょう。
YouTube
YouTubeでは、短尺動画を投稿・視聴できる「ショート」という機能で縦型動画を活用できます。他の媒体と比べても幅広い年代のユーザーが利用しているため、あらゆるジャンルのプロモーションに適した媒体といえます。
YouTubeでは、アスペクト比9:16、画素数は1,080×1,920pxが推奨されています。
参考:YouTubeヘルプ
TikTok
縦型動画に特化したSNSとして注目されているのがTikTokです。若年層の利用者が多く、流行に敏感な層が多いため、新商品・新サービスをプロモーションしたい場合に向いています。
TikTokもアスペクト比9:16が推奨されており、画素数は1,080×1,920px、最低でも540×960pxを確保しましょう。
Instagramはいわゆる「映え」の文化が特徴のSNSです。画像だけではなく、縦型の動画を「ストーリーズ」や「リール」として投稿できます。ストーリーズだけを見るユーザーも多いため、積極的に縦型動画を活用していきたいSNSの一つです。
Instagramもアスペクト比9:16、画素数は1,080×1,920pxが推奨されています。
Facebookは実名登録が特徴のSNSで、他の媒体と比べるとビジネス目的で使っているユーザーが多い傾向にあります。Instagramと同じくMeta社が運営しているため、やはり「ストーリーズ」や「リール」で縦型動画を投稿できることが特徴です。
Facebookもアスペクト比9:16、画素数は1,080×1,920pxが推奨されています。
LINE
連絡ツールとしておなじみのLINEですが、LINE VOOM(旧タイムライン)に縦型動画広告の配信ができることをご存知でしょうか。
LINEはほとんどのスマートフォンユーザーが利用しているアプリであるため、とくにtoC向け商材のマーケティングにとくに効果的です。
LINE広告の縦型動画の推奨アスペクト比は9:16ですが、幅は135〜1,080px、高さは240〜1,920pxと他媒体と比べて柔軟であることが特徴です。
インターネット上の画像・動画を保存したり共有したりできるのがPinterestです。コーディネートやインテリアなど、とくにデザインが重視される情報を探す際に利用されています。
投稿する動画はフルブリード動画か画面全体を占める動画、つまり縦型動画が推奨されており、
アスペクト比9:16、画素数は1,080×1,920pxがおすすめです。
縦型動画の作り方
縦型動画を作る流れは、おおむね次のとおりです。
- 企画・構成
- 絵コンテ作成
- 撮影
- 映像編集
- ナレーション収録・MA
- 納品
それぞれの工程ごとにポイントや注意点を解説していきます。
1.企画・構成
まずは動画制作に関わる方が方向性を共有できるよう、企画書を作成しましょう。動画の目的やターゲット、コンセプトはもちろん、制作スケジュールや予算も決めておくことが重要です。
また、制作会社に相談するまえに簡単な構成を考えておくと、よりスムーズに打ち合わせを進められます。(構成作成は映像制作会社に一任しても構いません)
関連記事:動画制作を成功させる企画書の作り方を解説!【テンプレート付】
2.絵コンテ作成
つづいて、構成を視覚化した「絵コンテ」を作成します。絵コンテとは、各シーンのイメージをイラストにしたものです。

事前に完成イメージを共有できるため、認識のズレを防ぎやすくなります。希望する演出やシーンがある場合は、この段階でしっかり盛り込みましょう。完成度の高い動画を作るための重要なステップです。
3.撮影
絵コンテが完成したら、いよいよ撮影に進みます。縦型動画は横型動画とは構図の考え方が異なるため、撮影時に縦画面で見たときの見え方を意識することが大切です。
最近ではあえてスマートフォンで撮影するケースも増えており、SNS用の動画などはスマホ撮影のほうが自然で親近感のある映像に仕上がることもあります。シーンに応じて機材を使い分けましょう。
4.映像編集
映像やグラフィック素材が集まったら、編集工程に移ります。映像編集では、テロップやアニメーションを加え、テンポよく見せる工夫をすることで、より完成度の高い動画になります。
基本的には映像制作会社に任せられますが、企業ロゴや商品画像など必要な素材は早めに渡しておくとスムーズです。
5.ナレーション収録・MA
映像が完成したら、ナレーション・MAに進みます。音声が整うことで映像のクオリティが一段と上がります。
MA(Multi Audio)
効果音・ナレーションを加えたり、ノイズを除去したりする作業。
また、ナレーションはスタジオ収録だけでなく、ナレーターが自宅で収録する「ファストレコーディング(宅録)」を活用すれば、コストを抑えつつスピーディーに進行できます。
