2026.09.03
製品カタログ制作事例 – ターゲットに合わせた紙面設計とラインナップ整理
今回は、大阪の農業機械メーカー様よりご依頼いただいた、ミニ耕うん機の製品カタログの制作事例をご紹介します。
製品カタログは、製品の仕様を伝えるだけでなく、読み手が購入を判断するための材料になるツールです。とくに複数の製品をラインナップとして展開している場合、それぞれの違いや位置づけが伝わるかどうかで、検討のしやすさは大きく変わります。一方で、複数の製品が並ぶほど、読み手には違いがわかりにくくなりがち。専門知識を持たない層に向けた製品であれば、なおさら丁寧な紙面設計が求められるでしょう。
本記事では、ミニ耕うん機の製品カタログ制作事例をもとに、ターゲットに合わせた紙面設計と、ラインナップの見せ方についてご紹介します。製品ラインナップの整理や、専門外の読み手に向けた製品カタログ制作をご検討中の方は、ぜひご参考ください。
製品カタログデザイン制作の概要
ご依頼主 -大阪の農業機械メーカー様-
ご依頼主は、トラクターやミニ耕うん機をはじめとする農業機械の開発・製造・販売を手掛けるメーカー様です。JPCとは長年にわたるお付き合いがあり、カタログやリーフレットなど、複数のプロモーションツールをご一緒させていただいています。
ご依頼内容 -ミニ耕うん機3機種の製品カタログ-
ご依頼いただいたのは、ミニ耕うん機3機種のラインナップを紹介するA4二つ折りの製品カタログです。3機種はエンジン馬力や仕様が異なり、シンプル仕様、一軸正逆転仕様、一軸正逆転・セル仕様の3タイプ。使用する畑の規模や用途に応じて選べるラインナップとなっています。
同メーカー様の製品群には、プロの農家や大規模な圃場での作業を想定した本格派のラインも数多くあります。今回のミニ耕うん機は、そうしたラインとは性格の異なる製品。コンパクトで取り回しがよく、家庭菜園などの初心者や小規模農園の方でも扱える点が特長です。
デザイン制作におけるポイント -ターゲットに合わせた見せ方とラインナップ整理-
デザイン設計の起点にしたのは、本格派ラインの重厚なトーンと差をつけながら、コンパクトで手軽に使える性能はしっかり伝えるというバランスです。
「難しそう」と思われれば、はじめて手に取る方の検討はそこで止まってしまいます。一方で、柔らかくするだけでは「本格的な作業には向かないのでは」と受け取られる可能性も。扱いやすさと信頼感を両立させること。3機種の違いを明確にし、選びやすくすること。この2つを軸に紙面を設計しました。
製品カタログのデザイン制作の流れ
ロケ撮影・スタジオ撮影
はじめて製品を検討する方に安心感を伝えるには、実際に使っている場面が想像できることが重要です。一方で、操作方法や機能は正確に伝わらなければ意味がありません。
この2つを両立させるため、撮影は2本立てで実施しました。実際の使用シーンをとらえるロケ撮影と、機体のディテールを正確にとらえるスタジオ撮影です。
ロケ撮影では、モデルに実機を操作してもらうカットをあえて取り入れました。機体だけを撮影しても、サイズ感や取り回しのしやすさは伝わりにくいものです。「自分にも扱えるか」という不安は、製品単体のカットでは解消できません。人が使っている様子を写すことで、本体の大きさや扱いやすさが直感的に伝わり、「これなら自分でも安心して使えそうだ」という想像を後押しできます。
スタジオ撮影では、機能ディテールのカットを重点的に押さえています。撮影したのは、レバー操作やハンドル調整部など、操作方法が具体的に伝わる部分。ロケ撮影の前日にお客様の工場敷地内へ簡易スタジオを設営し、製品カットとあわせて効率よく撮影を進めました。
現場の空気感を伝えるロケカットと、機能を正確に見せるスタジオカット。役割の異なる2種類の素材を用意することで、紙面のなかで「使うシーンの想像しやすさ」と「機能のわかりやすさ」を同時に成立させる準備が整いました。

