お問い合わせフォームはこちら

Web商談も対応中

2025.10.16

自転車用ツールの紙什器制作事例 – 多言語展開を意識したデザイン設計 –

今回は、フィットネス・機器メーカー様よりご依頼いただいた、自転車用新製品を店頭でPRする紙什器制作事例をご紹介します。

紙什器は、輸送や設置がしやすく、低コストで展開できることが大きなメリットです。売り場での第一印象を左右する重要な販促ツールであり、商品の見え方だけでなく、ブランド全体のイメージ形成にも大きな影響を与えます。
一方で重厚感のある什器と比べると、素材ならではのカジュアルさが感じられることもありますが、デザインの工夫によって売り場での印象は変えられます。単に製品を置くだけの台ではなく、ブランドの世界観を伝え、製品の価値を直感的に理解してもらうための“ステージ”として、目的に合うデザインをすることが大切です。

本記事では、同社よりご依頼いただいた紙什器制作を中心に、デザインの工夫や多言語展開への配慮についてご紹介します。紙什器や販促ツールの制作を検討されている方、また海外展開を見据えたプロモーションに関心のある方の参考になれば幸いです。

紙什器デザイン制作の概要

まず、今回の紙什器デザイン制作の概要についてご紹介いたします。

ご依頼主-東京のフィットネス・機器メーカー様-

今回の案件は、東京に拠点を構えるフィットネス・機器メーカーの日本法人様からご依頼いただきました。本社はアメリカにあり、グローバルに事業を展開されています。ランニング、サイクリング、フィットネスなど幅広い分野で活用されるセンサーや機器を製造し、アスリートのパフォーマンス向上に貢献されている企業様です。

ご依頼内容-アジアのサイクルショップで使用する紙什器-

ご依頼いただいたのは、新製品である自転車用GPSナビをサイクルショップなどで展示するための紙什器の制作です。
アジア各国で使用される販促ツールでしたので、輸送費や廃棄コスト、各ショップでの設置作業を考えて紙の什器をご希望されていました。什器の形状は依頼時にクライアント様にて決定されていて、ガラスのショーケース内に設置されることを踏まえたコンパクトな設計となっていました。

デザイン制作におけるポイント-多言語展開しやすく高級感のあるデザイン-

ベースとなる日本語版を制作したのちに、アジア10か国語版に展開することを想定していました。そのため、イメージを訴求するエリアと製品説明エリアを分割し、製品訴求エリア部分は多言語版に差し替えやすい構成としました。言語ごとに大きくデザインを変えることなく、クライアント様も各国で差し替えやすいように配慮いたしました。
また、製品自体が高価格帯であったため、紙什器ではありながらも高級感のあるデザインを希望されていました。クライアント様がヨーロッパのサイクリングチームと契約されていたため、そのイメージ写真を使用しながら、店頭で埋もれないように高級感と十分な視認性、インパクト性を持たせるよう意識して取り組みました。製品本体とのバランスを考慮した設計により、売り場においても自然に調和しながら、しっかりと訴求力を発揮する什器となっています。

紙什器デザイン制作の流れ

初回デザイン提案

初めに什器の形状に合わせて2パターンのデザインを作成しました。

●A案

A案では、高級感とロードサイクリングの世界観を意識し、全体をスタイリッシュかつ力強い印象にまとめました。

全体の背景には黒を基調としたカラーリングを採用しています。黒は、製品の輪郭や質感を引き立てると同時に、高級感・重厚感を演出する色であり、視覚的に空間を引き締める効果があります。また、シンプルでありながらも印象に残る背景色として、製品の存在感を際立たせる役割も担っています。

アクセントカラーには、クライアント様のアプリで使用されているブルーを取り入れ、ブランドとしての一貫性と統一感を演出しています。また、什器の左側の製品説明の背景もブラックで統一し、全体と一体化するような仕上がりとしました。その上に白文字で情報を整理して配置することで、視認性を高め、スッキリとした印象を与えています。お客様が必要な情報を素早く把握できるようにしながらも、デザイン全体のトーンを崩さないよう配慮しています。

●B案

B案では、濃いネイビーとグレーを基調としたカラーリングを採用しています。

濃いネイビーは信頼感や品位を感じさせる色であり、落ち着いた印象を与えることで、ブランドの信頼性・高品質なイメージを強調します。一方、グレーは主張しすぎず周囲と調和する色であり、洗練された印象を与えるとともに、ネイビーとの組み合わせにより全体のデザインを引き締めます。

