2025.12.04
BtoBサイト制作を成功させるコツとは?Web制作会社の選び方も解説
BtoBサイトの制作を検討しているものの、「成果につながるサイトをどう作ればいいのかわからない」「Web制作会社はどこに依頼すればいいのか判断できない」といった悩みを抱えている担当者の方も多いのではないでしょうか。
ビジネスのオンライン化が進む現代において、BtoBサイトは新規顧客の獲得やブランディングにおいて重要な役割を担います。しかし、その制作にはターゲット設定やサイト設計、SEOといった専門的な知識が必要であり、やみくもに進めても期待した成果は得られません。
本記事では、BtoBサイト制作で失敗しないための具体的なポイントや、サイト種類別の特徴・費用感・Web制作会社の選び方までをわかりやすく解説します。BtoBサイト制作を検討しているマーケティング・Web担当者の方はぜひ最後までお読みいただき、ご参考にしてください。
目次
BtoBサイト制作とは?BtoCサイトとの違い
BtoBサイト制作とは、企業間取引用(Business to Business)に特化したWebサイトを企画・構築することを指します。取引先企業や見込み顧客(法人)に向けて、製品・サービスの情報発信やリード獲得、ブランディングを目的として制作されます。
一方で、BtoCサイト(Business to Consumer)は、一般消費者を対象に商品購入やサービス申込などの即時的な行動を促すことが目的です。このように、両者の大きな違いは「ターゲット」と「目的」にあります。
BtoBサイトでは、製品やサービスの機能・価格といった情報だけでなく、導入事例や技術資料、企業の信頼性を示す情報を提供し、見込み顧客にじっくりと比較検討してもらうことが重要です。
また、複数の担当者や決裁者が関与するBtoBの購買プロセスでは、信頼構築や情報の深さが成果に直結します。最終的なゴールは、見込み顧客との商談機会を創出するだけでなく、企業の信頼性を高め、既存顧客やパートナーとの関係を強化することにあります。
そのため、BtoBサイトは単なる情報発信の場ではなく、マーケティング・営業・ブランディングを包括的に支える戦略的なプラットフォームとして設計することが重要です。
BtoBサイトの種類
BtoBサイトにはさまざまな種類があり、それぞれ目的や役割が異なります。
代表的なサイトの種類として、以下の6つが挙げられます。

- コーポレートサイト
- ブログ・オウンドメディア
- キャンペーン・プロモーションサイト
- ランディングページ(LP)
- 採用サイト(リクルートサイト)
- サービスサイト・ブランドサイト
それぞれの特徴とメリットを解説します。
コーポレートサイト
「コーポレートサイト」は、企業の公式情報を発信する中心的なWebサイトです。事業内容、企業理念、会社概要、IR情報、沿革などを網羅的に掲載し、取引先や金融機関、株主、求職者など、あらゆるステークホルダーに向けて企業の信頼性を示す役割を担います。
BtoBビジネスでは、取引先の選定時にまず企業のWebサイトが参照されるケースが多く、「信頼できる会社か」「取引リスクがないか」といった判断材料になります。そのため、デザインや構成の整ったコーポレートサイトは、企業の信用力を高める重要な要素です。
また、近年では製品情報や導入事例、ニュースリリースを通じてリード獲得や採用ブランディングにも活用されるケースが増えています。単なる企業案内にとどまらず、企業の価値を発信する戦略的なコミュニケーションツールとして位置付けることが重要です。
関連記事:コーポレートサイトの役割や目的とは?必要なコンテンツも徹底解説
ブログ・オウンドメディア
「ブログ・オウンドメディア」は、企業が自ら運営し、業界の専門知識や市場動向、自社のノウハウなど価値ある情報を発信するWebサイトです。
BtoBビジネスにおいては、見込み顧客がすぐに購入・契約を決めることは少なく、まずは情報収集や比較検討の段階から関係を築くことが重要になります。
そのため、ターゲットの課題を解決する有益なコンテンツを継続的に発信することで、見込み顧客との信頼関係を構築し、将来的な商談や受注につなげることが可能です。また、SEO(検索エンジン最適化)対策としても有効で、検索経由での流入増加や、新たな潜在顧客への認知拡大にも貢献します。
