2026.05.14
店頭ディスプレイ制作事例 – 「世界を旅する」体験を視覚化したパッケージ・POP・ポスター
今回は、東京の大手飲料メーカー様よりご依頼いただいた、冬季限定セット商品のキャンペーンツール制作事例をご紹介します。
スーパーや量販店の売り場には、数えきれないほどの商品とPOPが並びます。その中で消費者の足を止め、手に取ってもらい、購入へとつなげる――店頭ディスプレイには、短い時間で商品の魅力を直感的に伝える設計力が求められます。
本記事では、限定セット商品のキャンペーンツールとして制作した化粧箱・タグ形状POP・A3ポスターの3点を題材に、キャンペーンコンセプトをデザインで視覚化していったプロセスと、店頭でターゲットの情緒に訴えるパッケージ・POPデザイン制作のポイントをご紹介します。新商品のキャンペーンツール制作やパッケージ・POPデザインをご検討中のご担当者様の参考になれば幸いです。
店頭ディスプレイデザイン制作の概要
ご依頼主 ―東京の大手飲料メーカー様―
今回のご依頼主は、東京に本社を構える大手飲料メーカー様です。日本全国で愛されているお茶を主力商品として販売されており、コーヒーや紅茶系ドリンクも幅広く展開されていらっしゃいます。JPCでは、コーヒー部門のブランドをはじめとする多彩な販促物制作をお手伝いしてきました。店頭販促ツールからWebサイト制作まで、ご依頼内容は多岐にわたります。
ご依頼内容 ―冬季限定セット商品の店頭ツール制作―
ご依頼いただいたのは、冬季にスーパーや量販店で販売される限定セット商品のキャンペーンツール制作。以下の3つの販促ツールを制作しました。
- 化粧箱 ドリップコーヒーセットのパッケージ
- タグ形状POP 限定セットのボアバッグに掛けるディスプレイ
- A3ポスター 売り場でキャンペーンを告知するツール
今回の限定セットのコンセプトは、「Journey Bag」。「世界を旅するようにコーヒーを味わう体験型ギフト」として、オリジナルボアバッグ・オリジナル2層構造タンブラー・ドリップバッグ4種(各3袋入り)がセットになった商品です。メインとなるドリップバッグは世界各地の産地をモチーフとしており、4種類の飲み比べを通じて、視覚的にも”旅”を感じられる構成。定番商品の中から自分好みを見つける楽しさがあり、ご自宅用としてはもちろん、ギフトとしても喜ばれる商品です。
今回はこの商品の特徴とコンセプトを踏まえ、3つの販促ツールを店頭で異なる役割を担うキャンペーンビジュアルとして設計しました。
店頭ディスプレイデザイン制作の流れ
制作スタート ―コンセプトをかたちにするための長期プロジェクト―
大手企業様の販促制作では、商品のPRに向けたキックオフが販売時期の半年ほど前から始まります。今回も冬季販売の商品でしたが、企画・PR制作のスタートは春から。デザイン案を何度も提案・検討しながら、先方とアイデアを練り上げていく長期プロジェクトです。
「世界を旅する」という体験価値と、「美味しそうなコーヒー」という商品の魅力をいかに融合させるか――この問いに答える表現を、先方と協議を重ねながら、ブランドらしい世界観の中で粘り強く追求しました。
ここからは、コンセプトをどのように3つの販促ツールへ落とし込んでいったか、その制作プロセスをご紹介します。
事例① 化粧箱 ―パッケージで「旅」を表現する
ドリップコーヒーセットの化粧箱は、セットの中で定番商品であるドリップコーヒー4種類の魅力を最も丁寧に伝えるツール。デザインで「Journey Bag」のコンセプトをしっかり表現することを目指しました。

表面には、コンセプトを象徴する「Journey Bag」のネーミングを大きく配置。あわせて地図や航路を想起させるビジュアルを組み合わせ、コーヒーを通じた世界一周体験を表現しました。
化粧箱を開けた中面には、4種のドリップコーヒーの産地(モカ・キリマンジャロ・ブラジルなど)ごとに、色・イラスト・モチーフを変えたデザインを展開。その土地の風土・文化・風景を視覚的に表現することで、手に取るだけで異なる国を訪れるような、ワクワク感を演出しました。さらに、苦味・コク・酸味・香りといった味わいのバランスをチャート化。ベリーやキャラメル、ナッツといったフレーバーの特徴も添えることで、コーヒーに詳しくない方でも、直感的に違いを理解しながら自分好みを選べるデザインの配慮です。
複数のパッケージを並べた際のカラフルさや統一感も、コレクション性を高めるポイントです。ギフトとしての魅力も強化し、日常の中で手軽に非日常の旅気分を味わえる、ストーリー性と楽しさを兼ね備えた体験型コーヒーセットの化粧箱として仕上げています。
事例② タグ形状POP ―手に取った瞬間に体験価値を伝える
ボアバッグに直接ぶら下げられるタグ形状のPOPは、消費者が売り場で手に取った瞬間に一番に目にするツールです。セット内容と今回のキャンペーンのイメージを、コンパクトに伝える役割を担っています。タグ形状POPで目指したのは、単なる商品紹介にとどまらない体験価値の訴求。視覚的なストーリーテリングと商品情報の分かりやすさを両立させた構成としました。