このカラーリングにより、視覚的に落ち着きがありつつも高級感のある印象を提供し、店舗空間や製品との親和性を高めることを意図しています。

また、什器左側の製品説明エリアについては、情報の視認性とデザイン全体の一体感の両立を図るために、背景にグレーを用いて、黒文字でデザインしました。A案と対象的な印象に仕上げながらも、グレー背景とのコントラストによって読みやすさが確保されています。

デザインブラッシュアップ

クライアント様からフィードバックをいただき、A案で進めることとなりました。
デザインベースは大きく変更せず、コピーライターが並行して整えたテキストを反映しながら、文字サイズやカラーを調整しました。

今回紙什器でPRする新製品が3種ありましたので、店舗ごとの取扱製品の違いに柔軟に対応できる構成を重視し、いずれを展示する場合にも調和が取れる汎用性の高いデザインとしています。

紙什器デザインの完成と多言語展開

什器のベースが完成したあと、製品訴求面に什器の組み立て方法を入れたいとご要望を追加でいただき、再度デザインを調整しました。

元々の製品訴求面に組み立て方法をデザインし、そこに各言語の製品訴求シートを差し替えて運用いただく形としました。多言語版シートは、日本語版を含めて10種類展開しました。

完成した紙什器がこちらです。

高級感とロードサイクリングの世界観を意識し、海外でも馴染むようなスタイリッシュなデザインに仕上げています。
クライアント様からもご好評いただくことができました。

多言語に展開する紙什器デザインのポイント

複数の国で使用される販促ツールは、見た目のデザインだけでなく、どの国や地域でも正しく機能することが求められます。「翻訳すれば終わり」ではなく、言語ごとの文字量や使われ方を想定した事前のデザインでの工夫が大切です。
本章では、多言語対応を効率的かつ効果的に進めるための3つのポイントをご紹介します。

1. 言語部分をまとめて差し替えやすくする

多言語展開を前提とした紙什器デザインは、「言語部分を独立させる」ことが効果的です。ベースとなるデザインは共通のまま、テキストを記載したシートやエリアを差し替えるだけで各国版を制作できれば、作業工数もコストも大きく削減できます。
今回の案件でも、製品訴求エリアを差し替え可能な構成にすることで、10か国語への展開をスムーズに実現できました。デザイン全体を作り直す必要がないため、修正の手戻りも減り、クライアント様にとっても安心感のある仕組みとなりました。

2. 文字量の増減を見越したデザイン設計

翻訳では、言語によって文字数が大きく変わります。多言語対応を考える際は、余白をしっかり確保しておく、行間や文字サイズを柔軟に調整できるように設計する、といった配慮が必要になります。さらに、情報をアイコンや図で補完すれば、多少文字が増減しても全体のバランスを崩さずに対応できます。

3. ユニバーサルデザインの視点を取り入れる

多言語展開では、誰にとっても直感的に分かりやすいデザインであることも重要です。ピクトグラムやアイコンを用いれば、文字を読まなくても機能や特徴を理解できるため、国や言語を超えて製品の魅力を伝えることができます。今回の什器デザインでもアイコンを効果的に取り入れて、製品特長を視覚的に分かりやすく伝えるよう工夫しました。

紙什器デザイン制作まとめ

今回は、フィットネス機器メーカー様よりご依頼いただいた、紙什器の制作事例をご紹介しました。

黒を基調としたスタイリッシュな世界観をベースに、ブランドカラーをアクセントとして取り入れ、高級感とインパクト性を両立させています。また、多言語展開を前提に製品訴求部分を差し替え式にすることで、10か国語へのスムーズな展開を実現しました。最終的に完成した什器は、コンパクトでありながら存在感があり、製品本体とも調和するデザインに仕上がりました。クライアント様からもご好評をいただき、アジア各国の店舗で活用いただいています。

JPCでは、紙什器のデザインから印刷・加工・納品までをワンストップで対応できる体制を整えています。「海外展開を見据えた販促ツールを効率的に制作したい」「紙什器でも高級感を演出し、ブランドイメージを高めたい」といった様々なご要望に真摯に対応させていただきます。ぜひお気軽にご相談ください。

紙什器制作について詳しくは、こちらのページもご覧ください。

人気の記事

一覧へ戻る

店頭POP・紙什器・展示会ブースの制作サービス一覧

TOP