6.納品
ナレーションや効果音を加えたら、いよいよ動画が完成です。
納品前には、アスペクト比が9:16になっているか、画素数が各媒体の推奨値を満たしているかを確認しましょう。これを怠ると、いざSNSに投稿したときに画質が落ちたり、表示が崩れたりする恐れがあります。
最終確認まで丁寧に行い、安心して公開できる状態で納品を完了させましょう。
縦型動画の制作費用相場
縦型動画1本あたりの尺は30秒〜1分程度と短めなケースが多いですが、必要な工数は数分の動画を作るときとそれほど変わらないことがあります。そのため、比較的クオリティの高い縦型動画を1本だけ制作する場合、一般的な価格帯としては20万円〜50万円程度となることが多いです。
ただし、複数本をまとめて撮影・編集する「まとめ撮り」に対応している制作会社に依頼すれば、1回の撮影素材から複数の縦型動画を制作することでコストを抑えることが可能です。たとえば、「撮影20万円+編集4万円/本」で5本の縦型動画を依頼できれば、合計では約40万円での制作も見えてきます。
JPCでもまとめ撮りプランをご用意しており、複数本の動画制作を検討している企業担当者様は、ぜひご相談ください。
縦型動画の制作で意識すべき5つのポイント
視聴ユーザー層の傾向をふまえると、縦型動画を制作するときは次の5つのポイントを意識することが重要です。
- インパクトのある冒頭にする
- テンポのいい構成にする
- モーショングラフィックス・アニメーションを取り入れる
- BGM・ナレーションも挿入する
- 音がなくても伝わる工夫をする
なぜこれらが重要なのかを、具体的に解説していきます。
1.インパクトのある冒頭にする
YouTubeショートやTikTok、Instagramストーリーズなど、縦型動画は短尺コンテンツが次々と表示される仕組みが特徴です。ユーザーも興味のないコンテンツはすぐにスクロールしてしまうため、動画を見てもらうためにはインパクトのある冒頭にしなければなりません。
ターゲット層の心をつかむ問いかけや、思わず目を止める映像演出など、一瞬でユーザーを惹きつける工夫を取り入れましょう。
2.テンポのいい構成にする
先述のとおり、縦型動画は短いコンテンツが次々と表示されるため、飽きやすい視聴環境にあります。そのためメリハリのない構成にしてしまうと、最後まで視聴してもらえない可能性が高くなります。
短尺動画だからこそ、起承転結を意識してテンポよく展開することが重要です。映像やテロップ、音楽の切り替えに変化をつけ、視聴者を飽きさせないようにしましょう。
3.モーショングラフィックス・アニメーションを取り入れる
ユーザーの興味を惹きつけるためには、モーショングラフィックスやアニメーションを活用して「動き」を強調することが重要です。静止画だけでは伝わりにくい情報やストーリーも、動きを加えることで直感的に伝えられ、視聴者の印象にも残りやすくなります。
モーショングラフィックス
グラフィックス(文字やイラスト、ロゴなど)を動かす表現のこと。
とくに冒頭部分でモーショングラフィックスを使用すると、ユーザーの視線を引きつけ、最後まで見てもらえる可能性が高まるため効果的です。
4.BGM・ナレーションも挿入する
より魅力的な動画コンテンツにするためには、BGMやナレーションを効果的に活用することが大切です。とくに短い時間で多くの情報を伝えるには、字幕だけでなくナレーションを挿入することが非常に有効です。
ナレーションを加えることで、同じ尺でも字幕のみの場合より約1.5倍の情報を伝えられるとされており、限られた時間でも視聴者に深い理解を促すことができます。BGMとあわせて活用すれば、動画全体の雰囲気を高め、視聴者を引き込む効果も期待できます。
5.音がなくても伝わる工夫をする

縦型動画ではBGMやナレーションは動画の魅力を高めますが、通勤・通学中など音声をオフにして視聴するユーザーも少なくありません。そのため、音がなくても伝わる工夫、いわゆるサイレントビュー対策をすることも大切です。
ただし、縦型動画はスマートフォンの小さな画面で視聴されるため、ナレーション全文を字幕で表示すると画面がごちゃつき、見づらくなる恐れがあります。重要なメッセージだけをテロップで表示するなど、情報を絞り込んで表示することがポイントです。さらに、テロップにモーショングラフィックスを取り入れると、視覚的に目を引きやすくなり、無音でも印象に残る動画に仕上げられます。
縦型動画の制作事例・活用事例
縦型動画が実際にどのように活用されているのか、JPCの制作事例を紹介します。
- 高校生向けの大学PR用動画
- 大学生向けの教育プログラム紹介用動画
- 工具の機能比較動画
- Instagram投稿用の製品説明動画
