2024.09.12
展示会用ブースの制作事例 – 来場者が足を止める魅力的なブースづくり
展示会はBtoB、BtoCに限らず幅広い業界で行われており、どちらもできれば「実物」を展示することが理想的です。製品によっては展示が難しいと思われるものもあるかもしれませんが、設計や施工によって工夫すれば実物を展示でき、来場者の興味を引く展示ができます。
今回は、住宅系の展示会におけるブースデザイン制作事例をご紹介します。限られたスペースと予算内で、先方のご要望を叶えるべく設計を進めました。数多くの製品を展示しつつ、来場者の方々が楽しめるようなコンテンツも設置したブースが実現しました。
ぜひ、これから展示会への出展をご予定されている方は、最後までお読みいただき、ブース制作のポイントなど参考にしてください。
目次
展示会ブース制作の概要
まず、今回の展示会ブース制作の概要について、ご紹介いたします。
ご依頼主-大阪の住宅系メーカー様-
今回の案件は、大阪に本社を構える住宅系メーカー様からご依頼いただきました。
この企業様はキソパッキン、床下点検口、マンホールをはじめとする住宅建材を製造販売されています。
これまでJPCでは、製品の個別カタログや総合カタログ、展示会用のブース等多くの販促物を制作させていただきました。
ご依頼内容-住宅系展示会のブース制作-
今回は、マリンメッセ福岡で開催された「新春アイラブホームフェア 2024 in 福岡」という展示会にクライアント様が出展されるため、ブース制作をご依頼いただきました。
JPCではブースの設計・デザイン・設営を担当いたしました。
小間サイズは5.4×3.6Mの長方形で、隣接小間のない島小間です。
デザイン制作時におけるご要望-製品を実感できる仕掛けづくり-
案件進行にあたり、お客様からご要望いただいたブースに取り入れたい展示・ポイントは、下記の5点です。
- 床下点検口の取り付けを実演するスペース
- キソ点検口の大きさを体感してもらうための仕掛け
- 木造住宅の基礎から壁面の中で使用される製品の取り付け状況の表現
- 商品の新しい柄を、来場者の人気投票で決める仕組みづくり
- 数の多い展示商品が収まるブースデザイン
これらの要望と、主催者からの出展規則、予算を踏まえて、オリジナルのブース制作に取り掛かりました。次章より、各ご要望をどのように実現していったのかを押さえながら、制作のポイントをお伝えします。
展示会ブースデザイン制作のポイント
ブースデザイン制作は、来場者の導線を把握し、ご要望を一つひとつブース設計に落とし込んでいきました。
動線からブースレイアウトを考案
まずは会場全体と小間の位置関係から動線を把握します。
展示会ブース制作においては、デザインはもちろん、来場者がどのようにブースに向かって来るか、動線を見極めることが重要です。
今回の小間の場合、正面から見て右から人が主に流れてくる場所でしたが、左側に大きな通路があり人が溜まりやすい傾向にあるため、1つ目のご要望の【床下点検口の実演台】を左面に配置することにしました。
そのほかの製品は、種類やサイズを考慮しながら設置場所を決めていきました。
<実演台壁面デザイン>
体験できる仕掛けをデザイン
2番目のご要望【キソ点検口の大きさの体感】は、壁にキソ点検口を取り付け、奥に箱状の空間を設置し、そこにお菓子袋を置いて腕を入れて取ってもらう体験型の仕掛けをご提案いたしました。
「体験コーナー」と吹き出しをデザインし、「開けてみてね 何かが見つかるかも…?」とコピーを付けることで、「なんだろう?」という来場者の興味とアクションにつなげています。
体験する方に景品をお配りしたこともあり、多くの方に興味を持ってもらえるフックになったと思います。
<キソ点検口体験コーナー>
デザインと製品の組み合わせでわかりやすさを向上
3番目のご要望【製品の取り付け状況の表現】については、クライアント様の製品は住宅建築の見えない部分に使われているため、いかにビジュアル的に表現するか考えました。
壁面部分に家の壁の中をデザインし、その上に実物製品を取り付けることで来場者にイメージを持っていただける展示が実現します。家の土台となるキソ部分は立体的につくることで取り付け位置を正確に表現しました。
それぞれの製品の説明をビジュアル表現の中に含めることで、わかりやすい展示となりました。
<壁の中のイメージ展示>
アンケート施策のアイデア
4番目のご要望【商品の新しい柄を人気投票で決める仕組み】については、展示製品が多く埋もれてしまいそうだったので、展示以外の方法をクライアント様と考えました。