さらに、記事コンテンツを活用して営業資料やセミナー、SNS投稿と連携することで、企業全体のマーケティング活動を効率化できる点も大きなメリットです。
オウンドメディアは、単なる情報発信ツールではなく、リード獲得とブランド価値向上を両立できる戦略的なプラットフォームといえます。
キャンペーン・プロモーションサイト
「キャンペーン・プロモーションサイト」は、新製品・新サービスの発表、展示会やウェビナーの告知、期間限定キャンペーンなど、特定の目的に特化して開設されるWebサイトです。短期間で多くの見込み顧客情報(リード)を獲得したり、新サービスやブランドの認知度を高めたりする際に有効です。
BtoB領域では、展示会やオンラインセミナーの開催告知、資料ダウンロードキャンペーン、タイアッププロモーションなどに活用されるケースが多く、コーポレートサイトとは異なる「集客・リード獲得に特化した設計」が求められます。特定のテーマに絞ったメッセージを発信することで、ターゲット層に的確に訴求でき、コンバージョン率の向上も期待できます。
さらに、SNS広告やメールマーケティングと連携して流入を増やす施策を組み合わせることで、より高い集客効果を得られます。プロモーション期間が限られるため、デザイン・コンテンツ・導線を最初から目的に合わせて設計することが重要です。
ランディングページ(LP)
「ランディングページ(LP)」とは、広告やメール、SNSなどを経由して訪れたユーザーに、特定のアクション(問い合わせ・資料請求・セミナー申込など)を促すことを目的とした1ページ構成のWebサイトです。1つの製品・サービスにフォーカスし、他ページへのリンクを最小限に抑えることで、訪問者の関心をスムーズにコンバージョンへと導く設計になっています。
BtoBサイトでは、新製品紹介やホワイトペーパー・事例資料のダウンロードなど、リード獲得施策の起点として活用されるケースが多いです。
また、広告運用やメールマーケティングと連携することで、特定ターゲットへの訴求効果を最大化できます。目的を明確に設定し、訴求内容とデザイン・CTA(行動喚起)を最適化することが、LP成功の鍵となります。
関連記事:LP(ランディングページ)とは?目的やメリットを徹底解説
採用サイト(リクルートサイト)
「採用サイト」は、求職者に向けて企業の理念や文化、働く環境、社員の声などを発信し、自社への理解と共感を促すWebサイトです。求人媒体だけでは伝えきれないリアルな情報を掲載することで、求職者の企業理解を深め、入社後のミスマッチを防ぐ効果が期待できます。
BtoB企業では、製品やサービスの専門性が高く、事業内容がわかりにくいケースも多いため、職種ごとの業務内容やプロジェクト事例を具体的に紹介することが重要です。また、動画や社員インタビューを取り入れることで、企業文化や働く人の魅力をよりリアルに伝えられます。
関連記事:採用サイトの目的・制作のメリットとは?効果的なコンテンツや事例も解説
サービスサイト・ブランドサイト
「サービスサイト」は、特定の製品やサービスの機能・導入メリット・価格・活用事例などを詳しく紹介し、問い合わせや資料請求の獲得を目的としたWebサイトです。導入を検討している見込み顧客に対して、比較検討に必要な情報を網羅的に提供することで、商談や契約といった具体的なアクションへとつなげます。
一方、「ブランドサイト」は、企業や製品がもつ独自の価値観・デザイン・理念を発信し、顧客の共感やロイヤリティの向上を目指すWebサイトです。サービスの紹介よりも、世界観やストーリーを重視してブランディングを行う点が特徴で、長期的なファンづくりやブランド価値の浸透に効果を発揮します。
関連記事:ブランドサイトを制作する目的とは?役割や参考事例をご紹介
BtoBサイト制作で失敗しないための7つのコツ
BtoBサイト制作で成果を出すためには、いくつかの重要なポイントがあります。ここでは、失敗を避けるための7つのコツを解説します。
- 目的とターゲット(ペルソナ)を明確にする
- サイトの種類を正しく選択する
- 競合サイトを分析し、自社の強みを定義する
- ユーザー目線とSEOを意識したサイト設計にする
- UI/UXを最適化する
- 適切なCTA(行動喚起)を設置する
- 公開後の運用・改善体制を整える
これらのコツを一つずつ見ていきましょう。
1.目的とターゲット(ペルソナ)を明確にする
