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2026.06.11

展示会ブース制作事例 – 島小間を活かした製品体験型ブースの設計 –

展示会ブース制作事例 - 島小間を活かした製品体験型ブースの設計 -

今回は、住宅建材を製造・販売するメーカー様よりご依頼いただいた、展示会ブースの制作事例をご紹介します。

展示会のブースは、限られた時間と空間のなかで自社の製品や世界観を来場者に伝える、重要な接点です。とはいえ、出展する製品が多ければ多いほど、すべてを並べただけでは雑多な印象になり、肝心の主力製品が埋もれてしまうことも少なくありません。来場者に立ち寄ってもらい、製品の魅力を正しく届けるには、空間そのものを設計する視点が欠かせないでしょう。

本記事では、多品種の建材を扱うメーカー様のブースを題材に、主軸製品を際立たせながら多くの製品を整理して見せた設計の流れと、四方が通路に面する区画を活かすための考え方をご紹介します。展示会への出展を検討されている方や、ブースの見せ方に課題を感じている方は、ぜひご参考ください。

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展示会ブースデザイン制作の概要

ご依頼主 – 住宅建材メーカー様 – 

ご依頼主は、床下点検口や基礎まわりの部材をはじめ、住宅に使われる多彩な建材を製造・販売されているメーカー様です。

JPCはこれまでも、製品ごとの個別カタログから総合カタログ、そして展示会ブースに至るまで、数多くの販促物のデザインを担当してまいりました。長年お付き合いのある企業様であり、製品特性やブランドの方向性を踏まえたうえでのご提案が可能でした。

ご依頼内容 – 島小間を活かした製品体験型ブース – 

ご依頼いただいたのは、住宅関連の大型フェアに出展されるブースの設計・デザイン・設営です。区画は5.4m×3.6mの「島小間」。四方すべてが通路に面した、開放的なタイプの小間で、JPCがブースの設計・デザイン・設営をトータルで担当しました。

デザイン制作におけるポイント – 「情報の整理」と「見栄え」の両立 – 

今回のブースづくりで重視したのは、数多くの製品を扱いながらも雑多に見せず、その一方で主軸となる製品はしっかりと際立たせるという、相反しがちな2つの目標の両立でした。

製品点数が多い展示では、情報の交通整理ができていないと、来場者はどこを見ればよいか分からなくなってしまいます。色やラインによるグルーピングや、視線を導く配置の工夫を重ね、「情報の整理」と「見栄え」を両立させる設計を心がけました。

展示会ブースのデザイン制作の流れ

ヒアリング

設計に入る前に、まずはクライアント様がブースで実現したいことを丁寧にうかがいました。ご要望は、大きく次の3点です。

  • 主軸製品を、ブース内でもっとも目を引く位置に据えること
  • 各製品を、実際の施工状態に近い高さ・位置で見せるリアルな展示
  • 多彩なラインナップを整理し、来場者がスムーズに見て回れる動線の確保

これらの軸を共有したうえで、具体的なレイアウトの検討へと進みました。

区画の特性を踏まえた配置方針の検討

ご要望を共有できたら、いよいよ空間の設計に入ります。最初に取り組むのは、会場全体の人の流れと、自社の小間がどの位置にあるかの精査です。

今回の区画は隣接する小間がない島小間で、四方すべてが来場者に面した4つの展示面を持っていました。どの面にどの製品を配置するかで、ブースの印象や立ち寄りやすさは大きく変わるもの。そこで、ブース周辺の通路がもっとも広く、人通りの多い方向を見極め、その面に主軸製品のコーナーを配置する方針を固めました。

主軸製品を際立たせる変則レイアウトの作成

通常、4面が開放された小間で展示効率を優先するなら、壁面をそのまま活かした四角いレイアウトが一般的です。しかし今回は、最優先製品をより際立たせるため、あえて角のひとつを平面にカットした「5面構成」の変則的なレイアウトを採用しました。

主軸製品を際立たせる変則レイアウトの作成1

カットした面だけを全面ブラックで仕上げ、モニターを壁面に、製品を床に置く構成としています。周囲のホワイトを基調とした空間のなかで、その一角だけが引き締まった色調で浮かび上がり、ブース内でもっともアイキャッチ効果の高い見せ場となりました。

主軸製品を際立たせる変則レイアウトの作成2

製品特性に合わせたリアルな展示設計

主軸製品から右側へ視線が流れることを想定し、関連する点検口シリーズをその面に集約しました。点検口は「天井・壁・床」と設置部位によってカテゴリーが分かれており、それぞれを実際の施工状態に近い高さで見せることが、クライアント様からの強いご要望でした。

天井用の製品は、壁面上部にボックス状の造作を設け、その下面に取り付けることで、見上げたときのリアリティを再現。壁用の製品は壁面へフラットに埋め込み、床下用の製品は薄型の専用台座を製作して天面に設置することで、実際のフロアレベルでの使用感を表現しました。

製品特性に合わせたリアルな展示設計1

主軸製品の左側にあたる面は、5面のなかでもっとも面積が限られます。ここには軒天換気材や水切りといった、こだわりの建材を配置。狭いスペースでも煩雑に見えないよう、展示製品のボリュームをクライアント様と細かく調整し、密度を最適化することで、限られた面積ながら視認性の高いレイアウトに仕上げています。