背景には広げた地図と木目の質感を採用し、異国を巡る旅情と、コーヒーがもたらす温もりを同時に感じさせるビジュアルとしました。ドリップコーヒーを淹れるシーンと組み合わせることで、日常の中で手軽に旅気分を味わえるという価値を表現しています。
タグの中央に大きく配置された「Journey Bag」のロゴは、体験価値の象徴として機能し、ブランドの存在感を強く印象づけます。下部には各産地のパッケージを並べて配置し、色やイラストで個性を明確化。飲み比べの楽しさや、自分の好みを選ぶワクワク感を、限られた紙面の中で直感的に伝えるデザインに仕上げました。
事例3 A3ポスター ―売り場で視線を捉える告知

キャンペーンを告知するA3ポスターは、たくさんの商品やPOPが並ぶ量販店・スーパーの店内で、消費者の目に留まり、キャンペーンのイメージを明確に伝え、購入へつなげる役割です。
ポスターでは、「コーヒーで世界を旅する体験」という情緒的な世界観と、「実用性の高いお得なセット価値」という機能的な訴求を融合させたデザインを目指しました。大きく配置したタイトルと世界地図のビジュアルで非日常の旅気分を想起させながら、中央にはボアバッグとタンブラーを大きく配置し、質感やサイズ感が伝わるようにすることで、日常使いのイメージを具体化。下部には色鮮やかなドリップコーヒーのパッケージを並べ、産地ごとの違いや飲み比べの楽しさを視覚的に訴求しています。情緒と機能、両面からの訴求で、売り場での衝動買いを促すことを狙ったデザインを目指しました。
完成
完成した限定セットと販促ツールがこちらになります。

先方と何度も協議を重ね、ブランドらしい世界観の中での表現をすべての制作物に一貫させて完成させることができました。
ギフトとして活用した方からは、贈った相手にも大変喜ばれたとのお声をいただいています。
店頭で「ほしい」を引き出すパッケージ・POPデザイン

ここからは、本案件を踏まえつつ、店頭でターゲットの情緒に訴え、「ほしい」と感じてもらうためのパッケージ・POPデザインに必要な3つの視点をご紹介します。
1. 商品の世界観を、一目で伝えるビジュアル設計
店頭に並ぶ無数の商品の中で、消費者の視線を最初に捉えるのは、商品が放つ世界観です。
売り場を歩く消費者は、商品を一つひとつ吟味するわけではありません。遠目に視界に入った瞬間に「気になる」と思わせる視覚的フックと、近づいて見た数秒で商品の世界観と方向性が伝わる情報設計。この両立が、パッケージ・POPデザインの出発点となります。
色彩のインパクト、シンボリックなモチーフ、商品名やキャッチコピーの視認性、競合商品との明確な差別化――ビジュアルを構成するすべての要素を、商品の世界観に沿って組み立てることで、売り場で他の商品と一線を画す独自の存在感が生まれます。
2. 「自分のための商品だ」と感じさせる共感設計
世界観で視線を捉えた後、次に重要なのがターゲットへの共感設計です。どれだけ世界観が魅力的でも、自分の生活や気持ちに重ならなければ、購買行動には結びつきません。
消費者が商品を手に取る瞬間に必要なのは、「これは自分のための商品だ」と感じさせるディテールです。
共感を生むためには、ターゲットが自分の生活の中で、「この商品をどう使うか」「どんな体験をもたらしてくれるのか」を直感的にイメージできるデザインが必要です。例えば、ターゲットが共感する使用シーンの提示、悩みに寄り添うコピー、選ぶ楽しさを引き出す情報設計など、紙面のあらゆる要素で「自分ごと」を演出する工夫が効果的です。商品の機能や特徴を、ユーザーの悩みや欲求と結びつけて伝えることで、限られた紙面の中でもメッセージが届きます。
3. 持ち帰りたくなる、特別感のあるデザイン
最後の視点は、「持ち帰りたくなる」「贈りたくなる」と思わせるギフト感のあるデザインです。
自分のために購入する商品であっても、特別感やご褒美感のあるパッケージは、購買意欲を後押しします。さらに、ギフト需要も視野に入れるなら、「贈る相手に喜んでもらえるか」という視点での設計が欠かせません。
ギフト感を演出するポイントは、質感の高さ、色彩の洗練、ディテールの細やかさにあります。素材の選定、印刷加工の質、フォントの選び方、余白の取り方――こうした細部の積み重ねが、商品の格を引き上げ、「ちょっとした贈り物に」「自分へのご褒美にちょうどいい」という感覚を生み出します。
店頭ディスプレイデザイン制作まとめ
今回は、東京の大手飲料メーカー様よりご依頼いただいた、冬季限定セット商品キャンペーンの化粧箱・タグ形状POP・A3ポスターの制作事例をご紹介しました。「Journey Bag」というコンセプトを、3つの制作物それぞれに最適な形で視覚化し、店頭でのブランド体験を支えることを目指した案件です。
店頭に並ぶ商品の中で消費者の心を動かすには、機能や価格を伝えるだけでは不十分。商品が提供するブランド価値を視覚化し、共感まで含めて設計すること――パッケージ・POPデザインに求められる役割を見つめなおした案件となりました。
JPCでは、店頭ディスプレイ・パッケージ・POPの制作はもちろん、カタログ、Webサイト、映像まで幅広い広告制作を手がけており、コンセプトを起点に多媒体への展開まで一気通貫で対応する体制を強みとしています。新商品のキャンペーンツール制作、パッケージ・POPデザイン、シリーズ商品のブランディングをご検討中のご担当者様は、ぜひお気軽にご相談ください。