まず、「何のためにBtoBサイトを制作するのか」という目的を明確にしましょう。たとえば、「新規リードを月20件獲得する」「問い合わせからの商談化率を20%向上させる」といった具体的な成果指標(KPI)を設定することで、必要なページ構成や導線設計、コンテンツの方向性が明確になります。
次に、「誰に届けたいのか」というターゲット(ペルソナ)設計です。BtoBでは、意思決定に複数の部署や役職が関わるため、個人の属性よりも、企業タイプ・課題・検討段階といった軸で定義する方が効果的です。以下のように、「想定ターゲット企業」を設定しておくと、制作方針を具体化しやすくなります。
| 企業タイプ | 製造業・部品メーカー(中堅規模・従業員300名) |
| 部署・職種 | 営業企画部、マーケティング部、情報システム部 |
| 主要課題 | 自社サイトからの問い合わせ数が少なく、展示会依存の営業構造を変えたい |
| 検討段階 | Webを活用した見込み顧客獲得施策を調査中 |
| 決裁フロー | 課長→部長→役員決裁(年度末に予算審議) |
このように整理しておくと、「どの立場の担当者が、どの課題を、どのタイミングで検討しているか」という構造を踏まえたコンテンツ設計が可能になります。
2.サイトの種類を正しく選択する
BtoBサイトを成功させるためには、設定した目的に合った種類のサイトを選ぶことが重要です。以下の表は、代表的なサイトタイプと主な目的の関係をまとめたものです。
| サイトの種類例 | 主な目的 |
|---|---|
| コーポレートサイト | 企業の信頼性向上ブランディング強化IR・広報活動の支援 |
| サービスサイト | 製品・サービスの導入促進問い合わせ・資料請求の獲得 |
| キャンペーン プロモーションサイト | 短期間でのリード獲得イベント・キャンペーン連動による認知拡大 |
| ランディングページ | 特定の行動(問い合わせ、資料請求など)の喚起 |
| ブログオウンドメディア | 見込み顧客の中長期的な育成SEOを活用したリード創出 |
| ブランドサイト | 企業や商品のブランド価値向上顧客ロイヤリティの育成 |
| 採用サイト | 企業の理念に共感する人材の獲得 |
目的に合わないサイトを制作してしまうと、見込み顧客への訴求がずれたり、社内のKPIと成果が一致しないなどのミスマッチが起こりやすくなります。そのため、最初の段階で目的とサイトの種類を正しく対応づけ、戦略的にサイト設計を行うことが、BtoBサイト制作を成功に導く重要なステップです。
関連記事:Webサイトの目的と役割とは?ホームページの種類別にわかりやすく解説
3.競合サイトを分析し、自社の強みを定義する
競合他社がどのようなWebサイトを運営しているかを分析することで、自社の戦略を明確にできます。まずは、競合サイトのデザイン・コンテンツ構成・キーワード戦略・CTA(行動喚起)などを調査し、どのように見込み顧客へ訴求しているかを把握しましょう。
また、検索上位を獲得しているページのテーマや構成を分析することで、自社が狙うべきキーワード領域や情報発信の方向性も見えてきます。
そのうえで、「他社にはない自社ならではの価値は何か」を明確にすることが重要です。
たとえば、以下のような観点で強みを整理すると良いでしょう。
- 製品・サービス面の強み:技術力・品質・納期対応力など
- サポート体制の強み:導入支援・保守・顧客フォローなど
- 企業姿勢の強み:社会的責任・持続可能性(SDGs対応)・業界実績など
これらを言語化し、サイト上で一貫したメッセージとして伝えることで、単なる情報掲載ではなく、「選ばれる理由」を明確に示すBtoBサイトを構築できます。
4.ユーザー目線とSEOを意識したサイト設計にする
BtoBサイトの訪問者は、自社の課題を解決するための具体的な情報を求めています。そのため、ユーザーの検索意図を踏まえ、以下のような情報をわかりやすく整理・構造化して提供することが重要です。
- 製品・サービスの仕様や価格
- 導入事例
- 技術情報
- よくある質問(FAQ)
- 会社概要や沿革
上記の情報に優先順位をつけ、関連する内容をまとめて配置することで、ユーザーが目的の情報にすぐアクセスできる構成になります。また、疑問や懸念に先回りして答えるコンテンツを用意することで、信頼感を高め、問い合わせや資料請求といったアクションへ自然に導くことができます。