- スキンケア商品のInstagram広告用動画
1.高校生向けの大学PR用動画
こちらは学科の名称変更を高校生向けにPRするための縦型動画です。
先述したとおり、縦型動画は若年層へアプローチするのに非常に有効です。そのためこの例のように、高校生がターゲットの場合はぜひ縦型動画を活用してみてください。
なお、こちらの縦型動画は、当社が企画・アニメーション制作・編集までワンストップで制作しています。他媒体と連動させたプロモーション映像として、チラシやLPでは表現できない魅力をアニメーション動画ならではの表現で演出していることがポイントです。
2.大学生向けの教育プログラム紹介用動画
こちらは大学生に、教育プログラムを紹介するための動画です。
大学生も縦型動画に親しんでいる年代であるため、教育プログラムの概要や魅力を簡単に紹介する映像になっています。新たな価値を創造する力を養うためのプログラムであるため、扉が開くようなカットや、幻想的な雰囲気のイメージにしていることがポイントです。
映像制作はもちろん、プログラムのロゴやチラシ、オープンバッジの制作までJPCがワンストップで対応しています。
3.工具の機能比較動画
こちらは機械工具の機能を比較した縦型動画です。
クライアントが撮影した映像をベースにしつつ、編集時にアニメーションや演出を工夫することで、機械工具製品の機能をわかりやすくアピールしています。YouTubeショートでの配信を想定し、テンポのいい構成にしていることも特徴です。
4.Instagram投稿用の製品説明動画
こちらはInstagramに投稿するために制作した、ウォーターサーバーの設置説明動画です。
ご覧のとおり縦長の製品であるため、縦型動画で紹介することで全貌がわかりやすくなっています。開梱時の設置手順をわかりやすく短い時間で伝えるため、テンポ感を意識した構成になっていることもポイントです。
企画構成からモデル手配、撮影、グラフィックデザイン、編集までJPCがワンストップで対応しています。
5.スキンケア商品のInstagram広告用動画
こちらはInstagram広告用に制作した、スキンケア商品の紹介動画です。
同ブランド内でさまざまな商品を扱っているため、トンマナを合わせて複数パターン制作しています。広告は配信面によって動画フォーマットが若干異なるため、このように何パターンか用意すると広告戦略の幅を広げられるためおすすめです。
この事例では、一部の動画の撮影から編集までをJPCが担当しました。また、動画内の素材は当社のグラフィックチームがデザインしています。
縦型動画制作のよくある質問
最後に、縦型動画の制作を検討している方が抱きやすい疑問について解説します。
縦型動画はなぜ流行しているのですか?
スマートフォンの普及がもっとも大きな要因といえます。主要SNSも縦型動画に注力しており、今後ますます縦型動画の活用シーンは増えていくでしょう。
縦型動画は何秒で制作すべきですか?
ユーザーの好みを考えると、15秒〜30秒程度の短尺を基本とすべきでしょう。あまりにも長い縦型動画は、最後まで見てもらえないリスクもあるためです。認知度向上を目的とした動画なら、6秒ほどの超短尺でブランド名を印象づけることもあります。
ただし最近では、長尺の縦型動画を配信できる機能も実装されているため、商品・サービスをじっくり紹介したい場合は1分以上の尺にするのも選択肢の一つです。
縦型動画は自社で制作できますか?
スマートフォンで撮影できることをふまえると、他の動画と比べて、縦型動画は自社で制作しやすいといえます。
しかし冒頭でユーザーを惹きつける構成を考えたり、それを実現する編集をしたりすることは簡単ではありません。成果の出る縦型動画を制作するには、やはりプロの映像制作会社に依頼するのがおすすめです。
まとめ
縦型動画は、スマートフォンでの視聴に最適化されたアスペクト比9:16の動画形式で、YouTubeショートやTikTok、Instagramリールなど主要なSNSで幅広く活用されています。
1,080×1,920pxで制作すれば、ほとんどの媒体に横展開でき、広告配信にもそのまま対応可能です。
縦型動画は若年層へのアプローチやSNSでの拡散性に優れており、スマートフォンユーザーの行動習慣に合わせたマーケティング施策を展開できます。短尺ながらもインパクトのある冒頭やテンポのよい構成、モーショングラフィックスや字幕の工夫を取り入れることで、視聴者を惹きつけ、ブランドや商品の魅力をより強く伝えられるでしょう。
自社制作も可能ですが、企画・構成・撮影・編集を一貫して対応できる制作会社に依頼することで、クオリティと効果を最大化できます。
縦型動画を活用したPRやSNS運用を検討している企業担当者様は、ぜひ実績豊富なJPCにご相談ください。