製品特性に合わせたリアルな展示設計2

さらにその奥、主軸製品の背面にあたるもっとも広い面には、バックヤードへの出入口を設けました。ブース中央にスタッフの荷物やカタログのストックを収めるバックヤードを配置し、その外周を展示スペースとする機能的な構造です。出入口の脇には基礎まわりの製品を展開し、実物を手に取って確認できる接客カウンターも設置しました。

製品特性に合わせたリアルな展示設計3

残る一面には窓・扉まわりや室内用の建材を展示。なかでも壁面に設ける飾り棚(ニッチ)は、2種類の実物を壁に組み込み、実際の暮らしのなかでの使われ方がひと目で伝わるように工夫しました。こちらにも商談用のカウンターを設けています。

製品特性に合わせたリアルな展示設計4

ブースの基調色は清潔感のあるホワイト。壁面にブラックやグレーのラインを配することで、多岐にわたる製品群を視覚的にグルーピングしました。来場者が迷うことなく、目的の製品を判別できる仕掛けです。また、壁面の高さは規定の上限である3,600mmに設定し、各面の上部に社名サインを掲示することで、遠目からの視認性とブランドの存在感を高めています。

展示会ブースの完成

完成したデザインがこちらです。

展示会ブースの完成1
展示会ブースの完成2

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緻密に練り上げた設計図やパースのイメージを、細部まで忠実に再現することができました。決して広いとは言えない区画でしたが、垂直な壁面を最大限に活用することで、クライアント様がご希望された多種多様な製品群を、余すことなく網羅した展示を実現しています。

島小間という特性を活かし、通路境界から展示壁面までの距離をあえて近く設定した点もポイントでした。この「境界の低さ」が来場者の心理的なハードルを下げ、どの方向からでも気軽に足を止めて製品に触れられる、開放的な空間として機能します。会期中は途切れることなく、多くの方々に立ち寄っていただくことができました。

多くの製品を展示しながらも、カラーリングによるグループ分けと整然としたレイアウトを徹底したことで、雑多な印象を与えない、洗練された佇まいに。「情報の整理」と「見栄え」を両立させたこの仕上がりには、クライアント様からも、見やすくブランドイメージに合っているとの高い評価をいただきました。

四方が通路に面した「島小間」を最大限に活かすブース設計の考え方

ここからは、今回の事例も踏まえながら、四方が通路に面した「島小間」を活かすために押さえておきたい考え方をご紹介します。出展する区画のタイプによってブース設計のセオリーは変わるため、島小間ならではの特性を理解しておくと、限られたスペースでも成果につながりやすくなるはずです。

1. どの面を主役にするかで平面の配置を決める

島小間は四方すべてが通路に面しているため、来場者はあらゆる方向から近づいてきます。裏を返せば、すべての面が「正面」になり得るということ。どこを主役にするかを設計者が意図的に決めなければ、ブース全体の印象がぼやけてしまいます。

まずは会場のなかで自社の区画がどこに位置し、どの方向から人が流れてくるのかを把握すること。そのうえで、とくに人通りの多い面に主力製品を据え、そこから視線が流れる先に関連製品を配置していくと、平面上の優先順位が定まります。すべての面を均等に扱うのではなく、主役と脇役のメリハリをつけることが、四方開放の強みを活かす出発点になります。

2. 高さ方向を使って限られた床面積を補う

島小間は四方が開けている分、壁で囲まれた小間に比べて使える壁面の総量が限られます。床面積もまた有限です。そこで効いてくるのが、高さ方向の活用です。平面だけで考えず、空間を立体として捉えることで、同じ区画でも展示できる情報量は大きく変わります。

意識したいのは、来場者の視線がどの高さを通るかを起点に設計することです。立ったときの目線の高さ、見上げる高さ、足元の高さと、それぞれに役割を割り振ると、限られた床面積でも展示に奥行きが生まれます。とくに島小間では、上方向の空間は四方どこからでも見えるという利点があります。高い位置に掲げるサインや吊り下げ装飾は、遠くの来場者にもブースの存在を伝える有効な手立てになるでしょう。

3. ゾーニングと動線で「多くても迷わせない」状態をつくる

製品点数が多いブースで陥りがちなのが、すべてを並べた結果、来場者がどこを見ればよいか分からなくなる状態です。とくに四方から人が入ってくる島小間では、決まった入口や順路が存在しません。どの方向から来ても直感的に見て回れる整理が欠かせないのです。

考え方の軸は、「関連するものを近くにまとめ、関連しないものは明確に分ける」というシンプルな原則です。製品を用途や種類でグループにまとめ、グループ同士のあいだに視覚的な区切りを設けると、来場者は自分の関心に沿って迷わず移動できます。順路を一方向に固定できない島小間だからこそ、どの面から入ってもグループの切れ目が伝わる配置にしておくことが、回遊のしやすさにつながります。

展示会ブースデザイン制作まとめ

今回は、多品種の建材を扱うメーカー様の島小間ブースを題材に、主軸製品を際立たせながら多くの製品を整理して見せる設計の流れと、四方が通路に面した区画を活かす考え方をご紹介しました。区画タイプの理解、境界の低さによる立ち寄りやすさ、色とサインによる視認性の確保。これらを組み合わせることで、限られたスペースでも製品の魅力をしっかりと伝えるブースが実現します。JPCでは、展示会ブースの設計・デザインから設営、ブース内で配布する販促物の制作まで、ワンストップで対応しています。競合と差をつける売り場づくりを、トータルでお手伝いできる体制が強みです。展示会への出展やブースの見せ方でお悩みの際は、ぜひお気軽にご相談ください。

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