さらに、検索エンジンからの流入を増やすためには、SEO(検索エンジン最適化)の視点も欠かせません。ターゲット企業が検索で使う具体的なキーワードを調査し、ページ構成や見出し、本文に自然に盛り込むことが大切です。
とくにBtoBでは、「課題×業種×ソリューション」のように、複合キーワードを意識した構成が有効です。たとえば、「製造業 DX 事例」や「人材育成 eラーニング 導入」など、購買検討段階にある見込み顧客をピンポイントで集客できます。
5.UI/UXを最適化する
BtoBサイトでは、専門的で情報量の多いコンテンツを扱うため、UI/UXの最適化が重要です。
UIを整えることで情報を直感的に理解しやすくなり、UXを高めることで、ユーザーがストレスなく目的の情報へたどり着けます。BtoBサイトでは、専門的な内容をいかに“わかりやすく伝えるか”が成果を左右します。
UI(User Interface)
ユーザーが目にするデザイン・レイアウト・フォント・配色などの見た目部分のこと。テキストや画像、動画だけでなく、メニューやボタンなどのインタラクティブな要素も含まれる。
UX(User Experience)
Webサイトを利用した際のユーザー体験や感情を表す。情報の探しやすさ・使いやすさ・満足度など。
たとえば、次のような工夫が効果的です。
- 図解やアイコンを活用して、専門的な説明を視覚的に補足する
- メニュー構成をシンプルにし、目的ページまで2〜3クリックで到達できるようにする
- 問い合わせフォームは入力項目を最小限にし、離脱率を下げる
こうしたUI/UX設計を行うことで、ユーザーの滞在時間や再訪率が向上し、最終的には問い合わせや資料請求といったコンバージョン率の改善につながります。
6.適切なCTA(行動喚起)を設置する
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「CTA(Call To Action)」とは、サイト訪問者に「問い合わせ」「資料請求」「セミナー申込」などの具体的な行動を促すボタンやリンクを指します。BtoBサイトの最終的な目的である商談機会の創出に直結するため、CTA設計は非常に重要です。
BtoBの場合、訪問者はすぐに購入・契約に至ることは少なく、段階的に情報収集や比較検討を行います。そのため、単一のCTAだけでなく、検討段階に応じた複数のCTAを用意することが効果的です。
たとえば次のように、ユーザーの関心レベルに合わせたCTAを配置すると、成果につながりやすくなります。
| 検討段階 | 有効なCTA例 |
|---|---|
| 情報収集中 | 「事例資料をダウンロード」 「課題解決ガイドを見る」 |
| 比較検討中 | 「製品仕様を詳しく見る」 「導入事例を確認する」 |
| 導入を検討中 | 「無料相談を予約」 「デモを申し込む」 |
また、「詳細はこちら」よりも「3分でわかる導入事例をダウンロード」のように、行動のメリットが伝わる文言を使うことでクリック率が大幅に向上します。
さらに、CTAボタンはページの最後だけでなく、コンテンツの途中(記事中段・サイドバーなど)にも自然に設置することで、離脱を防ぎながら行動を促せます。
7.公開後の運用・改善体制を整える
Webサイトは公開して終わりではなく、継続的な運用と改善を通じて成果を伸ばすことが不可欠です。サイト公開後は、アクセス解析ツールのGoogleアナリティクス4(GA4)、Search Console などを活用して、「どのようなユーザーが」「どのページを」「どれくらい閲覧しているのか」といったデータを分析し、コンバージョンに至らない原因や離脱ポイントを特定しましょう。
改善の流れは、次のようなステップで進めるのが効果的です。
- 分析:アクセス数・滞在時間・CV率などのデータを定期的に確認する
- 改善:分析結果をもとに、CTAの配置・導線・コンテンツ内容を最適化する
- 検証:A/Bテストや再計測を行い、改善の効果を検証する
また、ブログ記事・導入事例・ホワイトペーパーなどの定期的な情報発信は、SEO効果を高めるとともに、見込み顧客との接点を増やすうえで欠かせません。そのためには、質の高いコンテンツを継続的に制作・更新できる社内体制を整えるか、信頼できる外部パートナーと連携して運用を仕組み化することが重要です。
BtoBサイトの種類別費用相場
