2026.09.10
店頭POP制作事例 – 製品の訴求力と視認性を意識したパネルデザイン
今回は、大阪のパソコン周辺機器・デジタル機器メーカー様よりご依頼いただいた、店頭販促ツールの制作事例をご紹介します。
家電量販店の売り場には、多くのメーカーの商品と販促物が並びます。買い物のあいだに一つの棚の前で立ち止まる時間は、それほど長くありません。だからこそ店頭POPには、遠くからでも目に留まり、近づいたときに製品の特長がすぐ読み取れる見え方が求められます。
本記事では、マウスの販促パネルの事例をもとに、売り場で目に留まり、製品の魅力が伝わる店頭POPをつくるための考え方をご紹介します。店頭販促ツールの制作をご検討中のご担当者様は、ぜひご参考ください。
店頭POPデザイン制作の概要
まず、今回の販促ツールデザイン制作の概要についてご紹介いたします。
ご依頼主 – 大阪のパソコン周辺機器・デジタル機器メーカー様 –
今回の案件は、大阪に本社を構えるパソコン周辺機器・デジタル機器メーカー様よりご依頼いただきました。マウスやキーボードを中心に、パソコン周辺機器やデジタル機器関連の製品を幅広く企画・開発・販売されている企業様です。
JPCとは以前、パッケージデザインなどでお取引をいただいていました。その後、CGと撮影を組み合わせたマウスのプロモーション動画を制作。今回の販促ツール制作は、その動画制作をきっかけにご相談いただいたものです。
ご依頼内容 – 家電量販店向けの販促ツール4種 –
ご依頼いただいたのは、家電量販店などの店頭で使用する、マウス・キーボードの販促ツール4種です。
- マウスの販促パネル(店頭掲出用の横長サイズ)
- 同じ内容を展開したB5サイズPOP
- 静音キーボードの名刺サイズPOP
- シリーズ製品の性能比較表
当初のご依頼は2種でしたが、制作を進めるなかで追加で2種をご依頼いただき、最終的に4種を約3週間というタイトなスケジュールで制作・納品しています。
本記事では、このなかから店頭用の横長パネルを中心にご紹介します。
デザイン制作におけるポイント – 製品の訴求力と視認性を意識したデザイン –
今回の制作でポイントになったのは、製品の訴求力と視認性を両立させることでした。
対象となったマウスは、性能や機能に複数の特長を持つ製品です。売り場で選んでいただくには、その特長がきちんと伝わる必要があります。一方で、店頭では他社の販促物と並ぶため、まず気づいてもらえなければ読まれることもありません。
特長を丁寧に伝えようとすれば要素は増え、目立たせようとすれば載せられる情報は減ります。この両方をどう成立させるかが、デザインを考えるうえでの中心になりました。
店頭POPのデザイン制作の流れ
ここからは、制作の流れをご紹介します。
ご依頼内容の整理
今回のパネルについては、次の3点をお伺いしていました。
- KV(キービジュアル)などはクライアント様よりご支給いただくこと
- 家電量販店の売り場で設置されること
- クライアント様のVI(ビジュアル・アイデンティティ)がクリエイティブ全体から感じられること
上記をふまえて、デザインの方向性を組み立てていきました。
▼支給いただいたキービジュアル

デザインの方向性を固める
お伺いした内容を受けて、デザインの方向性を次の3点に定めました。
- 明瞭な書体と文字サイズで、離れた位置からでも読みやすくする
- キーカラーを効果的に活用し、密集した売り場でも自社の領域がひと目で分かるようにする
- 上の2点を満たしながら、製品が持つクリエイティブのトーンを保つ
ブランドのビジュアル・アイデンティティを保ちながら、遠目からでも目に入り、何の製品でどんな特長があるのかが短時間で伝わる状態を目指しました。
この3点を軸に、デザインを進めていきました。
レイアウトとデザインの設計
ご支給いただいたKVは、パネル左側にそのまま配置しました。
右側には、キーカラーを効かせながら製品特長を並べています。製品を大きく見せる左側と、特長を説明する右側という役割分担です。キーカラーは色面と見出しの文字色に使い分け、売り場のなかでブランドの色が目に入るようにしました。
特長は、訴求できるポイントを3点に絞り、通りがかりでも伝わるよう見やすくまとめました。