その中でクライアント様からアンケート企画を提案いただき、JPCではアンケート用パネルを制作しました。
<アンケートパネル>
パネルを社員様が持って来場者に見せ、好みの柄にシールを貼ってもらう方式です。
来場者と直接会話することで、より多くのアンケートをとりやすくなります。また、限られた壁面スペースを他のことに有効活用できるようになりました。
情報を整理した壁面デザイン
5番目のご要望【数多くの展示商品を収めるデザイン】については、まずすべての壁面デザインのレイアウトを上中下の3つの区画分けで統一させました。
<壁面デザインレイアウト>
壁面によってカラーなどは異なりますが、すべて上部分に製品名とキャッチコピー、中段に写真や説明、下部分に製品や模型等を設置しています。
レイアウトを統一することで、来場者が情報を受け取りやすくなり、展示された多くの製品を判別しやすくしました。壁面展示において、複数の情報を掲載する場合は高さを一定の並びに揃えるのが基本です。
各パネルで高さやレイアウトがバラバラだとわかりづらい展示になってしまうため、基本は一定で目立たせたいエリアだけ独自デザインで印象付けるようにしています。
最終的に完成したブースがこちらです。
完成したブースは、設計図やパースで考えた通りに出来上がりました。
あまり大きなブースではありませんが、壁面を最大限に有効活用して多くのコンテンツを盛り込んでいます。
小間の周りがすべて通路で、小間の境界からブース壁面までの距離も近いので誰でも気軽に立ち寄りやすく、当日は多くの方に見ていただけました。
さまざまな製品を展示しながらも、整理して展示することである程度スッキリとした見栄えにでき、クライアント様にも喜んでいただけました。
展示会ブースで来場者が足を止める施策例3選
展示会の会場では数多くのブースが立ち並び、来場者が一つひとつのブースをじっくり見るわけではありません。この章では、今回の事例を参考に、来場者が足を止める施策やポイントをご紹介します。
体験型の展示をする
展示会といえば、壁面ブースにさまざまな情報が掲載されているイメージがありますが、文字情報や写真を見ていくだけでは来場者の記憶に残りません。
ブースに長い時間とどまり商品やサービスを覚えていただくために、体験スポットを設置するのがおすすめです。実際の製品を見て、触って、使うことで、来場者の記憶の定着につながります。
また、自社製品の強みを実感いただける絶好のチャンスにもなります。展示会ブース内に収まる製品を扱う企業様は、体験や実演展示を検討してみてはいかがでしょうか。
来場者が参加できるコンテンツを取り入れる-アンケートやクイズなど
今回の事例のように、アンケートなどで来場者の方に考えてもらう施策は、ブースに一定時間足を止めていただけることに加え、コミュニケーションの機会をつくることにもつながります。
さらに「回答者全員に景品プレゼント」「プレゼントが当たるクイズ」などの特典をプラスすれば、参加いただける確率が高まります。来場者が楽しみながら自社製品を覚えていただけるおすすめの施策です。
インパクトのあるモチーフを置く-大型模型やキャッチコピー
来場者を引き付ける展示として、アイキャッチとなるものを大きく打ち出すという施策があります。来場者は多くのブースを短時間で見ていくため、その中で目立つためには視覚的なインパクトが重要です。
例えばスペースを大胆に使った大型模型や、正面に大きく掲げられたキャッチコピーなどが挙げられます。
メインとなる商材が決まっている企業様は、印象付けとして効果的です。周囲のブースとの差別化を図ることができ、展示会後の認知度向上にも寄与します。
展示会ブースデザイン制作のまとめ
今回は住宅系展示会でのブースデザイン制作について、ご紹介いたしました。
せっかく出展するなら、より多くの情報を発信できる展示会にしたいというクライアント様のご要望を組んだ、充実のブースが完成いたしました。壁面展示と実物展示をうまく組み合わせ、来場者に製品をPRできる良いブースが作れたのではないかと思います。
JPCには展示会設計の専門スタッフが在籍しており、豊富な実績がございます。ブースデザインに伴うチラシや映像制作などのご相談も承りますので、ご検討中のお客様は、まずはお気軽にお問い合わせください。
JPCの展示会ブースのデザイン制作について、詳しくは下記のページもご覧ください。
展示会ブースのデザイン制作