BtoBサイトの制作費用は、サイトの規模や目的、搭載する機能の複雑さによって大きく変動します。
費用相場の目安は以下のとおりです。
| サイトの規模 | 費用相場 |
|---|---|
| 小規模サイト | 10万円~50万円 |
| 中規模サイト | 50万円~150万円 |
| 大規模サイト | 200万円以上 |
それぞれの特徴と費用感を詳しく見ていきましょう。
小規模サイト
小規模サイトは、会社案内や名刺代わりの情報発信を目的としたシンプルな構成のWebサイトです。
費用相場は15〜50万円前後が一般的で、トップページ・サービス紹介・会社概要・お問い合わせなど 1〜5ページ程度の構成が中心です。
テンプレートを活用したデザインが多く、「まずは自社のWebサイトを立ち上げたい」「予算を抑えて最低限の情報を公開したい」企業に適しています。
中規模サイト
中規模サイトは、見込み顧客の獲得や採用活動への活用を目的としたサイトです。
費用相場は50〜150万円前後が目安で、ページ数は10〜30ページ程度になるケースが多く見られます。
オリジナルデザインを用いた構築も可能で、ブログ機能や資料ダウンロードなどのコンテンツマーケティング施策を取り入れたい企業におすすめです。
なお、EC機能を備える場合はシステムの種類によって費用が変動します。たとえば、ASP(カートシステム)を利用する基本的なECサイトは70万円程度〜、独自機能を開発するフルスクラッチ構築では200万円以上となるケースもあります。
大規模サイト
大規模サイトは、複数事業を展開する企業や上場企業向けの高機能サイトです。
費用相場は200〜1,000万円以上におよび、要件や機能次第ではさらに高額になることもあります。
ページ数は100ページ以上に達するケースも珍しくなく、UX設計・多言語対応・高度なSEO対策・外部システム(MA・CRMなど)との連携など、あらゆる面で高い専門性と品質が求められます。
その分、戦略的な企画や構成設計に十分な時間をかける必要があり、主に大企業・上場企業・グローバル企業が対象となります。
BtoBサイト制作の一般的な流れ

実際にBtoBサイトを制作する際の一般的な流れを、9つのステップで解説します。
- Webサイトの目的・ターゲットの策定
- 予算・スケジュールを検討
- Webサイト制作会社の選定
- サイト構成・ワイヤーフレーム作成
- デザイン制作
- コンテンツ制作
- 実装・構築
- テスト・公開
- 運用・改善
関連記事:Webサイト制作の流れ全ステップを徹底解説!工程別のポイントや依頼先も紹介
1.Webサイトの目的・ターゲットの策定
最初のステップは、Webサイトを制作する目的とターゲットを明確にすることです。「何のためにサイトを作るのか」「誰に向けて情報を発信するのか」を整理し、全員が共通認識をもつことが重要です。
たとえば、目的が「新規リードの獲得」であれば、CTA設計や問い合わせ導線を重視すべきです。「ブランディング」や「採用強化」が目的であれば、デザインコンセプトやコンテンツトーンの設計を重視するなど、目的に応じてサイトの構成・表現・機能が大きく変わります。
また、BtoBサイトの場合は、営業・マーケティング・経営層など、複数の部門が関与するケースが一般的です。この段階で各部門の意見を整理し、目的・ターゲット・優先順位を明文化しておくと、後の工程での仕様変更や修正を最小限に抑えられます。結果として、サイト全体の方向性がぶれず、プロジェクト全体をスムーズに進行できます。
2.予算・スケジュールを検討
策定した目的をもとに、必要な機能やコンテンツを洗い出し、予算と制作スケジュールを現実的に設定します。ここでは人員・時間・費用のリソース配分を明確にしておくことが重要です。
まず、必要なページ数や実装する機能(CMS、フォーム、資料ダウンロードなど)を整理し、どの工程にどれだけの工数がかかるかを見積もります。そのうえで、優先度の高い要素から予算を配分し、後回しにできる機能はフェーズを分けて段階的に実装すると、スケジュール遅延やコスト超過を防げます。
また、外部のサービスやツール(MAツール、アクセス解析、フォーム管理など)を導入する場合は、
初期費用・月額費用の両方を含めて試算しておくことが大切です。
BtoBサイトの制作期間は、一般的に2〜5ヶ月程度が目安なので、社内確認や素材準備なども考慮し、余裕をもったスケジュール設計を意識しましょう。