ビジュアル設計
撮影したカットは、紙面のなかでサイズと配置にメリハリをつけてレイアウトしました。全体の親しみやすさを伝える使用シーンのカットは大きく、変速レバーや旋回レバーといった操作部のディテールは小さく添える形です。読み手の視線が「全体像→操作のしやすさ」の順に自然に流れる構成を意識しています。
あわせて、文字の見せ方にも手を加えました。3機種の仕様を正確に伝えようとすると、どうしても数値や専門的な表記が多い紙面になります。それだけでは本格派の製品と変わらない硬い印象になってしまうため、操作ポイントや特長を伝える部分には、アクセントとして手描き風のフォントを採用。温かみのある文字を添えることで堅苦しさを和らげ、はじめての方にも話しかけるような雰囲気を加えています。

情報設計
はじめて製品を選ぶ方にとって、機種ごとの違いがわかりにくいことは、そのまま購入のハードルになります。そのため紙面では、迷わず使える点を整理して掲載しました。アタッチメントの組み替えなしで耕うん・うね立て・移動ができるALL-IN-ONE機能、簡単に操作できるシンプルな操作性、機種によるセルスターター対応などです。
あわせて、3機種の仕様を比較しやすい表形式でまとめています。
掲載したのは、エンジン馬力、耕うん幅、畑の広さの目安といった、選ぶために必要な項目。専門的な数値を羅列するのではなく、比較に必要な項目に絞り込むことで、はじめて手に取る方にも読みやすい紙面を目指しました。
製品カタログの完成
完成したデザインがこちらです。

モデル起用のカットと手描き風フォントによって「これなら自分でも使えそう」という安心感を伝えつつ、機能説明で「しっかり作業ができる」という信頼感も担保した紙面に仕上がりました。3機種の違いは比較表で整理し、規模や用途から選べる構成に。本格派ラインとは異なる柔らかいトーンでありながら、性能面での説得力と選びやすさを両立させています。
また、今回はカタログにとどまらず、店頭用のバナーにもデザインを展開しています。

見やすいラインナップページのつくり方
複数の製品を1冊にまとめると、掲載する情報は増え、読み手は目的の製品を探しにくくなります。だからこそ、どう並べてどう見せるかの設計が必要になります。ここでは、ラインナップページを設計するうえで意識しておきたい3つのポイントをご紹介します。
1. 紙面と表で並び順をそろえる
製品の並び順は、紙面と比較表でそろえることが重要です。紙面で目にした流れがそのまま表へ続くため、迷わず内容を比較できます。
並べる順番は、読み手が製品を選ぶときの順序に合わせます。性能の高いものから見せるのか、価格の手頃なものから見せるのか。読み手がどこから検討を始めるかを想定して決めましょう。
2. 比較させる製品は同じレイアウトで見せる
見比べてほしい製品同士は、レイアウトをそろえることが大切です。共通する部分の形が同じであれば、違いのある部分だけが自然と目に入ってきます。
そろえるのは、写真の位置と大きさ、製品名の置き方、仕様が並ぶ順番。写真そのものの角度や画角も統一しておきたい要素です。ばらついていると、レイアウトを合わせても製品ごとに印象が変わってしまいます。
3. 違いが出る項目を強調する
比較表では、製品ごとに差が出る項目を目立たせると見やすくなります。差が出る欄に色を敷く、対応の有無をアイコンで示す、主要な数値だけ文字を大きくする。こうした処理があると、どこを見比べればよいのかが直感的に伝わります。
ただし、あれもこれもと強調すると効果は薄れてしまいます。読み手が製品を選ぶうえで判断が分かれる項目に絞って目立たせるほうが、比較のポイントは伝わりやすいでしょう。差がわずかな項目まで色を敷くと、かえってどこを見るべきか迷わせることにもなりかねません。
製品カタログデザイン制作まとめ
今回は、JPCの製品カタログ制作サービスにご依頼いただいた、大阪の農業機械メーカー様の制作事例をご紹介しました。読み手に合わせた撮影とデザイン、そして比較しやすいラインナップの整理によって、はじめて製品を選ぶ方にも伝わる紙面に仕上がりました。
カタログ制作会社のJPCでは、撮影からデザイン、印刷、加工、納品までをワンストップで対応できる体制を整えております。「製品の魅力が伝わるカタログにしたい」「複数のラインナップを分かりやすくまとめたい」といったご要望があれば、ぜひお気軽にご相談ください。