3つのブロックは同じフォーマットで繰り返す構成に。同じ形が並ぶことで、それぞれの特長を自然とつかみやすくなります。文字は見出しを大きく、説明文は控えめの大きさに抑え、離れた位置からでも要点が読み取れるようにしました。
言葉だけでは伝わりにくい操作の動きや機器の切り替えといった部分は、製品写真に矢印やアイコンを重ねて表現。読まずに製品の特長がつかみやすいデザインを意識しています。
足せば伝わる場面もありますが、足したことでブランドらしさが薄れる場面もあります。「なにをするか」だけでなく「(可能だとしても)なにをしないか」を、その都度見極めながら進めました。
他ツールへの展開
B5サイズPOPは、パネルと同じ製品特長を扱いながら、判型が縦長に変わります。そのため要素をそのまま縮小するのではなく、判型が変わっても同じ情報が同じ分かりやすさで伝わるよう、レイアウトを組み直しました。
▼B5サイズPOP

静音キーボードの名刺サイズPOPは、使える面積が限られているため、無理に文章を入れすぎず、赤ちゃんが眠るビジュアルを大きく使用し、コピーは短い2階層のみに絞りました。背景は白のまま、キャッチコピーにキーカラーを使用。余計な色や文章を加えず要素を絞ることで、静けさそのものがデザインから伝わる構成にしました。
▼静音キーボードの名刺サイズPOP

店頭POPの完成
完成したデザインがこちらです。

数回のすり合わせを経て、4種すべてを納品いたしました。ご支給いただいたKVを軸に、判型ごとにレイアウトや情報の見せ方を調整したことで、ブランドとしての統一感を保ちながら、それぞれのツールが役割を果たせる仕上がりになりました。
売り場で目に留まり、製品の魅力が伝わる店頭POPをつくるポイント
店頭POPは、通りがかりに数秒だけ見られるツールです。まず気づいてもらえなければ読まれず、気づいてもらえても内容が伝わらなければ商品を手に取ってもらえません。ここでは、売り場で目に留まり、製品の魅力が伝わる店頭POPをつくるための考え方を、3つの視点でご紹介します。
1. 伝える特長の数を絞る
製品の特長が5つ、6つとある場合、すべてをPOPに載せたくなるものです。ただ、面積は決まっているため、載せる数を増やすほど一つあたりのスペースは小さくなります。文字は小さくなり、図解も入らず、結果としてどの特長も伝わりません。
店頭で立ち止まってもらうきっかけを1つ作れれば、あとはパッケージや店員の説明、Webサイトが引き受けてくれます。POPの役割を「すべてを説明する」から「手に取る理由を作る」に置き換えると、必要な数は自然と減っていくでしょう。
絞るときの手がかりになるのが、買い物客が売り場で何を比較しているかという視点です。競合製品と差がある点や、その売り場でしか伝えられない点を優先すると、選びやすくなります。
2. 視認距離ごとに情報の階層をつくる
店頭POPは、まず遠くから目に入り、そのあと近づいて読まれます。遠くから気づいてもらえなければ立ち止まってもらえず、近づいたときに読むものがなければ手に取ってもらえません。この順番に沿って、要素に役割を持たせることが必要になります。
具体的には、遠くから読み取れる要素と、近づいてから読まれる要素を分け、文字サイズと太さで差をつけます。遠距離用の要素は、数語で意味が完結する短さに。近距離用の要素は、立ち止まった人が納得できる具体性を持たせます。
制作会社に依頼する際は、掲出位置を伝えておくと、その距離を前提とした設計ができます。
3. 動作や仕組みは図解に置き換える
製品の特長のなかには、文章にすると長くなるものがあります。操作の手順、機器の連携、内部の構造など、動きや仕組みを伴うものがそうです。正確に書こうとするほど字数は増え、店頭では読まれない分量になってしまいます。
こうした特長は、図解に置き換えると短い時間で伝わります。製品写真に矢印を重ねる、アイコンで状態の変化を示す、接続の関係を線で結ぶ。読ませるのではなく、見て分かるデザインを意識すると効果的です。
店頭POPデザイン制作まとめ
今回は、JPCのPOP・ディスプレイ制作サービスで手掛けた家電量販店向け販促ツール4種の制作事例をご紹介しました。
今回の制作では、訴求できるポイントを3点に絞り、視認距離に応じた情報の階層と図解を組み合わせることで、売り場で目に留まり、製品の魅力が短時間で伝わるパネルに仕上げました。デザインの方向性を先に整理しておいたことで、制作中に点数が増えても統一感を保ったまま4種を展開できています。
店頭POPの制作会社JPCでは、店頭POPやディスプレイのデザイン制作から、紙什器・オリジナル什器の設計、展示会ブースの制作まで、ワンストップで対応しております。競合商品と差をつける売り場づくりをお考えのご担当者様は、ぜひお気軽にご相談ください。