3.Webサイト制作会社の選定
BtoBサイトの成果を最大化するには、経験と専門知識をもつWeb制作会社に依頼するのが効果的です。社内だけで対応しようとすると、デザインやシステム開発、SEOなど幅広い領域での知識が求められるため、工数が膨らみやすく、品質を維持するのが難しくなります。
Web制作会社を選定する際は、単にデザインが得意な会社ではなく、ビジネス戦略やマーケティングの観点から提案できるパートナーを選ぶことが重要です。BtoBサイトは、リード獲得や信頼性の構築といった目的が明確であるため、それを理解した上で戦略的に設計できる会社かどうかを見極めましょう。
関連記事:ホームページ制作会社の選び方ガイド|失敗しないためのポイントと依頼のコツ
4.サイト構成・ワイヤーフレーム作成
目的とターゲットが明確になったら、次にサイト全体の構成を設計します。「どのような情報を、どの順番で、どんな流れで見せるか」を整理し、ページごとの設計図となるワイヤーフレームを作成していきます。
この工程では、各ページの役割や、ユーザーを目的のページへ導くための導線、そしてCTA(行動喚起)の配置や文言などを検討します。情報の優先順位を整理しながら、伝えたい内容を無理なく流れるように配置することがポイントです。
BtoBサイトでは、製品やサービスが他社と比較されることを前提に、自社の強みや実績がわかりやすく伝わる構成が成果を左右します。トップページから詳細ページへ自然に理解が深まり、最終的に「信頼」から「問い合わせ」へつながる導線を意識するとよいでしょう。
5.デザイン制作
ワイヤーフレームをもとに、Webサイトの具体的なデザインを作成します。BtoBサイトのデザインでは、見た目の美しさよりも情報の分かりやすさと信頼感の演出が重視されます。企業のブランドイメージに合わせて色使いや書体(トーン&マナー)を統一し、余白を活かしたシンプルで読みやすいレイアウトを意識しましょう。
また、訪問者が目的の情報にスムーズにたどり着けるよう、視線の流れやボタン配置など導線設計を意識したデザインにすることが大切です。くわえて、取引実績や認証マーク、導入企業のロゴといった信頼性を高める要素を適切に配置することで、安心して問い合わせや資料請求につながるデザインを実現できます。
6.コンテンツ制作
デザイン制作と並行して、サイトに掲載する文章や画像、動画などのコンテンツを作成します。BtoBの情報発信では、専門的な内容をわかりやすく、正確に伝えることが求められます。ターゲットが現場担当者なのか、決裁者なのかによって、使う言葉や情報の深さを調整しましょう。
また、「導入実績多数」といった抽象的な表現ではなく、「導入企業数は100社を突破、問い合わせ数が200%増加」や「サービス導入後、コストを30%削減」のように、具体的な数値や成果を提示することで説得力が高まります。こうした具体性と根拠のある表現は、読み手の信頼を得るだけでなく、ビジネス上の意思決定を後押しする重要な要素になります。
7.実装・構築
デザインとコンテンツが完成したら、Webサイトとして機能させるための実装(コーディング)作業に進みます。この工程では、デザインを忠実に再現するだけでなく、ページの表示速度・操作性・モバイル対応といったユーザー体験(UX)を最適化することが重要です。表示の遅延や動作の不具合は離脱率に直結するため、軽量で安定した構築を意識しましょう。
また、ニュースや導入事例、ブログなどを社内で継続的に更新できるよう、CMS(コンテンツ管理システム)の導入も有効です。WordPressやMovable Typeなどを活用すれば、専門知識がなくても効率的に情報発信が行え、公開後の運用体制を整えやすくなります。
8.テスト・公開
Webサイトを公開する前に、全ページの表示やリンク、フォームの動作を確認し、不具合がないかを丁寧にチェックします。PC・スマートフォンなど複数のデバイスやブラウザで表示が崩れていないか、読み込み速度が遅くないかなども重要な確認ポイントです。
また、資料請求や問い合わせフォームが正しく動作しているかを必ずテストしましょう。入力内容の送信から自動返信メールまでを実際に試すことで、公開直後のトラブルや機会損失を防げます。
9.運用・改善
