2025.11.13
展示会ブースのデザイン制作事例 –見て触って実感できる4面ブース設計
今回は、大阪に本社を構える住宅建材メーカー様の展示会ブース制作事例をご紹介します。
展示会ブースは、製品や企業の魅力を直接体験してもらえる、販促活動の中でも重要な発信の場です。限られたスペースの中でどのように製品を見せるか、来場者の興味を引きつけるか、ブランドの印象をどう伝えるか。そのすべてを考慮した空間デザインが求められます。
本記事では、2025年に開催された住宅系展示会のブース制作事例に沿って展示ブースの工夫や壁面設計のポイントをご紹介します。「展示会での見せ方を工夫したい」「製品をわかりやすく体験できるブースを作りたい」とお考えの企業様の参考になれば幸いです。
目次
展示会ブースデザイン制作の概要
まず、展示会ブースデザイン制作の概要についてご紹介いたします。
ご依頼主-大阪の住宅建材メーカー様-
今回の案件は、大阪に本社を構える住宅建材メーカー様からご依頼いただきました。この企業様はキソパッキン、床下点検口、マンホールをはじめとする住宅建材を製造販売されています。これまでJPCでは、製品の個別カタログや総合カタログ、展示会用のブース等多くの販促物を制作させていただきました。
ご依頼内容-住宅系展示会のブース制作-
今回は、グランメッセ熊本で開催された住宅系展示会において、クライアント様が出展される展示会用ブースの設計・デザイン・設営をご依頼いただきました。ブースは 5.4×3.6m の長方形で、四方が開放された「島小間」構成でした。
デザイン制作におけるポイント-実物展示を活かした体験型オリジナルブース-
クライアント様からは主に次の3つのご要望をいただきました。
- 指定の製品を、実物とカタログビジュアルを組み合わせて展示すること
- 天井に施工する製品を、実際に設置されているように見せること
- 多くの展示商品を、限られたスペース内でバランスよく配置すること
これらに加えて、主催者による出展規則やご予算条件も踏まえ、オリジナルブースの企画・制作を進行しました。限られたスペース内で製品の特長を効果的に伝え、来場者が“見て・触れて理解できる”展示空間を目指しました。
展示会ブース制作の流れ
4面ブースを効果的に使うレイアウト設計
まず会場全体のレイアウトと小間の位置を確認し、来場者の動線を想定して各面の展示内容を検討しました。島小間という特性を活かし、4面すべてを展示面として活用するプランを採用しました。
壁面は規定限度の高さ 2,700mm とし、情報量を最大化。限られたスペースの中で、より多くの製品と情報を効果的に展示できるよう設計しました。そのため社名サインはあえて控えめに配置し、製品そのものの魅力を主役とするデザインとしました。
色を活かした視覚的なカテゴリ整理
ブース全体の基調色はホワイトを採用。製品カテゴリごとに配色を分け、
- 正面・右側面:エクステリア部材 → ブラックの帯
- 左側面・背面:インテリア部材 → ライトグレーの帯
としました。
この配色により、来場者が自然に製品のジャンルを識別でき、展示数が多くても整理された印象を与えられます。
ブース壁面デザインの詳細設計
今回のブースは、限られたスペースの中で多数の製品を効果的に見せるため、壁面ごとに役割を明確化し、“見やすさ”と“体験しやすさ”の両立を目指した構成としました。
各壁面についてご紹介します。
●正面
メイン通路側となる正面には、来場者の目を引くカタログビジュアルを大きく掲載し、通気系部材コーナーを配置しました。
カタログ情報の隣に実物模型を展示し、ビジュアルと実物を並列に配置することで、製品の仕組みや特徴を直感的に理解できる展示を実現しました。
さらにカウンターを設けて、製品を実際に手に取って確認できる体験型の構成としています。

●左側面
正面からも見えやすい左側面には、2種の製品を展示しました。
片方の製品は、「実際の施工イメージを再現したい」というご要望をいただいていましたので、壁面上部に箱型の構造を設け、その底面に製品を取り付けました。
下部には室内でよく使用されるエンボス調の壁紙を貼り、住宅空間を模したリアルな展示演出を行っています。