公開後は、アクセス解析ツールやヒートマップを活用し、どのページが多く閲覧されているか、どの箇所でユーザーが離脱しているかを継続的にチェックします。データをもとに導線の改善やコンテンツの更新を繰り返すことで、サイトの成果を徐々に高めていくことができます。
また、定期的な情報更新や事例追加、SEOキーワードの見直しなども重要です。ユーザーにとって常に新しく価値ある情報を発信し続けることで、検索評価と信頼性の双方を維持できます。
BtoBサイト制作をWeb制作会社に依頼すべき3つの理由
BtoBサイトは自社で制作することも可能ですが、成果を最大化するためには専門会社への依頼が効果的です。この章では、専門会社に依頼すべき3つの理由を解説します。
1. 成果につながる戦略設計と専門ノウハウを活用できる
Web制作会社には、SEOやUI/UXデザイン、コンテンツマーケティングなど、各分野の専門家が在籍しています。自社で対応する場合、ノウハウ不足から効果的な設計ができず、思うような成果が出ないケースも少なくありません。
専門会社であれば、数多くの実績から得た知見をもとに、市場調査や競合分析に基づいた戦略的なサイト設計が可能です。これにより、ターゲット企業への訴求精度を高め、リード獲得や商談創出などの成果につなげられます。
2. 社内のリソースを本来の業務に集中できる
BtoBサイト制作は、企画・設計・デザイン・開発・運用まで多くの工程を要し、担当者の工数が膨大になりがちです。すべてを内製化すると、本来のマーケティングや営業活動に割ける時間が減り、業務効率の低下を招くこともあります。
制作を専門会社に委託することで、社内リソースを戦略立案や顧客対応などのコア業務に集中させられます。結果として、高品質なサイト制作と業務効率化の両立が実現します。
3. 客観的な視点で強みを魅力的に伝えられる
自社だけでサイトを企画すると、事業内容に慣れすぎて「当たり前」となっている強みをうまく打ち出せないことがあります。
第三者であるWeb制作会社の視点を取り入れることで、自社では気づかなかった魅力や訴求ポイントを発見でき、より説得力のある表現に磨き上げられます。
このように、専門会社に依頼することで戦略性・効率性・客観性の3つを同時に確保できます。成果を重視したBtoBサイトを構築したい企業にとって、専門知識をもつ制作会社への依頼は心強い選択肢となるでしょう。
失敗しないBtoBサイト制作会社の選び方
BtoBサイト制作の成否は、パートナーとなるWeb制作会社の選定に大きく左右されます。しかし、数多くのWeb制作会社の中から、自社に最適な一社を見つけるのは簡単ではありません。
ここでは、成果につながるサイト制作を実現するためのポイントを5つご紹介します。
- BtoB分野での制作実績は豊富か
- マーケティング視点で戦略的な提案ができるか
- 企画から運用までワンストップで対応できるか
- 高い技術力と設計力を兼ね備えているか
- 公開後の運用・改善サポートは充実しているか
これらのポイントが重要な理由を一つずつ解説します。
BtoB分野での制作実績が豊富か
まずは、自社と同じ業界・目的での実績があるかを確認します。
BtoBには業界特有の商習慣や顧客心理があり、それを理解している会社であれば、より精度の高い提案が期待できます。多くのWeb制作会社は自社サイトで事例を公開しているため、掲載実績や成果事例をチェックすると良いでしょう。
マーケティング視点で戦略的な提案できるか
成果を上げるBtoBサイトを作るには、デザインや機能よりも「事業戦略とつながる設計」が欠かせません。Web制作会社を選ぶ際は、単に要望通りに作るのではなく、「どうすれば成果に結びつくか」をマーケティング視点から提案してくれるかを重視しましょう。
信頼できるWeb制作会社は、サイトの目的やターゲットの購買プロセスを踏まえた情報設計を行い、SEOやリード獲得を見据えた戦略を立てます。打ち合わせの中で、KPIの設定や競合との差別化施策、コンテンツ戦略などを具体的に議論できる会社であれば、成果を共に追求できるパートナーといえます。
企画から運用までワンストップで対応できるか
BtoBサイト制作では、戦略立案・デザイン・開発・運用といった複数工程が密接に連携します。それぞれを別会社に依頼すると、情報共有が煩雑になり、意思疎通のズレや納期の遅延が起こることもあります。
企画から運用までをワンストップで対応できるWeb制作会社なら、進行がスムーズで、ブランドイメージの一貫性も保てます。動画制作や広告運用まで一括で依頼できるかも確認しておくと安心です。
高い技術力と設計力を兼ね備えているか
BtoBサイトでは、企業の信頼性や専門性を伝えるデザインと同時に、情報のわかりやすさ・操作性も求められます。
以下のような観点で技術・設計力をチェックしましょう。
- 情報を整理してわかりやすく構成できる情報設計力
- 顧客管理システム(CRM)やMAツールなどとのシステム連携力
- 表示速度・SEO内部対策・モバイル最適化などのパフォーマンス対応力
- 直感的に操作できるUI/UXデザイン力
これらが整っている会社は、ユーザーの信頼を得やすく、サイト成果にも直結します。
公開後の運用・改善サポートは充実しているか
Webサイトは公開して終わりではなく、データをもとに継続的な改善を重ねることで成長していきます。アクセス解析や問い合わせデータを分析し、どのページがよく見られているのか、どこで離脱が多いのかを把握したうえで、定期的にサイト全体を見直すことが重要です。
そのため、公開後の改善提案やコンテンツ更新、SEOリライトにくわえ、システムの保守運用やトラブル対応までサポートしてくれる会社を選ぶと安心です。制作後もパートナーとして伴走してくれる体制が整っているかどうかが、長期的な成果を左右します。
BtoBサイトの制作事例3選
ここでは、実際のBtoBサイト制作を通じて「成果につながる設計」がどのように実現されているのかを紹介します。「リード獲得」「ブランディング」「採用強化」といった目的ごとに3つの事例を取り上げ、それぞれの課題に対してどのような戦略や工夫が行われたのかを解説します。
1.リード獲得を目的としたランディングページ

出典:京セラ株式会社公式サイト
コーティング技術に関する特設サイトの制作事例です。技術の高さや品質を映像と統一感をもたせ表現し、Webならではのアニメーションや動画を効果的に活用。映像と連動したデザインで、製品や技術の価値を体感的に伝えられる構成としました。
また、スマートフォンでも快適に閲覧できるレスポンシブデザインを採用し、デバイスを問わずストレスなく情報にアクセスできる設計になっています。ユーザーの理解促進から問い合わせ・資料請求などのアクションへ自然に導く導線設計により、高いエンゲージメントを実現しています。
2. ブランディングを目的としたコーポレートサイト

環境に配慮した企業の環境保全活動を、より多くの若年層に知ってもらうための特設サイトを制作した事例です。
専門的で堅い印象になりがちな環境テーマを、柔らかいトーンのデザインと親しみやすい言葉で構成。メインビジュアルには動画を用い、企業の姿勢や取り組みのストーリーを直感的に伝えられるよう設計しました。企業の社会的信頼を高めつつ、ブランドイメージの向上にも寄与。環境への取り組みをより身近に感じてもらえるサイトへと仕上がりました。
3. 採用強化を目的としたリクルートサイト

採用力の強化を目的として、リクルートサイトをリニューアルした事例です。コンテンツの企画からデザイン、コーディングまでをJPCがワンストップで担当しました。CMSの構築や導線整理を行い、更新のしやすさとユーザビリティを両立した設計になっています。
デザイン面では、コーポレートサイトをはじめ、動画やパンフレットなど他の制作物とのイメージに乖離が生じないよう配慮しながら、新しいデザインテーマを取り入れました。採用サイトという性質上、スマートフォンでの閲覧にもこだわり、快適に閲覧できるよう最適化しています。また、働く社員の写真を多く使用することで、企業の雰囲気や親しみやすさを感じられるサイトに仕上げました。
まとめ
BtoBサイト制作で成果を出すためには、自社の課題や目的を踏まえて制作できるWeb制作会社を選ぶことが重要です。今回解説した選び方のポイントを押さえ、戦略設計から運用まで安心して任せられる会社を見極めましょう。
株式会社ジェー・ピー・シー(JPC)では、お客様のビジネス課題を解決するためのBtoBサイト制作をワンストップで提供しており、以下の強みがあります。
- マーケティング視点に基づいた戦略的なサイト設計ができる
- 各分野の専門家が連携し、高品質なデザインと機能性を両立できる
- 公開後のアクセス解析や運用サポートまで一貫して対応できる
「何から始めればいいかわからない」「自社に最適なサイトの形が知りたい」といった方も、まずはお気軽にご相談ください。