●背面
背面にはバックヤードへの入口を設置し、展示エリアと機能エリアを両立しました。
入口左側には3種の製品を展示し、壁面ビジュアルと床面実物で取り付けイメージをリアルに見て触れて実感できます。
入口右側には、壁面収納アイテムの製品を展示。こちらも実物展示用のカウンターを設置しました。
ブースを俯瞰から見た場合の中央にあたる内部スペースは、スタッフの荷物やカタログ在庫を置ける収納エリアとして活用し、運営面での使いやすさにも配慮しています。

●右側面
残る右側面には、キソ関連の2製品を配置し、関連製品としての一体感を演出。
この面にも実物を見やすくするためのカウンターを設けました。

展示会ブースデザインの完成
完成したブースデザインがこちらです。


設計図・パース通りの仕上がりとなりました。
高めの壁面を最大限に活用し、限られたスペースの中でも情報量と展示密度のバランスを実現しました。住宅建材系の製品ということで、カタログではわからない実物の雰囲気や施工イメージを見て触れて体感できるブースが完成しました。
4面が通路に面した「島小間」の特性を活かし、ブース周囲を広く開放することで、来場者が気軽に立ち寄れるオープンな展示空間となりました。
製品点数が多いながらも、カテゴリごとに整理されたブース設計とデザインにより、全体の見栄えもすっきりとしており、クライアント様にも大変ご満足いただけました。
展示会ブースデザインでJPCが選ばれる理由
展示会出展の準備には、ブースの設計だけでなく、製品の見せ方、パネルデザイン、配布物などツール制作など、多くの要素を同時に進める必要があります。さらに、立体的な空間デザインが求められる展示会ブースは、平面グラフィックとは異なる“空間で伝える表現力”が問われます。
本章では、JPCが展示会ブースデザインをご依頼いただけるポイントをお伝えいたします。
1. 豊富な経験に基づくブース提案
出展目的や来場者の動線を踏まえ、最適なレイアウトとデザインをご提案します。島小間や壁面小間など、さまざまな出展形態に対応し、「どの方向から見ても印象に残るブース」を設計します。関連する販促物や企業イメージに合わせて幅広いデザインテイストに対応可能です。
2. 3Dパースによる明確な完成イメージ
JPCでは、ブース設計の段階で3Dパースを作成し、空間全体の見え方を立体的に確認できます。照明やサインの配置、通路からの視線などを事前にシミュレーションすることで、当日の会場でもスムーズに設営が進められます。「完成後のイメージがわかりやすい」と多くのクライアント様からも好評です。
3. 什器・ツール制作までワンストップ対応
ブースの設計だけでなく、パンフレットや配布ツール、動画やノベルティなどの制作までをワンストップで制作いたします。統一感のあるデザインで、ブランドイメージを効果的に伝えます。出展準備の手間を減らしながら、展示全体のクオリティを高められるのがJPCの強みです。
展示会ブースデザイン制作のまとめ
今回は、大阪の住宅建材メーカー様の、展示会用ブース制作事例をご紹介しました。
限られたスペースの中で多くの製品を効果的に見せるために、壁面ごとの役割を明確に設計。来場者が“見て・触れて・理解できる”体験型の展示構成とすることで、製品の特長をわかりやすく伝えるブースを実現しました。展示位置や動線、カテゴリごとの配色など細部まで工夫を重ね、整理された見やすさと訴求力の両立を図っています。
JPCでは、展示会ブースの企画・設計・デザイン・施工をはじめ、配布ツールや壁面で流すPR映像の制作など関連業務まで一貫して対応しています。製品の特長を引き立てるブース構成や、ブランドイメージに合ったデザイン提案など、目的に合わせた最適な展示空間をトータルでご提案いたします。
「限られたスペースで製品を効果的に見せたい」「自社らしいインパクトのある展示デザインを考えたい」といったご要望がありましたら、ぜひお気軽にご相談ください。
展示会ブース制作について詳しくは、こちらのページもご覧ください。
